◇東京世界陸上(9月13日〜21日/国立競技場)9日目
9日間にわたる熱戦が繰り広げられてきた東京世界陸上も、いよいよ最終日を迎える。各国の威信をかけた各リレーを含め、9種目で決勝が行われる。
大会のフィナーレを飾るのは男子4×100mリレーだ。予選2組に入った日本は1走から小池祐貴(住友電工)、柳田大輝(東洋大)、桐生祥秀(日本生命)、鵜澤飛羽(JAL)のオーダーで挑み、3着に入っている。
小池から柳田へのバトンパスが詰まるなど、スムーズに流れなかった部分もあるが、全体的に安全策をとった日本。各選手の走りは悪くなく、決勝も予選同様のオーダーが有力。世界屈指のバトンパスで勝負できれば、タイムは大きく縮めることが期待でき、6年ぶりのメダルは射程圏内にある。
ライバルとなるのは王者・米国、パリ五輪金のカナダといった強豪国。予選で日本を上回ったガーナ、オランダも侮れない存在だ。
女子走高跳の最注目は、世界記録(2m10)を持つヤロスラフ・マフチフ(ウクライナ)。予選も1m92を1回跳んだだけで決勝進出を決めた。だが、今季の戦いぶりを見ると、今季世界ランク1位の二コラ・オリスラガーズ、エレノール・パターソンのオーストラリアコンビとの争いとなるか。
女子800mではパリ五輪金メダリストのキーリー・ホジキンソン(英国)と、前回女王のメアリー・モラー(ケニア)が準決勝を組トップ通過。この2人を軸に準決勝トップタイム(1分56秒40)のリリアン・オディラ(ケニア)らも絡む混戦模様だ。
男子5000mは、10000mとの2冠に挑むジミー・グルシエ(フランス)、グラント・フィッシャーら好調の米国勢、ビニアム・メハリー(エチオピア)らが軸。湿度が高い条件下、前日の女子5000m同様に超スローペースからの壮絶らスパート合戦もありえそうだ。
3連覇が懸かるヤコブ・インゲブリグトセン(ノルウェー)が、予選は2組8着と調子が上がらない状況。決勝で王者の意地を見せられるか。
男子4×400mリレーは1走から400m8位のリー・エピー、ルンゴ・スコッチ、200m4位のレツィレ・テボゴ、400m銅のバヤポ・ヌドリのオーダーで予選2組1着を占めたボツワナが充実。決勝では400m金のブサンコレン・ケビナトシピも加えたドリームチームで挑んでくる公算が高く、金メダル最有力だ。
女子4×100mリレーは、予選各組で1着を占めたアメリカとジャマイカの一騎打ちかが予想されるが、決勝では100、200m2冠のメリッサ・ジェファーソン・ウッデン起用が濃厚なアメリカが優位か。ジャマイカは経験豊富のベテラン、シェリーアン・フレイザー・プレイスの登場があるかも注目だ。
女子4×400mリレーは米国が充実。予選は400m金のシドニー・マクローリン・レヴロニを温存しながらトップタイムをマーク。追いかけるのは、前回金のオランダだ。同じく予選で温存したフェムケ・ボルを加えて、連覇を狙いにくるだろう。個人種目で実現しなかった2人の直接対決はあるか。
男子円盤投は前回王者のダニエル・ストール(スウェーデン)が予選1投目で69m90を投げる盤石ぶりで、金メダル争いの中心となる。同じく予選を1投(67ⅿ16)で通過したミコラス・アレクナ(リトアニア)は前回銅、パリ五輪銀の実力者。悲願の金メダル獲得を目指す。
対抗はパリ五輪銅のイギリス、同4位のベルギーが挙げられるが、予選1組6着に終わった米国が、他国からの妨害が受けたとして、午前に行われた再レースの結果、決勝進出を決めた。一度は失った4連覇へ、王者はなりふり構わず勝利を狙ってくるだろう。
男子十種競技は初日を4707点のトップで折り返したカイル・ガーランド(米国)が、2日目の110mハードル、円盤投、棒高跳と着実に得点を積み重ね、8種目を終えた時点で7322点でトップ。さらに、最大のライバルと思われたサンデル・スコトハイム(ノルウェー)が110mハードルで失格し、以降の競技を棄権した。
代わって、レオ・ノイゲバウアー(ドイツ、7269点)、エーデン・オーウェンス・デレルメ(プエルトリコ、7238点)で追う展開だが、ガーランドの優位は揺るがなそうだ。
文/田中 葵
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