東京世界陸上2日目のイブニングセッションが行われ、男子走高跳予選グループAに出場した真野友博(九電工)は2m21にとどまり、決勝進出記録の2m30に届かず予選敗退に終わった。
「自国開催ということで大歓声がすごくて、試合全体の雰囲気はとても楽しかったのですが、そこで思うような結果が残せなくて悔しいです」
今大会に向けた調整はうまくいき、公式練習から「踏み切れば浮く」という感覚があったという。それを生かすには「最後の踏み切りのブロックで上に上がる」ことがポイントだった。
その意識が奏功し、最初の試技となった2m16と、次の2m21をそれぞれ1回でクリア。しかし、2m25に上がると、「うまく高さにつなげられなかった」と本来の跳躍を見失った。3回連続失敗で予選敗退が決まると、真野はベンチでしばらく動けなかった。
2020年に日本歴代4位タイの2m31を跳び、22年オレゴン世界陸上では日本人初となるファイナルに進出、8位入賞を果たした。23年ブダペスト世界陸上と24年パリ五輪にも出場。ここ2年は助走がうまく行かずに試行錯誤が続いたが、今季は2m29をマークし、3年ぶりに日本選手権を制すなど復調していた。
予選グループBに出場した赤松諒一(SEIBU PRINCE)と瀬古優斗(FAAS)は、ともに2m25をクリアして決勝に駒を進めた。それだけに「僕だけ落ちて気持ちが沈んでいます」というのは正直な気持ちだろうが、真野は「世界陸上期間中は切り替えて、しっかり赤松選手と瀬古選手の応援をしていきたいと思います」と気丈に話した。
ただ、身近で支えてくれた人たちのことを思うと、あふれる涙を堪えることができなかった。
「家族や会社の方々、友人も多く応援に来てくれたのに、決勝の舞台で戦うことができませんでした。日本代表として選出してもらったのに、日本の走高跳界が強くなっている中で選ばれなかった選手のことを思うと、本当に申し訳ないです」
自分を責める必要も、誰かに謝罪をする必要もない。もちろん、悔しい気持ちは本人しか知りえないことだろうが、その思いがある限り、真野はまだまだ進化できる。
文/小野哲史
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.12.16
【プレゼント】ハーツ&ハーツクリニックの「メタリックネックレスⅤ」/2026年1月号
2025.12.15
関西スポーツ賞に20㎞競歩世界新・山西利和、800m東京世界陸上出場・久保凛が選出!
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝女子(2025年12月14日)
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝男子(2025年12月14日)
2025.12.14
中学駅伝日本一決定戦がいよいよ開催 女子11時10分、男子12時15分スタート/全中駅伝
-
2025.12.14
-
2025.12.14
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝女子(2025年12月14日)
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝男子(2025年12月14日)
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.12.16
【プレゼント】ハーツ&ハーツクリニックの「メタリックネックレスⅤ」/2026年1月号
装着するだけで呼吸が楽になり、ピッチ&ストライドアップが図られるとアスリートの間で大人気の<ハーツ&ハーツクリニック>のメタリックネックレスは、今シーズンも各駅伝大会でランナーの快走をサポートしている。 そして […]
2025.12.16
日本パラスポーツ賞大賞に男子円盤投・湯上剛輝!東京デフリンピックで金メダル、東京世界陸上も出場
第9回日本パラスポーツ賞の受賞者が12月15日に発表され、男子円盤投の湯上剛輝(トヨタ自動車)が大賞に選出された。 同賞は国内外の障がい者スポーツで優れた成績を残した選手、団体を表彰するもの。聴覚障がい者の大賞受賞は初だ […]
2025.12.15
関西スポーツ賞に20㎞競歩世界新・山西利和、800m東京世界陸上出場・久保凛が選出!
第69回関西スポーツ賞の個人部門に、男子20km競歩で世界新記録を樹立した山西利和(愛知製鋼)、東京世界選手権女子800m出場の久保凛(東大阪大敬愛高3)が選出された。 同賞はその年の優秀な成績、関西スポーツ界への貢献度 […]
2025.12.15
なぜ、トップアスリートがOnを選ぶのか? “人気2モデル”の記録更新に向けての『履き分け』とは
スイスのスポーツブランド「On(オン)」。同社は、陸上の男子3000m障害の日本記録保持者で、9月に東京で開催された世界選手権で最後まで優勝争いを演じて8位入賞を果たした三浦龍司(SUBARU)や、学生時代から駅伝やトラ […]
Latest Issue
最新号
2025年12月号 (11月14日発売)
EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選
Follow-up Tokyo 2025