◇東京世界陸上(9月13日~21日/国立競技場)
34年ぶりに東京で世界陸上が開催される。9日間にわたる大会には、200の国・地域から2200人を超える選手が集結。前回大会の金メダリスト38人も参戦し、史上屈指の豪華な顔ぶれとなった。
大台に挑むデュプランティス
どの種目でも注目選手が多数エントリーしているが、なかでも存在感を示しているのが男子棒高跳のアルマンド・デュプランティス(スウェーデン)だ。
4年前の東京五輪を皮切りに、2度の世界陸上、そして昨年のパリ五輪とすべて金メダルを獲得。今や陸上界を代表する顔となった。
2023年以降、負けたのは1試合のみで、最後に敗れたのは23年7月。現在は目下35連勝中だ。記録面でも世界記録を塗り替え続けており、今年に入って自身の世界記録を6m27、28、29と3度も更新してきた。
今大会での3連覇はほぼ確実とみられており、あとは6m30の大台に乗せるかどうかに興味が注がれている。初めて世界を制した国立競技場で、再び大空を舞う。
陸上競技の花形種目といえば、やはり人類最速を決める男子100m。この種目で連覇に挑むのがノア・ライルズ(米国)だ。前回大会は100m、200m、4×100mリレーの3冠を達成し、王座に君臨する。
今季は左足首のケガのため、大会への出場を見合わせた時期もあったが、戦線復帰後は徐々にギアを上げ、東京に乗り込んできた。
ただし今大会は、強力なライバルが待ち受ける。昨年のパリ五輪銀のキシェーン・トンプソン(ジャマイカ)が、6月の国内選手権で世界歴代6位の9秒75をマークするなど絶好調。同じジャマイカのオビリク・セヴィルや全米選手権を9秒79で制したケネス・ベドナレク(米国)、200mのパリ五輪王者レツィレ・テボゴ(ボツワナ)が打倒ライルズを掲げる。
ライルズは100mよりも得意と言われる200mもエントリー。こちらは3連覇中で、4連覇を達成すれば、世界記録を持つウサイン・ボルト(ジャマイカ)以来、史上2人目の偉業となる。
記録、勝負ともに注目の男子400mH、女子走高跳
男子400mハードルには、東京五輪で45秒94の驚異的世界新記録を樹立したカールステン・ワルホルム(ノルウェー)が登場。さらにパリ五輪王者のライ・ベンジャミン(米国)、2大会ぶりのV奪還を目指すアリソン・ドス・サントス(ブラジル)との3強がぶつかり合う。
女子走高跳は、昨年、ヤロスラワ・マフチフ(ウクライナ)が2m10の世界記録を樹立し、パリ五輪でも金メダルを獲得。マフチフ時代が到来するかに思われたが、今季は15戦して10勝と敗れることも多くなっている。マフチフに劣らぬパフォーマンスを見せているのが、ニコラ・オリスラガーズ(豪州)だ。8月には2m04の自己新を跳び勢いに乗る。いずれも種目も名勝負となりそうだ。
また、女子5000mではフェイス・キピエゴン(ケニア)とベアトリス・チェベト(ケニア)のマッチアップに注目。キピエゴンは1500m、チェベトは10000mとの2冠を目指しており、互いのプライドを懸けた争いとなるだろう。
男子砲丸投と同円盤投には現役世界記録保持者が出場。砲丸投のライアン・クルーザー(米国)はケガ明けのため、今大会が今季初戦。3連覇を目指すが、新王者誕生の可能性もある。円盤投のマイコラス・アレクナ(リトアニア)は今季75m56をスロー。ライバルのクリスティアン・チェー(スロベニア)、マシュー・デニー(豪州)なども引けを取らない。
女子400mハードルで世界記録を持つシドニー・マクローリン・レヴロン(米国)は、「新たな挑戦」として400mにエントリー。前回優勝のフェムケ・ボル(オランダ)との対決は実現しないが、両者ともそれぞれの種目で優位に立っている。女子100mはパリ五輪で女王に輝いたジュリアン・アルフレッド(セントルシア)に勢い。9度目の世界陸上に挑むシェリーアン・フレーザー・プライス(ジャマイカ)の最後の勇姿も見逃すわけにはいかない。
男子3000m障害のソフィアン・エル・バッカリ(モロッコ)、女子競歩のマリア・ペレス(スペイン)、男子110mハードルのグラント・ホロウェイ(米国)、同5000mヤコブ・インゲブリグトセン(ノルウェー)らに連覇が懸かる。万全ではない選手もいるが、大舞台での勝負強さを発揮してくるだろう。
世界各地のスターがそろい踏みする東京。誰が歴史を塗り替えるのか、大舞台での熱戦に期待が集まる。
東京世界陸上は9月13日から21日まで、国立競技場をメイン会場に行われる。チケットは公式サイトやチケットぴあで購入可能。TBSが全日程、独占放送する。
大台に挑むデュプランティス
どの種目でも注目選手が多数エントリーしているが、なかでも存在感を示しているのが男子棒高跳のアルマンド・デュプランティス(スウェーデン)だ。 4年前の東京五輪を皮切りに、2度の世界陸上、そして昨年のパリ五輪とすべて金メダルを獲得。今や陸上界を代表する顔となった。 2023年以降、負けたのは1試合のみで、最後に敗れたのは23年7月。現在は目下35連勝中だ。記録面でも世界記録を塗り替え続けており、今年に入って自身の世界記録を6m27、28、29と3度も更新してきた。 今大会での3連覇はほぼ確実とみられており、あとは6m30の大台に乗せるかどうかに興味が注がれている。初めて世界を制した国立競技場で、再び大空を舞う。 陸上競技の花形種目といえば、やはり人類最速を決める男子100m。この種目で連覇に挑むのがノア・ライルズ(米国)だ。前回大会は100m、200m、4×100mリレーの3冠を達成し、王座に君臨する。 今季は左足首のケガのため、大会への出場を見合わせた時期もあったが、戦線復帰後は徐々にギアを上げ、東京に乗り込んできた。 ただし今大会は、強力なライバルが待ち受ける。昨年のパリ五輪銀のキシェーン・トンプソン(ジャマイカ)が、6月の国内選手権で世界歴代6位の9秒75をマークするなど絶好調。同じジャマイカのオビリク・セヴィルや全米選手権を9秒79で制したケネス・ベドナレク(米国)、200mのパリ五輪王者レツィレ・テボゴ(ボツワナ)が打倒ライルズを掲げる。 ライルズは100mよりも得意と言われる200mもエントリー。こちらは3連覇中で、4連覇を達成すれば、世界記録を持つウサイン・ボルト(ジャマイカ)以来、史上2人目の偉業となる。記録、勝負ともに注目の男子400mH、女子走高跳
男子400mハードルには、東京五輪で45秒94の驚異的世界新記録を樹立したカールステン・ワルホルム(ノルウェー)が登場。さらにパリ五輪王者のライ・ベンジャミン(米国)、2大会ぶりのV奪還を目指すアリソン・ドス・サントス(ブラジル)との3強がぶつかり合う。 女子走高跳は、昨年、ヤロスラワ・マフチフ(ウクライナ)が2m10の世界記録を樹立し、パリ五輪でも金メダルを獲得。マフチフ時代が到来するかに思われたが、今季は15戦して10勝と敗れることも多くなっている。マフチフに劣らぬパフォーマンスを見せているのが、ニコラ・オリスラガーズ(豪州)だ。8月には2m04の自己新を跳び勢いに乗る。いずれも種目も名勝負となりそうだ。 また、女子5000mではフェイス・キピエゴン(ケニア)とベアトリス・チェベト(ケニア)のマッチアップに注目。キピエゴンは1500m、チェベトは10000mとの2冠を目指しており、互いのプライドを懸けた争いとなるだろう。 男子砲丸投と同円盤投には現役世界記録保持者が出場。砲丸投のライアン・クルーザー(米国)はケガ明けのため、今大会が今季初戦。3連覇を目指すが、新王者誕生の可能性もある。円盤投のマイコラス・アレクナ(リトアニア)は今季75m56をスロー。ライバルのクリスティアン・チェー(スロベニア)、マシュー・デニー(豪州)なども引けを取らない。 女子400mハードルで世界記録を持つシドニー・マクローリン・レヴロン(米国)は、「新たな挑戦」として400mにエントリー。前回優勝のフェムケ・ボル(オランダ)との対決は実現しないが、両者ともそれぞれの種目で優位に立っている。女子100mはパリ五輪で女王に輝いたジュリアン・アルフレッド(セントルシア)に勢い。9度目の世界陸上に挑むシェリーアン・フレーザー・プライス(ジャマイカ)の最後の勇姿も見逃すわけにはいかない。 男子3000m障害のソフィアン・エル・バッカリ(モロッコ)、女子競歩のマリア・ペレス(スペイン)、男子110mハードルのグラント・ホロウェイ(米国)、同5000mヤコブ・インゲブリグトセン(ノルウェー)らに連覇が懸かる。万全ではない選手もいるが、大舞台での勝負強さを発揮してくるだろう。 世界各地のスターがそろい踏みする東京。誰が歴史を塗り替えるのか、大舞台での熱戦に期待が集まる。 東京世界陸上は9月13日から21日まで、国立競技場をメイン会場に行われる。チケットは公式サイトやチケットぴあで購入可能。TBSが全日程、独占放送する。RECOMMENDED おすすめの記事
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