2025.07.31
7月31日、世界陸連(WA)は東京世界選手権の出場資格を示すランキング「Road to Tokyo25」を更新し、男子100mで桐生祥秀(日本生命)が出場資格を得られるターゲットナンバー(TN)圏内に浮上した。
このワールドランキング(Road to Tokyo25)は、記録と大会のグレードに応じたポイントを基に順位を算出する仕組み。桐生は、7月5日の日本選手権で10秒23(+0.4)をマークして優勝したが、直後に発表されたランキングでは圏外だった。しかし、23日のWAコンチネンタルツアー・シルバーのオーストリアオープンでは、予選で10秒07、決勝でも10秒08と好記録を連発し、3位に入賞。これによりポイントを大きく加算し、ランキングは44位相当となって圏内入りを果たした。
男子100mでは、出場上限は各国最大3人。選考は、参加標準記録(10秒00)を突破した選手、またはワールドランキングでTN圏内に入った選手から行われる。
日本勢では、サニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)が昨年のパリ五輪で9秒96をマークし、標準記録を突破済み。また、広島インターハイでは16歳の高校2年生・清水空跳(星稜高・石川)が10秒00の衝撃的なタイムを記録し、参加標準をクリアした。さらに、栁田大輝(東洋大)もワールドランキング33位でTN圏内につけ、7月31日時点では桐生を含めた4人が出場資格を有する。
日本陸連は代表選考要項において、日本選手権の成績を重視しており、「日本選手権入賞かつ標準記録突破者」が第一優先、「日本選手権入賞かつランキング圏内者」が2番目の条件となる。今回、桐生はこの2番目の条件に該当し、代表争いのトップに浮上。現状でサニブラウンと清水が「標準記録突破者」として、残り2枠に入ることになる。
一方、日本選手権の予選で失格となった栁田は、現時点では4番手の扱いとなり、代表入りには8月24日までの参加標準記録の突破が必要となる。
また、男子400mハードルの豊田兼(トヨタ自動車)が7月27日のISTAFベルリンで7位に入賞したことで、ワールドランキングに必要な5レースを完走。4月に行われたDL厦門300mハードルにおいて34秒22で3位に入った試合などが高得点となり、ランキング外から一気にジャンプアップした。同種目では井之上駿太(富士通)がすでに代表に内定。小川大輝(東洋大)と豊田が出場圏内につける。
このほか、26日にコンチネンタルツアー・ブロンズ大会の女子3000m障害を制した齋藤みう(パナソニック)が、TNのボーダー(36枠)が見える39位にランクをアップ。一方で、男子200mでTN圏内だった西裕大(MINT TOKYO)が圏外に押し出されている。
東京世界選手権の代表選考基準と男子100mの有資格者の状況
※日本陸連発表のものを一部抜粋(丸数字は優先順位) 5)日本選手権8位以内の成績を収めた競技者で、参加標準記録有効期間内に参加標準記録を満たした競技者。 ① 日本選手権の成績 ② 参加標準記録有効期間内の記録 ※ 該当者なし 6)日本選手権8位以内の成績を収めた競技者で、「Road to Tokyo」により本大会の参加資格を得た競技者。 ① 日本選手権の成績 ② 「Road to Tokyo」の順位 ③ 参加標準記録有効期間内の記録 ※ 桐生祥秀(ワールドランキング44位/日本選手権1位) 7)参加標準記録有効期間内に参加標準記録を満たした競技者。 ① 「Road to Tokyo」の順位 ② 参加標準記録有効期間内の記録 ※ サニブラウン・アブデル・ハキーム(9秒96/日本選手権予選落ち)、清水空跳(10秒00/日本選手権準決勝落ち) 8)「Road to Tokyo」により本大会の参加資格を得た競技者。 ① 「Road to Tokyo」の順位 ② 参加標準記録有効期間内の記録 ※ 栁田大輝(ワールドランキング33位/日本選手権予選失格)RECOMMENDED おすすめの記事
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