◇第109回日本選手権(7月4日~6日/東京・国立競技場) 2日目
東京世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権が行われ、女子800mは久保凛(東大阪大敬愛高)が自身の日本記録を0.43秒更新する1分59秒52で2連覇を飾った。
「決勝に残ることだけを考えて走りました」と余裕を持って、2分02秒56で通過した前日の予選とは打って変わり、東京世界選手権参加標準記録(1分59秒00)を目指し、スタートからトップに立った久保は1周目を59秒で通過。さらに、「2周目に入っても脚が軽く感じて、落ち幅が少なくリズム良く走れました」と、500m過ぎに食らいついていた塩見綾乃(岩谷産業)を引き離す。
「ラスト200mでももう一段階上げることができました」と振り返る久保は、最後まで力強い走りでフィニッシュ。大歓声の国立競技場でフィニッシュタイマーは、自身2度目となる1分台が映し出された。
今季は5月の静岡国際で、世界選手権の開催国枠エントリー設定記録(2分00秒99)を上回る2分00秒28をマークするも、あくまでこだわるのは標準記録突破での出場権獲得。さらには連覇もかかる今回は「いざ試合となると、標準記録や連覇を考えてしまって緊張もありました」と吐露した。
それでも今回、現地まで応援に駆けつけた家族に背中を押され、世界選手権と同じ会場で「レースを楽しむことができました」と笑顔で振り返った。
標準記録にはあと0.52秒届かなかったが、ワールドランキングで出場圏内だ。初の世界選手権代表へ大きく前進した17歳は「何回走ってでも2分を切れないと世界では戦えないと思いますが、もし出れたら1本でも多く走れるようにしたいです」と世界の舞台を待ちわびている。
一方、前半から積極的に久保についていった塩見は2分03秒66で2位に。「ある程度速く入ることは分かっていましたし、準備もしていたので、前半は悪くなかったと思います」とうなずく。「ただ、58秒台に近いペースで入ったことで、少し不安もよぎったところで離されてしまいました。ラスト200mももう少し粘れれば良かったと思います」と納得と悔しさ両方の心境を話していた。
文/田中 葵
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.08.20
箱根駅伝総合3連覇を狙う青学大陸上競技部が施設野菜メーカー・村上農園とパートナー契約締結
-
2025.08.20
-
2025.08.19
-
2025.08.19
-
2025.08.19
2025.08.16
100mH・福部真子12秒73!!ついに東京世界選手権参加標準を突破/福井ナイトゲームズ
-
2025.08.19
2025.08.16
100mH・福部真子12秒73!!ついに東京世界選手権参加標準を突破/福井ナイトゲームズ
-
2025.07.24
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.08.20
アシックス 東京世界陸上期間中に2つの体験型イベント限定開催 アスリートの世界を体感 新シューズに触れる体験も
アシックスジャパンは8月20日、9月の東京世界選手権期間中に、都内2ヵ所で体験型イベントを限定で開催すると発表した。 世界陸連とオフィシャルパートナー契約を結んでいるアシックス。多くの人に東京世界選手権(9月13日~21 […]
2025.08.20
箱根駅伝総合3連覇を狙う青学大陸上競技部が施設野菜メーカー・村上農園とパートナー契約締結
施設野菜メーカーの株式会社村上農園(広島市)は8月20日、青学大陸上競技部(長距離ブロック)と8月14日にパートナー契約を結んだと発表した。 同社は国内11ヵ所に工場を持ち、豆苗やブロッコリースーパースプラウトなどを主力 […]
2025.08.20
来年の名古屋アジア大会代表選考 東京世界陸上入賞で1名内定「アジアのナンバー1目指す」日本選手権は6月予定
日本陸連は8月20日に理事会を開き、来年秋に行われる名古屋アジア大会の日本代表選考要項を発表した。 代表は各種目2名まで。内定条件として、今年9月の東京世界選手権で8位入賞したうちの最上位1名が内定する。また、日本選手権 […]
2025.08.20
日本選手権競歩の名称変更「日本選手権ハーフマラソン競歩」「日本選手権マラソン競歩」に
日本陸連は8月20日に理事会を開催し、日本選手権競歩の名称を変更することを決めた。 世界陸連が国際大会実施の競歩種目について、2026年から現行の20kmおよび35kmからハーフマラソン(21.095km)、マラソン(4 […]
2025.08.20
日韓中ジュニア代表 100mH高校新の石原南菜や400m小澤耀平、1500m新妻遼己 100m10秒06w菅野翔唯&松本真奈
日本陸連は8月20日、第33回日・韓・中ジュニア交流競技会(8月23日~29日、陸上競技は25日と27日/中国・内モンゴル自治区)の日本代表選手を発表した。 代表選手は男女各11名ずつの計22名。これまで日本代表はインタ […]
Latest Issue
最新号

2025年9月号 (8月12日発売)
衝撃の5日間
広島インターハイ特集!
桐生祥秀 9秒99