HOME 駅伝、大学

2025.05.25

復活への一歩を示した順大は3位通過 昨年17位から巻き返し「全体の地力はついている」/全日本大学駅伝関東選考会
復活への一歩を示した順大は3位通過 昨年17位から巻き返し「全体の地力はついている」/全日本大学駅伝関東選考会

25年全日本大学駅伝関東選考会で3位通過した順大の吉岡大翔

◇全日本大学駅伝関東学連推薦校選考会(5月24日/神奈川・レモンガススタジアム平塚)

第57回全日本大学駅伝関東学連推薦校選考会が行われ、中大が3時間50分27秒09の総合トップで5大会連続32回目の本大会出場を決めた。前回17位で本戦出場を逃した順大は3時間51分33秒で3位に入り、2大会ぶりの伊勢路行きを決めた。

「各選手がしっかり準備をしてくれて、この1週間は非常に穏やかな気持ちで過ごすことができた」と振り返る長門俊介駅伝監督の言葉通り、順大はまさに盤石の戦いぶりだった。

広告の下にコンテンツが続きます

「昨年のこともあったので、今回は自分が1組目でしっかり良い流れを作りたかったです」と志願して1組目に出走した山﨑颯(4年)がラスト勝負を制して、組トップを占める最高の出だしをチームに勢いをつける。

以降も池間凛斗(2年)が2組3着、主将の石岡大侑(4年)が3組6着と好走。最後は吉岡大翔(3年)、川原琉人(2年)が各校のエースが集まる最終組を6、7着(日本人2、3位)の走りで締めくくった。

昨年度は17位に終わると、箱根駅伝では予選会を1秒差で出場を決めるも、本戦ではシードにわずか7秒届かない悔しさを味わった。だからこそ、1秒へのこだわりが各選手の走りに表れていた。

左腕に「キャプテンだろ!」という言葉を書いて激走した主将の石岡は、「昨年はチームとしていろいろと悔しい想いをしたので、自分自身は主将として走りでも示せたかなと思いますし、今年は全員で戦っていこうというなかで、それぞれがラストで絞り出す粘りの走りを見せてくれたと思います」と振り返った。

吉岡は4月の日本学生個人選手権後に故障で2週間ほどノーランニング期間もあったが、「十分な準備ができなかったなかでも、持てる力はしっかり発揮できた」と28分22秒04の自己新をマークする。川原も28分24秒54の自己新で続き、エース候補となる選手も存在感を示した今大会。

「吉岡はまだまだこんなものじゃないと思っていますけど、さらに浮上するきっかけをつかんでくれていると思いますし、それに負けじと走った川原も成長しています。ただ、主軸の彼らも飛び抜けた存在ではなく、同じくらいのレベルで走れている選手も多い。今回起用できなかった選手も力はあるので、チーム全体の地力はついていると思います」と長門監督。

全日本大学駅伝、そして箱根駅伝へ、名門復活への一歩を確実に示したレースとなった。

文/田中 葵

◇全日本大学駅伝関東学連推薦校選考会(5月24日/神奈川・レモンガススタジアム平塚) 第57回全日本大学駅伝関東学連推薦校選考会が行われ、中大が3時間50分27秒09の総合トップで5大会連続32回目の本大会出場を決めた。前回17位で本戦出場を逃した順大は3時間51分33秒で3位に入り、2大会ぶりの伊勢路行きを決めた。 「各選手がしっかり準備をしてくれて、この1週間は非常に穏やかな気持ちで過ごすことができた」と振り返る長門俊介駅伝監督の言葉通り、順大はまさに盤石の戦いぶりだった。 「昨年のこともあったので、今回は自分が1組目でしっかり良い流れを作りたかったです」と志願して1組目に出走した山﨑颯(4年)がラスト勝負を制して、組トップを占める最高の出だしをチームに勢いをつける。 以降も池間凛斗(2年)が2組3着、主将の石岡大侑(4年)が3組6着と好走。最後は吉岡大翔(3年)、川原琉人(2年)が各校のエースが集まる最終組を6、7着(日本人2、3位)の走りで締めくくった。 昨年度は17位に終わると、箱根駅伝では予選会を1秒差で出場を決めるも、本戦ではシードにわずか7秒届かない悔しさを味わった。だからこそ、1秒へのこだわりが各選手の走りに表れていた。 左腕に「キャプテンだろ!」という言葉を書いて激走した主将の石岡は、「昨年はチームとしていろいろと悔しい想いをしたので、自分自身は主将として走りでも示せたかなと思いますし、今年は全員で戦っていこうというなかで、それぞれがラストで絞り出す粘りの走りを見せてくれたと思います」と振り返った。 吉岡は4月の日本学生個人選手権後に故障で2週間ほどノーランニング期間もあったが、「十分な準備ができなかったなかでも、持てる力はしっかり発揮できた」と28分22秒04の自己新をマークする。川原も28分24秒54の自己新で続き、エース候補となる選手も存在感を示した今大会。 「吉岡はまだまだこんなものじゃないと思っていますけど、さらに浮上するきっかけをつかんでくれていると思いますし、それに負けじと走った川原も成長しています。ただ、主軸の彼らも飛び抜けた存在ではなく、同じくらいのレベルで走れている選手も多い。今回起用できなかった選手も力はあるので、チーム全体の地力はついていると思います」と長門監督。 全日本大学駅伝、そして箱根駅伝へ、名門復活への一歩を確実に示したレースとなった。 文/田中 葵

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.11.27

プロ野球選手・筒香嘉智と陸上界がコラボ スポーツの垣根を超えるクリニックを12月に開催

11月27日、日本陸連は2024年度から取り組むプロジェクト「RIKUJO JAPAN」の一環として、「~スポーツの垣根を超える~ 2025 TSUTSUGO SPORTS ACADEMY FESTIVAL × RIKU […]

NEWS 古賀ジェレミー、ドルーリー、濱がダイヤモンドアスリート昇格!Nextageに高1の2人が新規認定

2025.11.27

古賀ジェレミー、ドルーリー、濱がダイヤモンドアスリート昇格!Nextageに高1の2人が新規認定

日本陸連は11月27日、「次世代において国際大会での活躍が期待できる競技者」を育成する「ダイヤモンドアスリート」の第12期認定者を発表した。 第11期でダイヤモンドアスリートNextageとして一部のプログラムに参加して […]

NEWS 岡田久美子が引退発表「誰よりも『速く、強く、美しく歩く選手』を目指して」女子競歩牽引し続けた第一人者

2025.11.27

岡田久美子が引退発表「誰よりも『速く、強く、美しく歩く選手』を目指して」女子競歩牽引し続けた第一人者

富士通は11月27日、女子競歩の岡田久美子の現役引退を発表した。かねてより「今季が本当の集大成」と話していたが、正式に発表となった。 岡田は埼玉県出身。1991年生まれの34歳で、大迫傑(リーニン)、飯塚翔太(ミズノ)、 […]

NEWS 【学生長距離Close-upインタビュー】全日本大学駅伝1区区間賞の志學館大・中村晃斗 「結果にこだわっていきたい」

2025.11.26

【学生長距離Close-upインタビュー】全日本大学駅伝1区区間賞の志學館大・中村晃斗 「結果にこだわっていきたい」

学生長距離Close-upインタビュー 中村 晃斗 Nakamura Akito 志學館大3年 「月陸Online」限定で大学長距離選手のインタビューをお届けする「学生長距離Close-upインタビュー」。54回目は、志 […]

NEWS 熊本信愛女学院高の元監督・山口和也さん死去 五輪1万m7位・川上優子さん、世界陸上マラソン4位・飛瀬貴子さんらを指導

2025.11.26

熊本信愛女学院高の元監督・山口和也さん死去 五輪1万m7位・川上優子さん、世界陸上マラソン4位・飛瀬貴子さんらを指導

熊本信愛女学院高(熊本)の元陸上競技部監督で、長年多くのランナーを育てた山口和也さんが11月23日、病気のため亡くなった。71歳。 1980年に同校に赴任した山口さん。当時の日本女子長距離は黎明期であったが、山口さんは高 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年12月号 (11月14日発売)

2025年12月号 (11月14日発売)

EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選

Follow-up Tokyo 2025

page top