2023.09.19
女子やり投でブダペスト世界選手権金メダル、ダイヤモンドリーグ・ファイナル年間チャンピオンに輝いた北口榛花(JAL)が9月19日に凱旋帰国し、記者会見を行った。
大勢の報道陣が待つ到着ゲートに姿を現わしたやり投世界女王。一般客からも拍手を贈られた。空港にはディヴィッド・セケラック・コーチがブダペスト世界選手権で食べていて話題となっていた「ハイチュウ」を手に森永製菓の社員もお出迎え。祝福ムードに包まれた。
場所を格納庫に移して開かれた会見。長旅と久しぶりの日本の暑さに疲れも見せつつ、「6月からずっとヨーロッパにいたのですが、(ブダペスト世界選手権の)金メダルと、ダイヤモンドリーグ(DL)のトロフィーを持ち帰ることができて、充実した3ヵ月半になりました」と笑顔を見せる。
反響も大きく、「たくさんの方々に出迎えていただきすごくうれしいです。これからもっと実感が湧くのかなって思います」。
シーズンを振り返り、「しっかり(記録が)欲しい時に投げられたので少しは成長したと思います」と自ら評価し、「記録的には波がありましたし、もうちょっと投げたかった気持ちはありますが、これから人生長いので、ゆっくりやってきます」とおどけた。
今季はブダペスト世界選手権金メダル、DLファイナル優勝と日本人初の快挙を成し遂げたほか、日本記録も2度に渡って更新。特にDLファイナルについては「新しい歴史を作れて、すごくうれしい」と喜びもひとしおで、「やり投をもっといろいろな方に見てもらえるように、そしてチャレンジしてもらえるうようになればうれしいですし、女子やり投界がもっと勢いづいていけばいいなって思います」と語る。
ブダペスト世界選手権の結果、パリ五輪代表にも内定。「今年、決められたのは大きくて、しっかり準備ができる」。ただ、「オリンピックチャンピオンではないですし、調子が悪かった選手も戻ってくるし、東京五輪を経験して、全員が特別な準備をしてくるイメージがあります」とあくまで挑戦者として臨む構え。
帰国後、出場を予定していた10月1日のアスレチックスチャレンジカップ(新潟)は「日本のみなさんの前で投げたかったのですが、燃料不足で充電が必要な状態になった」と棄権することを明かしたが、「ファンのみなさんに会いたいので、交流できる機会を作っていただける予定です」と現地に赴く。
その後はオフに入り、年内は日本で練習する予定。北海道へ帰省も予定されており、「常に応援してくださっていてうれしいですし、早く帰りたい」と言い、「温泉に入ったり、焼肉、お寿司、蕎麦などを食べたい」とにっこり。「家族との時間も取れていないので、(パティシエの)父のスイーツを食べるのが楽しみ。オーダーしないと」と笑った。
数々の歴史を作った長いシーズンを終えた北口。つかの間の充電期間を経て、年が明ければまたチェコへ渡り、パリ五輪に向けた道のりが始まる。
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.04.30
【連載】上田誠仁コラム雲外蒼天/第56回「昭和100年とスポーツ用具の進化」
-
2025.04.30
-
2025.04.30
-
2025.04.30
-
2025.04.30
-
2025.04.30
2025.04.29
100mH田中佑美が予選トップ通過も決勝棄権「故障ではない」昨年の結婚も明かす/織田記念
-
2025.04.28
-
2025.04.26
2025.04.12
3位の吉居大和は涙「想像していなかったくらい悔しい」/日本選手権10000m
-
2025.04.01
-
2025.04.12
-
2025.04.12
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.04.30
【連載】上田誠仁コラム雲外蒼天/第56回「昭和100年とスポーツ用具の進化」
山梨学大の上田誠仁顧問の月陸Online特別連載コラム。これまでの経験や感じたこと、想いなど、心のままに綴っていただきます! 第56回「昭和100年とスポーツ用具の進化」 昨年は記念大会となる第100回箱根駅伝が開催され […]
2025.04.30
【高校生FOCUS】男子競歩・山田大智(西脇工高)インターハイで昨夏の雪辱誓う 高校記録更新にも挑戦
FOCUS! 高校生INTERVIEW 山田大智 Yamada Daichi 西脇工高3兵庫 2025年シーズンが本格的に始まり、高校陸上界では記録会、競技会が次々と開かれています。その中で好記録も生まれており、男子50 […]
2025.04.30
5.3静岡国際、パリ五輪代表の坂井隆一郎、200m世界陸上標準突破の水久保漱至らが欠場
5月3日に行われる静岡国際のエントリーリストが更新され、現時点で欠場届を提出した選手が判明した。 男子100mはパリ五輪代表の坂井隆一郎(大阪ガス)が欠場。坂井は4月13日の出雲陸上で脚を痛め、29日の織田記念の出場も見 […]
2025.04.30
26年ブダペスト開催の「世界陸上アルティメット選手権」やり投・北口榛花が出場権獲得
世界陸連(WA)は4月29日、2026年に新設する「世界陸上アルティメット選手権」の大会500日前を受け、昨年のパリ五輪の金メダリストに出場資格を与えることを発表した。女子やり投で金メダルを獲得した北口榛花(JAL)も含 […]
Latest Issue
最新号

2025年4月号 (3月14日発売)
東京世界選手権シーズン開幕特集
Re:Tokyo25―東京世界陸上への道―
北口榛花(JAL)
三浦龍司(SUBARU)
赤松諒一×真野友博
豊田 兼(トヨタ自動車)×高野大樹コーチ
Revenge
泉谷駿介(住友電工)