【シューズレポ】
月陸『サブスリー編集者』が語る!!
BROOKS「Hyperion Elite(ハイペリオン エリート)2」
日本初の男子中距離プロチーム「阿見AC SHARKS(シャークス)」をスポンサードするなど、日本のランニング界でも徐々に存在感を増している米国のブランド「BROOKS(ブルックス)」。9月1日には厚底ソールを持つトップレーシングモデルの2代目「HYPERION ELITE(ハイペリオン エリート)2」(税別27,000円)を全世界で同時発売した。中学から陸上競技に取り組み、今も市民ランナーとして走り続けている月陸編集者(マラソンの自己ベストは2時間43分)が、注目のシューズを実際に履いてその感想をレポートする。

9月1日に300足限定で発売されたBROOKS(ブルックス)の「Hyperion Elite(ハイペリオン エリート)2」。日本国内ではアキレス社が販売している
「DNA FLASH」をミッドソールに採用
カーボンプレートとの連動で推進力アップ
見た目は前作とほぼ同じでも、〝中身〟は違う――。米国のランニングシューズブランド「BROOKS(ブルックス)」が9月1日に全世界で同時発売した「HYPERION ELITE(ハイペリオン エリート)2」は、トップランナーの使用を想定した厚底レーシングモデルだ。
その最大の特徴は、ブルックスが独自に開発したミッドソール素材「DNA FLASH」を採用していること。ミッドソールの成型工程でEVAに高密度の液化窒素ガスを混ぜて臨界発泡させたもので、軽さとクッション性、反発性を高次元で実現しているという。DNA FLASHは2月に発売されたレース&トレーニング兼用モデル「HYPERION TEMPO(ハイペリオン テンポ)」にも使われており、ランナーからは好評のソール素材だ。
そして、ミッドソールには湾曲した可変形状カーボンプレートを搭載。プレートをDNA FLASHで挟み込むことで推進力を生む構造となっている。これは今年2月に発売した前作「HYPERION ELITE(ハイペリオン エリート)」と同様の仕組みで、アッパーのデザインもほぼ同じだ。ソールの素材が変わった点が前作との大きな違いと言えるだろう。

ハイペリオン エリート2の構造図。湾曲した可変形状カーボンプレートをDNA FLASHで挟み込むことで推進力を生み出す
ソールの厚さは最大35mmで、ドロップ(前足部と踵の高低差)は8mm。ロードレースにおける世界陸連の規定上限(40mmまで)はクリアしている(※25mmまでに制限されるトラックレースでは使用できない。日本国内であれば今年11月末までは条件付きで使える場合もある)。
ソールの素材が変更された影響で、重量は27.0cmで約215gと前作の約196gよりは若干増加。ただし、メーカーの検証ではその分、反発力やクッション性などの性能評価は上がっているという。
踵接地でも重心移動がスムーズ
安定感のある厚底レーシング
では、実際の履き心地はどうか。サイズ感は標準的で、普段25.0~25.5cmの靴を履く筆者は25.0cmがぴったり。アッパーや靴紐には伸縮性があるため、多少きつめのフィッティングでも大丈夫だろう。
走ってみるとまず感じるのは重心移動の〝誘導力〟だ。踵とつま先に丸みをつけた「ラピッドソールテクノロジー」のおかげで、足が地面に着地してからは転がるように重心がつま先側へと移動していく。接地感はDNA FLASHらしい「モチッ」とした感触はあるものの、コシのある適度な柔らかさ。シューズのバネを使ってストライドを延ばすというよりは、自然に回転していく脚の動きを邪魔しないように走るというイメージになるだろう。

走行時には踵とつま先が丸みを帯びた「ラピッドソールテクノロジー」が存在感を発揮。踵から接地したとしてもつま先までの体重移動はスムーズ
試しにトラックでも1000mを3分40秒くらいで走ってみたところ、カーボンプレートが加わる分、ハイペリオン テンポよりもさらに推進力を感じた。アウトソールの面積が広めで安定感もあり、接地はフラットでも前足部からでも、どちらでも違和感なく走れる。もし踵から入ってしまっても、丸みを帯びたソールが重心をスムーズに誘導してくれるため、レース終盤などに疲れてフォームが維持できなくなってきた時には威力を発揮するはずだ。
なお、200mなど短い距離でスピードを上げることもできなくはないが、厚底というのもあって短距離のダッシュではピッチを全開までは上げにくいかもしれない。短い距離でタイムを追っていくというよりは、長い距離を速いスピードで走り続けるほうがシューズの設計としても向いているだろう。
接地のタイプによる合う、合わないが少ない分、多くのランナーが使いやすい厚底レーシングシューズと言えそうだ。「柔らかすぎずに安定感のある厚底レーシングシューズが欲しい」というランナーにとっては、待ちに待ったシューズの登場だ。
文/山本慎一郎
<関連記事>
・【アイテム】BROOKSのトップレーシングモデル「HYPERION ELITE(ハイペリオン エリート)2」が発表
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・【PR】「阿見AC SHARKS」がBROOKSのシューズを語る(月刊陸上競技2020年5月号掲載記事)
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9月1日に300足限定で発売されたBROOKS(ブルックス)の「Hyperion Elite(ハイペリオン エリート)2」。日本国内ではアキレス社が販売している
「DNA FLASH」をミッドソールに採用 カーボンプレートとの連動で推進力アップ
見た目は前作とほぼ同じでも、〝中身〟は違う――。米国のランニングシューズブランド「BROOKS(ブルックス)」が9月1日に全世界で同時発売した「HYPERION ELITE(ハイペリオン エリート)2」は、トップランナーの使用を想定した厚底レーシングモデルだ。 その最大の特徴は、ブルックスが独自に開発したミッドソール素材「DNA FLASH」を採用していること。ミッドソールの成型工程でEVAに高密度の液化窒素ガスを混ぜて臨界発泡させたもので、軽さとクッション性、反発性を高次元で実現しているという。DNA FLASHは2月に発売されたレース&トレーニング兼用モデル「HYPERION TEMPO(ハイペリオン テンポ)」にも使われており、ランナーからは好評のソール素材だ。 そして、ミッドソールには湾曲した可変形状カーボンプレートを搭載。プレートをDNA FLASHで挟み込むことで推進力を生む構造となっている。これは今年2月に発売した前作「HYPERION ELITE(ハイペリオン エリート)」と同様の仕組みで、アッパーのデザインもほぼ同じだ。ソールの素材が変わった点が前作との大きな違いと言えるだろう。
ハイペリオン エリート2の構造図。湾曲した可変形状カーボンプレートをDNA FLASHで挟み込むことで推進力を生み出す
ソールの厚さは最大35mmで、ドロップ(前足部と踵の高低差)は8mm。ロードレースにおける世界陸連の規定上限(40mmまで)はクリアしている(※25mmまでに制限されるトラックレースでは使用できない。日本国内であれば今年11月末までは条件付きで使える場合もある)。
ソールの素材が変更された影響で、重量は27.0cmで約215gと前作の約196gよりは若干増加。ただし、メーカーの検証ではその分、反発力やクッション性などの性能評価は上がっているという。
踵接地でも重心移動がスムーズ 安定感のある厚底レーシング
では、実際の履き心地はどうか。サイズ感は標準的で、普段25.0~25.5cmの靴を履く筆者は25.0cmがぴったり。アッパーや靴紐には伸縮性があるため、多少きつめのフィッティングでも大丈夫だろう。 走ってみるとまず感じるのは重心移動の〝誘導力〟だ。踵とつま先に丸みをつけた「ラピッドソールテクノロジー」のおかげで、足が地面に着地してからは転がるように重心がつま先側へと移動していく。接地感はDNA FLASHらしい「モチッ」とした感触はあるものの、コシのある適度な柔らかさ。シューズのバネを使ってストライドを延ばすというよりは、自然に回転していく脚の動きを邪魔しないように走るというイメージになるだろう。
走行時には踵とつま先が丸みを帯びた「ラピッドソールテクノロジー」が存在感を発揮。踵から接地したとしてもつま先までの体重移動はスムーズ
試しにトラックでも1000mを3分40秒くらいで走ってみたところ、カーボンプレートが加わる分、ハイペリオン テンポよりもさらに推進力を感じた。アウトソールの面積が広めで安定感もあり、接地はフラットでも前足部からでも、どちらでも違和感なく走れる。もし踵から入ってしまっても、丸みを帯びたソールが重心をスムーズに誘導してくれるため、レース終盤などに疲れてフォームが維持できなくなってきた時には威力を発揮するはずだ。
なお、200mなど短い距離でスピードを上げることもできなくはないが、厚底というのもあって短距離のダッシュではピッチを全開までは上げにくいかもしれない。短い距離でタイムを追っていくというよりは、長い距離を速いスピードで走り続けるほうがシューズの設計としても向いているだろう。
接地のタイプによる合う、合わないが少ない分、多くのランナーが使いやすい厚底レーシングシューズと言えそうだ。「柔らかすぎずに安定感のある厚底レーシングシューズが欲しい」というランナーにとっては、待ちに待ったシューズの登場だ。
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