HOME 国内、大学

2023.04.22

男子100m・井上直紀 覚醒の10秒19!! 中学以来の全国Vに「25年東京世界選手権を狙っていきたい」/学生個人
男子100m・井上直紀 覚醒の10秒19!! 中学以来の全国Vに「25年東京世界選手権を狙っていきたい」/学生個人

2023年日本学生個人選手権100mを制した井上直紀

◇2023日本学生個人選手権(2023年4月21~23日/神奈川・レモンガススタジアム平塚)

ワールドユニバーシティゲームズの代表選考会を兼ねた日本学生個人選手権の2日目が行われ、男子100mでは井上直紀(早大)が10秒19(+1.7)の自己新で優勝を飾った。

広告の下にコンテンツが続きます

低温という悪コンディションにも関わらず、井上は予選からめざましい走りを披露した。これまでのベストは昨年9月の関東学生新人でマークした10秒39。エントリー選手の中ではトップ10にも入らないタイムだったが、予選で10秒33(+1.6)でトップ通過すると、準決勝では10秒30(+0.6)と立て続けに自己記録を更新した。

特に準決勝ではレース直前に脚が痙攣しかけてスタートを自重したとあって、「これで(10秒)30が出るんだ」と思うほど調子は良かった。

決勝でも30mまではライバルたちと横並びだったが、50mからリードを拡大。昨年の日本インカレ4位の中村彰太(東洋大)が最後まで食らいついたが、0.04秒差で抑えた。

「感覚的には10秒2台後半か10秒3ぐらいだったので、タイムを見てびっくりしました」

大会前のベストを0.2秒も更新するパフォーマンスに自身も驚きを隠せなかったが、「客観的に見れば、大幅な飛躍に見えますが、自分のなかではそんな感じはなく、冬季練習はできていたのでタイムは出るだろうと思っていました」と分析する。

早大の大前祐介監督が「元々キックの強い選手。この冬は身体作りをやってきました」というように、筋力強化に努め体重も半年で4kg増加。より短距離選手らしい身体つきとなり、加速局面でのスピードアップに新境地を見せている。「スタートを苦手としていましたが、今季からあえて4×100mリレーの1走を任せています。その相乗効果も出ているのでタイムは想定内でした」(大前監督)という。

群馬南中学時代から世代のトップで活躍していた井上は、18年全中とジュニア五輪100mの優勝者。当時から全国的な注目を集めた選手だが、その側には常に栁田大輝(現・東洋大)というライバルがいた。

同じ群馬県出身の栁田は全中100mで井上に次ぐ2位。しかし、高校2年時に栁田が10秒27をマークすると立場が逆転する。3年の福井インターハイでは10秒31で優勝した栁田に対し、井上も健闘したものの10秒45で2位。スポットライトは栁田を照らしていた。

さらにライバルは昨年の日本選手権で3位に入り、日本代表としてオレゴン世界選手権に出場。「気にするなと言われたこともありますが、彼の存在が僕の中から消えたことはありません。彼に勝たなければ世界はないと思っているので、早く同じ舞台で勝負できるようになりたい」と井上は話す。

今回の結果で栁田との100mの自己記録の差は0.04秒まで縮まった。それでも「僕はまだ1回出しただけ。まだまだ彼との差は感じています」と謙遜する。「大学4年の時に東京で世界選手権が行われるので、今はそこに出場することが目標です」と井上。まずは1歩1歩着実に歩を進めていくつもりだ。

レースでは10秒30の3位に稲毛碧、10秒33の4位に島田開伸と早大勢がトリプル入賞を果たした。

ライブ配信は「あすリートチャンネル」の日本学生個人選手権特設ページ

◇2023日本学生個人選手権(2023年4月21~23日/神奈川・レモンガススタジアム平塚) ワールドユニバーシティゲームズの代表選考会を兼ねた日本学生個人選手権の2日目が行われ、男子100mでは井上直紀(早大)が10秒19(+1.7)の自己新で優勝を飾った。 低温という悪コンディションにも関わらず、井上は予選からめざましい走りを披露した。これまでのベストは昨年9月の関東学生新人でマークした10秒39。エントリー選手の中ではトップ10にも入らないタイムだったが、予選で10秒33(+1.6)でトップ通過すると、準決勝では10秒30(+0.6)と立て続けに自己記録を更新した。 特に準決勝ではレース直前に脚が痙攣しかけてスタートを自重したとあって、「これで(10秒)30が出るんだ」と思うほど調子は良かった。 決勝でも30mまではライバルたちと横並びだったが、50mからリードを拡大。昨年の日本インカレ4位の中村彰太(東洋大)が最後まで食らいついたが、0.04秒差で抑えた。 「感覚的には10秒2台後半か10秒3ぐらいだったので、タイムを見てびっくりしました」 大会前のベストを0.2秒も更新するパフォーマンスに自身も驚きを隠せなかったが、「客観的に見れば、大幅な飛躍に見えますが、自分のなかではそんな感じはなく、冬季練習はできていたのでタイムは出るだろうと思っていました」と分析する。 早大の大前祐介監督が「元々キックの強い選手。この冬は身体作りをやってきました」というように、筋力強化に努め体重も半年で4kg増加。より短距離選手らしい身体つきとなり、加速局面でのスピードアップに新境地を見せている。「スタートを苦手としていましたが、今季からあえて4×100mリレーの1走を任せています。その相乗効果も出ているのでタイムは想定内でした」(大前監督)という。 群馬南中学時代から世代のトップで活躍していた井上は、18年全中とジュニア五輪100mの優勝者。当時から全国的な注目を集めた選手だが、その側には常に栁田大輝(現・東洋大)というライバルがいた。 同じ群馬県出身の栁田は全中100mで井上に次ぐ2位。しかし、高校2年時に栁田が10秒27をマークすると立場が逆転する。3年の福井インターハイでは10秒31で優勝した栁田に対し、井上も健闘したものの10秒45で2位。スポットライトは栁田を照らしていた。 さらにライバルは昨年の日本選手権で3位に入り、日本代表としてオレゴン世界選手権に出場。「気にするなと言われたこともありますが、彼の存在が僕の中から消えたことはありません。彼に勝たなければ世界はないと思っているので、早く同じ舞台で勝負できるようになりたい」と井上は話す。 今回の結果で栁田との100mの自己記録の差は0.04秒まで縮まった。それでも「僕はまだ1回出しただけ。まだまだ彼との差は感じています」と謙遜する。「大学4年の時に東京で世界選手権が行われるので、今はそこに出場することが目標です」と井上。まずは1歩1歩着実に歩を進めていくつもりだ。 レースでは10秒30の3位に稲毛碧、10秒33の4位に島田開伸と早大勢がトリプル入賞を果たした。 ライブ配信は「あすリートチャンネル」の日本学生個人選手権特設ページ

【動画】男子100mを制した井上直紀のレースや勝利インタビューをチェック!

ライブ配信は「あすリートチャンネル」の日本学生個人選手権特設ページ

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

         

Latest articles 最新の記事

2026.04.15

世界競歩チーム選手権代表が帰国 マラソン金の勝木隼人「物足りない」ハーフ吉川は「メダル見えるところに来た」

4月12日にブラジルで行われた世界競歩チーム選手権の日本代表が4月15日に帰国し、選手たちが取材に応じた。 男子マラソンで金メダルを獲得した勝木隼人(自衛隊体育学校)。終始、先頭を歩く一人旅のレースに「ロングの練習よりも […]

NEWS 吉田克久氏の退職の会が開催 和歌山北高時代にインターハイ総合優勝、ロンドン五輪代表・九鬼巧らを育成

2026.04.15

吉田克久氏の退職の会が開催 和歌山北高時代にインターハイ総合優勝、ロンドン五輪代表・九鬼巧らを育成

和歌山北高校などで長く指導した吉田克久氏の退職の会が、和歌山市内のホテルで開催された。 吉田氏は大体大を卒業し、和歌山県の教員に。「陸上競技を通して感謝の気持ちを育てる」という信念のもと、生徒一人ひとりと真摯に向き合う指 […]

NEWS 東京世界陸上マラソン金のジェプチルチルが疲労骨折 4月26日のロンドンマラソン欠場

2026.04.15

東京世界陸上マラソン金のジェプチルチルが疲労骨折 4月26日のロンドンマラソン欠場

女子長距離のP.ジェプチルチル(ケニア)が疲労骨折のため4月26日に英国で開催されるロンドンマラソンを欠場することが発表された。 ジェプチルチルは東京五輪、東京世界選手権のマラソンで金メダルを獲得している32歳。ハーフマ […]

NEWS お詫びと訂正(月刊陸上競技2026年5月号)

2026.04.14

お詫びと訂正(月刊陸上競技2026年5月号)

月刊陸上競技2026年5月号の内容に一部誤りがございました。 154ページの実業団情報で一部誤りがありました。 広告の下にコンテンツが続きます 正しいデータの情報を掲載するとともに、関係者の皆様にお詫びをし、訂正いたしま […]

NEWS 織田記念に桐生祥秀、山縣亮太、福部真子、﨑山雄太らエントリー!

2026.04.14

織田記念に桐生祥秀、山縣亮太、福部真子、﨑山雄太らエントリー!

日本グランプリシリーズの織田記念のエントリーリストが発表された。 男子100mの招待選手には、昨年9秒99を出した桐生祥秀(日本生命)、9秒95の日本記録保持者で地元出身・山縣亮太(セイコー)が登録。2013年のこの大会 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2026年5月号 (4月14日発売)

2026年5月号 (4月14日発売)

2026シーズン展望
中距離特集ほか

page top