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2023.03.13

鈴木亜由子が地元で2時間21分52秒の自己新!日本人トップ2位 「練習してきたことを出そうと思った」/名古屋ウィメンズマラソン
鈴木亜由子が地元で2時間21分52秒の自己新!日本人トップ2位 「練習してきたことを出そうと思った」/名古屋ウィメンズマラソン

名古屋ウィメンズマラソン2023で日本人トップとなった鈴木亜由子

◇名古屋ウィメンズマラソン2023(3月12日/愛知・バンテリンドーム ナゴヤ発着)

JMCシリーズG1の名古屋ウィメンズマラソン2023が3月12日に行われ、鈴木亜由子(日本郵政グループ)が自身初の2時間21分台となる2時間21分52秒で日本人トップの2位に入った。

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「ずっと走りたかったレースだったので、それが何よりのモチベーション、パワーになりました。途切れることのない応援が背中を押してくれて、感謝の気持ちでいっぱいです」

東京五輪女子マラソン日本代表の鈴木亜由子(日本郵政グループ)が地元で激走した。

1km過ぎに前回Vのルース・チェプンゲティチ(ケニア)が飛び出すと、2位集団は設定通りの1km3分23秒前後のペースで進む。そして中間点を1時間11分20秒で通過した。

このあたりから鈴木が集団の前方でレースを進めて徐々にペースが上がっていく。25kmまでの5kmが16分39秒まで上がり、前田穂南(天満屋)、鈴木優花(第一生命グループ)、和久夢来(ユニバーサルエンターテインメント)が集団から脱落した。

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「身体の思うままに走った」という鈴木が27km付近でペースメーカーを抜き去ると、上杉真穂(スターツ)と張徳順(中国)も苦しくなる。鈴木は30km過ぎから独走。地元の声援を力に変えて、フィニッシュのバンテリンドーム ナゴヤまで突き進んだ。

鈴木は気温20度を超えた中で、35~40kmを16分54秒でカバー。連覇を果たしたチェプンゲティチに3分44秒差をつけられたが、日本歴代11位となる2時間21分52秒でフィニッシュに飛び込んだ。

「前半はペースメーカーの作る流れに乗って冷静に進めて、中盤からは自分のリズムで最後まで気持ちを切らさずに走ることができました。まだまだではあるんですけれど、自分をまずひとつ超えたというところでホッとしましたし、最後は本当に応援を力に変えて走っていたので、皆さんの思いがタイムにつながって良かったなと思います」

19位に終わった東京五輪後の冬。心身ともに疲弊しきっていた鈴木は、2ヵ月間の休養をとった。それでリフレッシュができてパリ五輪に向けて再始動。昨年9月のベルリンマラソンで自己ベスト(当時)の2時間22分02秒をマークした。名古屋に向けては、米国・アルバカーキで走り込んできたという。2月中旬に左足の甲に痛みが出たが、最後はしっかりと仕上げてきた。

「今回が5回目のマラソンで、これまで手探りだった練習がやっと本番とリンクするようになった感触があります。今後は2時間20分を切るとか、そういったところを目指して、自分の可能性を信じて挑戦していきたい。まずはMGCをしっかりと成功させたいと思います」

中学時代、地元・愛知で「天才少女」と騒がれた鈴木亜由子。32歳で迎える10月15日のパリ五輪代表選考競技会マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)では『大人の走り』で3度目の五輪を引き寄せるつもりだ。

文/酒井政人

◇名古屋ウィメンズマラソン2023(3月12日/愛知・バンテリンドーム ナゴヤ発着) JMCシリーズG1の名古屋ウィメンズマラソン2023が3月12日に行われ、鈴木亜由子(日本郵政グループ)が自身初の2時間21分台となる2時間21分52秒で日本人トップの2位に入った。 「ずっと走りたかったレースだったので、それが何よりのモチベーション、パワーになりました。途切れることのない応援が背中を押してくれて、感謝の気持ちでいっぱいです」 東京五輪女子マラソン日本代表の鈴木亜由子(日本郵政グループ)が地元で激走した。 1km過ぎに前回Vのルース・チェプンゲティチ(ケニア)が飛び出すと、2位集団は設定通りの1km3分23秒前後のペースで進む。そして中間点を1時間11分20秒で通過した。 このあたりから鈴木が集団の前方でレースを進めて徐々にペースが上がっていく。25kmまでの5kmが16分39秒まで上がり、前田穂南(天満屋)、鈴木優花(第一生命グループ)、和久夢来(ユニバーサルエンターテインメント)が集団から脱落した。 「身体の思うままに走った」という鈴木が27km付近でペースメーカーを抜き去ると、上杉真穂(スターツ)と張徳順(中国)も苦しくなる。鈴木は30km過ぎから独走。地元の声援を力に変えて、フィニッシュのバンテリンドーム ナゴヤまで突き進んだ。 鈴木は気温20度を超えた中で、35~40kmを16分54秒でカバー。連覇を果たしたチェプンゲティチに3分44秒差をつけられたが、日本歴代11位となる2時間21分52秒でフィニッシュに飛び込んだ。 「前半はペースメーカーの作る流れに乗って冷静に進めて、中盤からは自分のリズムで最後まで気持ちを切らさずに走ることができました。まだまだではあるんですけれど、自分をまずひとつ超えたというところでホッとしましたし、最後は本当に応援を力に変えて走っていたので、皆さんの思いがタイムにつながって良かったなと思います」 19位に終わった東京五輪後の冬。心身ともに疲弊しきっていた鈴木は、2ヵ月間の休養をとった。それでリフレッシュができてパリ五輪に向けて再始動。昨年9月のベルリンマラソンで自己ベスト(当時)の2時間22分02秒をマークした。名古屋に向けては、米国・アルバカーキで走り込んできたという。2月中旬に左足の甲に痛みが出たが、最後はしっかりと仕上げてきた。 「今回が5回目のマラソンで、これまで手探りだった練習がやっと本番とリンクするようになった感触があります。今後は2時間20分を切るとか、そういったところを目指して、自分の可能性を信じて挑戦していきたい。まずはMGCをしっかりと成功させたいと思います」 中学時代、地元・愛知で「天才少女」と騒がれた鈴木亜由子。32歳で迎える10月15日のパリ五輪代表選考競技会マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)では『大人の走り』で3度目の五輪を引き寄せるつもりだ。 文/酒井政人
       

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