2023.01.09
香港を拠点とする企業「EKIDEN SPORTS」は、プロランナーの大迫傑(Nike)が主宰する「Sugar Elite」の香港、マカオ、台湾における独占的ライセンス契約を締結したことを発表し、都内で会見が開かれた。
「Sugar Elite」は「世界で戦うための強さを求める者たちが集う場所」をコンセプトに2022年夏に発足。所属先にとらわれずトップ選手で合宿するなど活動してきた。また、21年には小・中学生を対象とした「Sugar Elite Kids」も開かれ、全国各地で育成・普及を行っている。
そのプロジェクトに興味を示した「EKIDEN SPORT」は、長距離ランキングの推進と発展を目的に設立された会社で、香港のトップアスリートのマネジメントやイベント開催などを展開。同社のCEOで自らもランナーであるタム・サニー氏の熱烈オファーで、Sugar Eliteの中華圏マネジメントを務めるCHINARUN社の仲介により1年近い交渉を重ねて実現に至った。
サニー氏は「大迫選手は香港でもスーパースター。競技だけでなくランニング理念、言葉に大きな意味を持ちます」と言い、プロジェクトと通して「若い選手のトレーニングキャンプを開催したり、日本で指導を受けたりして、日本のマラソン理念を学び、レベルアップを目指していく」としている。また、選手だけではなく「トレーナー(指導者)の育成も図っていきたい」という。
CHINARUN社の古川公士CEOは「中華圏のマラソン市場は爆発的に伸びている」とし、「アジア圏で大迫選手は一番人気のマラソン選手。弊社のプラットフォームやSNSを活用し、オンライン、オフラインでSugar Eliteをとおして日本式のメソッドやノウハウを導入していき、双方向の活動を促進していく」と展望を話す。
大迫は「もちろん日本にもたくさんのタレントが定期的に出てきますが、規模でいればアジアに向けたほうが世界と戦える人材が増えてきます。僕自身、現役中にどれだけ世界と戦えるかには限界がある。そのバトンを、日本だけではなくアジアの人たちにつないでいき、長期的に見て世界と戦える選手がこの活動から生まれてくれればいいと思っています」とプロジェクトへの思いを語った。
今後については「中華圏のランニング人口が増えているのは聞いていましたが、まだ正しい情報が行き届いていない。まずは楽しくランニングに関わって、その先にどうすれば世界レベルで戦えるか。どういう形で伝えていけるか一緒になって考えていきたい」と大迫。すでに昨年11月には香港のトップ選手数名が来日し、トレーニングをともにする機会があったという。
大迫は東京五輪で6位入賞を果たして一度は現役を引退。その後、「時間をおいて、広い意味でランニングに関わる中で、指導や普及はもちろんですがプレイヤーとしても引っ張っていければ」という思いで現役復帰した。昨年11月にはマラソン復帰戦となったニューヨークシティマラソンに出場(2時間11分31秒)。さらに、GMOインターネットグループに参画して今年のニューイヤー駅伝にも出走し、3区区間2位でチームの過去最高タイの5位に貢献した。
競技面だけではなく、Sugar Eliteをはじめ、「The Fst in Fukuoka 2022」といった大会を開くなど、活動の幅を広げている。常に新しいことに挑戦してきた大迫。その根底には「走る」を楽しむこと、そして「どう世界を戦うか」がある。中華圏を舞台とする新たなプロジェクトも大きな注目を集めそうだ。
/ 駅伝日本一決定戦🏃#ニューイヤー駅伝 TBS系列生放送中📺 \
3区に #GMOインターネットグループ の #大迫傑 選手が登場‼ 8年ぶりにニューイヤー駅伝に帰ってきました✨ ✅#TVer& #Paravi で同時配信中‼ ✅HPでLIVE配信中✨https://t.co/RAiiQWqmXj pic.twitter.com/X1Yto390t2 — TBS 陸上 (@athleteboo) January 1, 2023
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.12.30
【連載】上田誠仁コラム雲外蒼天/第64回「駅伝とチームマネジメント~棄権を今後の糧に~」
-
2025.12.30
-
2025.12.30
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝女子(2025年12月14日)
2025.12.21
【大会結果】第37回全国高校駅伝・女子(2025年12月21日)
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝男子(2025年12月14日)
-
2025.12.21
-
2025.12.21
-
2025.12.21
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.12.30
名城大が4位 主将・米澤「みんなのお陰でやりきれた」連覇狙った立命大は5位/富士山女子駅伝
◇2025富士山女子駅伝(12月30日/静岡・富士山本宮浅間大社前~富士総合運動公園陸上競技場:7区間43.4km) 学生女子駅伝2大タイトルの一つ、富士山女子駅伝が行われ城西大が2時間22分36秒で初優勝を飾った。城西 […]
2025.12.30
2年ぶりV奪還へトヨタ自動車・鈴木芽吹「レース全体で自分の力を発揮」 2週間前に痛みも/ニューイヤー駅伝
◇第70回全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝/1月1日、群馬県庁発着・7区間100km) 元日に開催される全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)の記者会見が12月30日、スタート・フィニッシュ地点となる群馬県庁で行 […]
Latest Issue
最新号
2026年1月号 (12月12日発売)
箱根駅伝観戦ガイド&全国高校駅伝総展望
大迫傑がマラソン日本新
箱根駅伝「5強」主将インタビュー
クイーンズ駅伝/福岡国際マラソン
〔新旧男子100m高校記録保持者〕桐生祥秀×清水空跳
