◇第99回箱根駅伝・復路(1月3日:神奈川・箱根町~東京・大手町/5区間109.6km)
これが王者の意地なのか。青学大が3位で鶴見中継所へ戻ってきた。近藤幸太郎(4年)と並ぶダブルエースの一人・岸本大紀(4年)が区間賞の快走。前回、同期・中村唯翔が昨年作った区間記録には12秒届かなかったものの、史上2人目の1時間7分台となる1時間7分27秒で5人抜きを見せた。
走ることができなかった中村から「区間記録を出さないとダメだぞ」という激励とサポートと受けた岸本。8.5kmで3位集団に追いついて一気にかわしていく。「田中(悠登)がいい位置で持ってきてくれたので、全員抜かしてやると思って走った」。風を切って外からまくる。その背中を誰も捕らえることはできなかった。
中村の記録にあと12秒届かずも「精一杯、自分の力を出せました。区間賞を取れて仕事は果たせました」と最後の箱根を終えて充実の表情を浮かべる。
波瀾万丈の4年間だった。1年時に2区で快走を見せるも、その後は長くケガに苦しんで戦線離脱。2年時には箱根を走ることさえできず。それでも復活を遂げると、前回は7区区間賞と復活。今季もトラックで活躍を見せた一方で、秋は故障も。「この半年は迷惑をかけました」。それでも、近藤が「みんな岸本を目指して成長した」と話していたように、「最強世代」と謳われる4年生の中心に、いつも岸本の存在があった。
卒業後はGMOインターネットグループで競技を続ける。箱根に確かに刻んだ最強世代・最強のランナーの足跡。その秘める可能性は無限大だ。
次ページ 箱根駅伝2023 9区区間上位成績
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
-
2025.06.11
2025.05.28
女子10000mがレース途中で異例の中断!! 大雨と雷の影響も選手困惑/アジア選手権
2025.05.16
2025高校最新ランキング【女子】
-
2025.05.15
-
2025.05.15
-
2025.05.15
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.06.15
1500m黒田六花が初V!「悩んだ時期もあったけと…」男子4継は日大東北が大会タイで制す/IH東北
◇インターハイ東北地区大会(6月13~16日/青森・カクヒログループアスレチックスタジアム)2日目 広島インターハイを懸けた東北地区大会の2日目が行われ、女子1500mは黒田六花(仙台育英2宮城)が4分18秒73で初優勝 […]
2025.06.15
八種・宮下輝一が雨の中で6272点の高校新「気持ちを強く持っていた」女子100mは對馬、400mHはガードナV/IH南関東
◇インターハイ南関東地区大会(6月13~16日/カンセキスタジアムとちぎ、栃木県総合運動公園多目的広場投てき場) 広島インターハイ出場を懸けた南関東地区大会の2日目が行われ、男子八種競技の宮下輝一(市船橋3千葉)が627 […]
2025.06.15
菅野翔唯100m大会新連発で10秒34 渡邊紗莱が棒高跳4m00で2連覇 藤田結愛は円盤投3連覇で投てき2冠/IH北関東
◇インターハイ北関東地区大会(6月13~16日/栃木県宇都宮市・県総合運動公園カンセキスタジアム) 広島インターハイを懸けた北関東地区大会の2日目が行われ、男子100mは昨年のU18大会覇者の菅野翔唯(東農大二2群馬)が […]
Latest Issue
最新号

2025年7月号 (6月13日発売)
詳報!アジア選手権
日本インカレ
IH都府県大会