2022.11.13
◇The Fst in Fukuoka 2022(11月12日/福岡・大濠公園)
この大会は、海外を拠点に長年研鑽を積んできた大迫傑(Nike)の思いが詰まっている。
海外では頻繁に開催されている中距離のロードレース。だが、日本となると、駅伝だったりマラソン、ハーフマラソンなどが中心となり、あまり実施されない。「これから世界で活躍するためには、11月、12月もしっかりトラックに生きるようなスピードを磨かないといけないと思っています。そういう思いで、ロードレース、しかも短い距離で企画しました」と大迫。自らが実行委員会会長を務め、開催に踏み切った。
大会には、約160人がエントリー。国内ではほとんど実施されない1マイル(1.60934km)には、東京五輪男子1500m7位入賞のスチュワート・マクスウィン(豪州)ら海外選手や、田中希実(豊田自動織機)、飯澤千翔(東海大)、金子魅玖人(中大)ら中距離の国内トップ選手も出場した。また、中学生や高校生、大学生も部門別に区切ってレースに挑んだ。
5kmでは、男子で遠藤日向(住友電工)が13分50秒、女子は田中が15分34秒でそれぞれ日本記録を更新。また、パラアスリート部門(T11、T12)も設け、大会委員で東京パラリンピック女子マラソンT12金メダリストの道下美里(三井住友海上)が表彰式で選手を労った。
レースの解説を務めたり、表彰式でプレゼンターを担ったりと、運営に携わった大迫は「気温が高く5kmの選手にはタフなコンディションでしたが、日本記録が2つ出て良かったです。実施してみて、改めて、競技的にも価値のある大会になったと思いました。今年で終わりにするのではなく、全国で開催できるように準備していきたい」と話した。
また、普段は福岡の市民ランナーが集う大濠公園で、日本記録が誕生したことについても言及。「選手と近い距離で実施できたので、観客にスピード感を味わってもらえたも良かったし、選手にとっても声援は力になりました。市民の方々が普段走っているコースをトップが激走することで何か感じてほしいし、市民ランナーが多い場所を、こうやって使わせてもらえたことにも感謝しています」。
今後も継続する方針で、地域ファーストの大会、記録を狙う大会など、多様なコンセプトで実施される。
■The Fst in Fukuoka 2022各種目別優勝者
●男子
▼中学1マイル
1位 近藤優羽(CZアスリートクラブ)4.35
▼1マイル
1位 スチュワート・マクスウィン(豪州)4.00
2位 金子魅玖人(中大)4.04
▼5km
1位 ベナード・コエチ(九電工)13.21
7位 遠藤日向(住友電工)13.50=日本新
▼ブラインド5km
1位 唐澤剣也(SUBARU/伴走者・小林光二)15.24
●女子
▼中学1マイル
1位 隅田美月(大塚中)5.09
▼高校1マイル
1位 鶴留心奈(福岡女学院高)5.26
▼1マイル
1位 ジョージア・グリフィス(豪州)4.34
2位 田中希実(豊田自動織機)4.35
▼5km
1位 テレシア・ムッソー二(ダイソー)15.22
2位 田中希実(豊田自動織機)15.34=日本新
▼ブラインド5km
1位 西村千香(岸和田健康グラブ/伴走者・田端久嗣)20.25
文/田端慶子
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.07.15
【男子棒高跳】大森蒼以(KPVC・中3埼玉) 5m00=中学歴代2位
-
2025.07.14
-
2025.07.14
-
2025.07.12
2025.06.17
2025中学最新ランキング【男子】
-
2025.06.17
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.07.15
28年ロス五輪の競技日程が決定! T&Fは7月15日~24日 競歩は27日、マラソンは29日と30日に実施
2028年に開催されるロサンゼルス五輪の組織委員会は、大会開幕まで3年となった7月14日、各競技の詳細な日程を発表した。 陸上競技については、すでに昨年6月の段階で、1972年ミュンヘン大会以降は大会後半に行われてきた従 […]
2025.07.15
1万mに國學院大・野中恒亨、中大・濵口大和、創価大・織橋巧、東洋大・松井海斗ら各校主軸激突/関東学連記録挑戦競技会
関東学生網走夏季記録挑戦競技会(7月20日/北海道・網走市営陸上競技場)のスタートリストが7月15日、同連盟の公式サイトで発表された。 5組で行われる男子10000mは、最終5組に各大学の主力選手が名を連ねた。國學院大か […]
2025.07.15
【男子棒高跳】大森蒼以(KPVC・中3埼玉) 5m00=中学歴代2位
7月5日に埼玉県越谷市で開催されたアスリートリンゲージフェスティバルの男子棒高跳で中学3年生の大森蒼以(KPVC・埼玉)が中学歴代2位の5m00をマークした。 大森は2011年3月生まれの14歳。5月には4m90を跳んで […]
2025.07.14
DLロンドン女子5000mに田中希実がエントリー! 男子100mで再びライルズ VS テボゴ アレクナ、マフチフ、ボルらも参戦
7月14日、ダイヤモンドリーグ(DL)第11戦のロンドン大会(英国/7月19日)のエントリーリストが発表され、女子5000mに田中希実(New Balance)が登録された。 田中はこれが今季のDL2戦目。7月上旬の日本 […]
2025.07.14
男子走幅跳・城山正太郎が優勝 400m佐藤風雅は45秒50の4位 世界陸上出場目指し、日本選手が欧米の競技会に出場/WAコンチネンタルツアー
7月13日に欧米各地で世界陸連(WA)コンチネンタルツアーの競技会が行われ、9月の東京世界選手権の出場を目指す日本人選手たちが奮闘した。 カナダで開催されたWAコンチネンタルツアー・シルバーのエドモントン招待では、男子走 […]
Latest Issue
最新号

2025年8月号 (7月14日発売)
詳報!日本選手権
IH地区大会