2022.11.12
◇The Fst in Fukuoka 2022(11月12日/福岡・大濠公園)
男子マラソンの大迫傑が企画し、実行委員会会長を務めたロードレース大会「The Fst in Fukuoka 2022」。東京五輪女子1500m8位の田中希実が1マイル(1.60934km)と5kmの2種目に出場した。
「初めて開催される大会で、しかも国内では珍しい1マイルということでエントリーしました。また、11月末(27日)の全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝/宮城)があるので、5kmは駅伝の練習にもなると思って」と出場理由を明かした田中。大勢のギャラリーに見守られた午前10時スタートの1マイルは、今夏のオレゴン世界選手権1500m9位のジョージア・グリフィス(オーストラリア)と競り合い、4分35秒で2位だった。
1マイルのスタートから2時間45分後に始まった5kmは、テレシア・ムッソーニ(ダイソー)、ムワンギ・レベッカ(同)と並走。3km過ぎでムッシーニに引き離されたが、しっかり粘った。15分34秒で、福士加代子(ワコール)が2006年にマークしたロード5kmの日本記録15分39秒(世界ロードランニング選手権20kmの5km通過時)を16年ぶりに更新。日本記録更新者に贈られる賞金100万円を手にした。
先を見据えて「調子が整わない中」での大会。1マイルの結果次第では、5kmの欠場も視野に入れていたという。「3kmまではついて、その時の体調次第で止めてもいいと思って」出場を決意。直走路が少ない1周約1950mの周回コースに、いつも以上の疲労を感じたものの、「残り2kmを走り切るだけの力が残っていたので、(並走していた)レベッカに勝ちたいという気持ちで走りました」と話した。
だが、「5kmを完走さえできれば日本記録は出ると思っていましたが、力不足なタイム」と田中。5kmで日本記録を出したとはいえ、トラックの5000mでは14分58秒60(日本歴代4位)の自己ベストを持っているだけに、満足していない。「ラストスパートのタイミングもあまり良くなかったので、これでは駅伝では通用しないと思う走りになってしまいました」と2週間後のクイーンズ駅伝を想定して、課題も口にした。
初めて開催されたレースについて、田中は「トラックだと見る側も走る側も緊張感があってピリピリしていますが、ロードだといい意味で、勝っても負けても温かい応援があって、うれしかったです。特に今日は沿道からの応援が近かったので、その中でベスト尽くそうとがんばれました」と振り返った。
文/田端慶子
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
-
2025.06.29
-
2025.06.17
-
2025.06.04
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.06.30
【高校生FOCUS】男子棒高跳・井上直哉(阿南光高)「全国3冠取りたい」と意気込むボウルターは柔道黒帯
FOCUS! 高校生INTERVIEW 井上直哉 Inoue Naoya 阿南光高3徳島 注目の高校アスリートに焦点を当てる高校生FOCUS。今回はインターハイ徳島県大会男子棒高跳で5m21の県高校新記録をマークし、続く […]
2025.06.30
【学生長距離Close-upインタビュー】急成長を続ける大東大・大濱逞真 「自信を持ってエースと言えるように」
学生長距離Close-upインタビュー 大濱逞真 Ohama Takuma 大東大2年 「月陸Online」限定で大学長距離選手のインタビューをお届けする「学生長距離Close-upインタビュー」。49回目は、大東大の大 […]
2025.06.30
64年東京五輪5000m銅のデリンジャー氏が死去 91歳 米国代表やオレゴン大コーチも務める
6月27日、米国の元長距離選手で、後にコーチとしても活躍したビル・デリンジャー氏が逝去した。91歳だった。 デリンジャー氏は5000mで3大会連続してオリンピックに出場(1956年メルボルン、1960年ローマ、1964年 […]
2025.06.30
100mトンプソンが世界歴代6位の9秒75!! シェリー・アンも最後の国内選手権で3位/ジャマイカ選手権
東京世界選手権の代表選考会となるジャマイカ選手権が6月26日から29日にキングストンで開催された。 男子100mはK.トンプソンが世界歴代6位、今季世界最高の9秒75(+0.8)で優勝した。トンプソンは現在23歳。これま […]
Latest Issue
最新号

2025年7月号 (6月13日発売)
詳報!アジア選手権
日本インカレ
IH都府県大会