HOME 国内

2022.09.20

やり投世界3位の北口榛花が凱旋「来年は狙ってメダルを」秋は国内で3試合予定
やり投世界3位の北口榛花が凱旋「来年は狙ってメダルを」秋は国内で3試合予定

女子やり投でオレゴン世界選手権銅メダル獲得、ダイヤモンドリーグ・ファイナル3位という快挙を成し遂げた北口榛花(JAL)が凱旋帰国し、羽田空港で帰国会見を行った。

広告の下にコンテンツが続きます

到着ゲート前にはたくさんのカメラが待ち構える。「世界選手権から3ヵ月経っているので人がいるのかなと思っていまた」と笑い、「空港での会見は初めて。貴重な経験ができました」と初々しく話す。

オレゴンでの銅メダルとダイヤモンドリーグ・ファイナル3位はいずれも日本女子初の快挙。「世界選手権の3位は素直にうれしくて感情が爆発しましたが、ダイヤモンドリーグの3位はチャンピオンを狙いにいって3位だったので悔しさのほうが大きいです」と振り返る。

安定した結果を残せた要因に冬季トレーニングの充実を挙げるが、その一方で「これで63mならもっと飛ぶのになというもどかしさもある」と、自己記録66m00を更新できなかったモヤモヤも抱えたシーズンだった。

それでも、陸上を始めるもっと前からの「夢だった」という海外を飛び回った1年。ダイヤモンドリーグ転戦する中でパリなど「有名なところは行って、きれいな街並みを見られました」と語る。

広告の下にコンテンツが続きます

海外転戦する中で、「それほど大きくない競技場で満席になる。選手と観客も近くて、そのほうが熱量があります」と日本との違いも感じ、「そういう立場になれるかはわかりませんが、日本の陸上の試合でも盛り上げ方を考えていけるようになれば」と言う。

今シーズン限りで世界記録保持者のバルボア・シュポターコヴァ(チェコ)や、世界選手権2位のカラ・ウィンガー(米国)が引退を表明している。「シュポターコヴァ選手は私がチェコにいった理由の一つでもありますし、ずっと目標。最後にたくさん試合ができて光栄でした」と北口。そうしたトップ選手の入れ替わりは『水物』と言われる女子やり投だけあって「顔ぶれが変わるのはよくあること。私もまだトップだと思っていません」と、『世界3位』になっても、おごりや慢心は一切ない。

秋は9月に全日本実業団対抗(23~25日/岐阜)、10月にアスレチックスチャレンジカップ(1、2日/新潟)、国体(6~10日/栃木)にエントリー。出場は状態を見ながらになるが、「今しか注目してもらえないと思うので、日本のファンのみなさんに会えるチャンス」と、世界の投げを披露する予定だ。

オレゴン世界選手権は「入賞を狙ってメダル」だったが、来年のブダペスト世界選手権は「メダルを狙って取りに行きたい」と北口。目標とするシュポターコヴァのように、70mを投げ、長く競技を続けるために。これからも焦らず、じっくりと北口らしいやり投を追求していく。

広告の下にコンテンツが続きます
女子やり投でオレゴン世界選手権銅メダル獲得、ダイヤモンドリーグ・ファイナル3位という快挙を成し遂げた北口榛花(JAL)が凱旋帰国し、羽田空港で帰国会見を行った。 到着ゲート前にはたくさんのカメラが待ち構える。「世界選手権から3ヵ月経っているので人がいるのかなと思っていまた」と笑い、「空港での会見は初めて。貴重な経験ができました」と初々しく話す。 オレゴンでの銅メダルとダイヤモンドリーグ・ファイナル3位はいずれも日本女子初の快挙。「世界選手権の3位は素直にうれしくて感情が爆発しましたが、ダイヤモンドリーグの3位はチャンピオンを狙いにいって3位だったので悔しさのほうが大きいです」と振り返る。 安定した結果を残せた要因に冬季トレーニングの充実を挙げるが、その一方で「これで63mならもっと飛ぶのになというもどかしさもある」と、自己記録66m00を更新できなかったモヤモヤも抱えたシーズンだった。 それでも、陸上を始めるもっと前からの「夢だった」という海外を飛び回った1年。ダイヤモンドリーグ転戦する中でパリなど「有名なところは行って、きれいな街並みを見られました」と語る。 海外転戦する中で、「それほど大きくない競技場で満席になる。選手と観客も近くて、そのほうが熱量があります」と日本との違いも感じ、「そういう立場になれるかはわかりませんが、日本の陸上の試合でも盛り上げ方を考えていけるようになれば」と言う。 今シーズン限りで世界記録保持者のバルボア・シュポターコヴァ(チェコ)や、世界選手権2位のカラ・ウィンガー(米国)が引退を表明している。「シュポターコヴァ選手は私がチェコにいった理由の一つでもありますし、ずっと目標。最後にたくさん試合ができて光栄でした」と北口。そうしたトップ選手の入れ替わりは『水物』と言われる女子やり投だけあって「顔ぶれが変わるのはよくあること。私もまだトップだと思っていません」と、『世界3位』になっても、おごりや慢心は一切ない。 秋は9月に全日本実業団対抗(23~25日/岐阜)、10月にアスレチックスチャレンジカップ(1、2日/新潟)、国体(6~10日/栃木)にエントリー。出場は状態を見ながらになるが、「今しか注目してもらえないと思うので、日本のファンのみなさんに会えるチャンス」と、世界の投げを披露する予定だ。 オレゴン世界選手権は「入賞を狙ってメダル」だったが、来年のブダペスト世界選手権は「メダルを狙って取りに行きたい」と北口。目標とするシュポターコヴァのように、70mを投げ、長く競技を続けるために。これからも焦らず、じっくりと北口らしいやり投を追求していく。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.05.04

編集部コラム「Road To FUKUOKA」

★月陸編集部★ 攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム🔥 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。 編集スタ […]

NEWS 男子は葛西潤、女子は五島莉乃がともに初優勝!パリ五輪代表即時内定者はなし、ワールドランキングの出場に望み/日本選手権10000m

2024.05.03

男子は葛西潤、女子は五島莉乃がともに初優勝!パリ五輪代表即時内定者はなし、ワールドランキングの出場に望み/日本選手権10000m

◇第108回日本選手権10000m(5月3日/静岡・小笠山総合運動公園静岡スタジアム) パリ五輪代表選考会となる第108回日本選手権10000mが5月3日に静岡・エコパで行われ、男子は葛西潤(旭化成)が日本歴代4位の27 […]

NEWS 日本記録保持者・塩尻和也は10位「目に見えない感覚のズレがあった」5000mに気持ち切り替え/日本選手権10000m

2024.05.03

日本記録保持者・塩尻和也は10位「目に見えない感覚のズレがあった」5000mに気持ち切り替え/日本選手権10000m

◇第108回日本選手権10000m(5月3日/静岡・小笠山総合運動公園静岡スタジアム) パリ五輪代表選考会となる日本選手権10000mが行われ、男子10000mは葛西潤(旭化成)が日本歴代4位の27分17秒46をマークし […]

NEWS 相澤晃は4位で2大会連続五輪は厳しく「来年の春にマラソンに挑戦して世界陸上を目指す」/日本選手権10000m

2024.05.03

相澤晃は4位で2大会連続五輪は厳しく「来年の春にマラソンに挑戦して世界陸上を目指す」/日本選手権10000m

◇第108回日本選手権10000m(5月3日/静岡・小笠山総合運動公園静岡スタジアム) パリ五輪代表選考会となる日本選手権10000mが行われ、男子10000mは葛西潤(旭化成)が日本歴代4位の27分17秒46をマークし […]

NEWS 東農大・前田和摩が衝撃の27分21秒52!!「余計なことを考えずひたすら前を」/日本選手権10000m

2024.05.03

東農大・前田和摩が衝撃の27分21秒52!!「余計なことを考えずひたすら前を」/日本選手権10000m

◇第108回日本選手権10000m(5月3日/静岡・小笠山総合運動公園静岡スタジアム) パリ五輪代表選考会となる日本選手権10000mが行われ、男子10000mは葛西潤(旭化成)が日本歴代4位の27分17秒46をマークし […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年5月号 (4月12日発売)

2024年5月号 (4月12日発売)

パリ五輪イヤー開幕!

page top