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2022.06.20

男子800mはルーキー・落合晃が1分50秒19で制覇!クレイ・アーロン竜波の持つ高1最高記録を更新/IH近畿
男子800mはルーキー・落合晃が1分50秒19で制覇!クレイ・アーロン竜波の持つ高1最高記録を更新/IH近畿

◇インターハイ近畿大会(6月16日~19日/奈良市)

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徳島インターハイ出場を懸けた近畿大会の最終日に行われた男子800m決勝。前日の準決勝で転倒などがあり、有力選手が次々と姿を消す波乱の展開となるなか、「後半には自信があった」と話すように、残り250mで先頭に立った落合晃(滋賀学園1)が、そのまま押し切り、高校記録保持者のクレイ・アーロン竜波の持つ高1歴代最高を5年ぶりに0.48秒更新する1分50秒19の好タイムで、この種目大会史上初となる1年生Vを果たした。

前回4位で昨秋のU18大会で8位に食い込んでいる廣田奏(添上3奈良)が先頭を引っ張り入りの400mを54秒をわずかに切るペースで通過。その直後を、余裕を持って追走した落合。「前のペースが少し緩んできたのでいくしかない」と、バックストレートで一気に仕掛け、持ちタイムで上回る上級生を振り切り頂点に立った。

「決勝の前に先生からも位置取りとごちゃつくだろうラスト200mに注意するよう言われていた通り、緊張しましたが、最後まで落ち着いて自分の走りに集中できたのがよかった。タイムはベストを4秒以上更新し驚きですが、目標としていた1位で近畿を通過できて素直にうれしい」とルーキーらしからぬ切れ味鋭いスパートが光った。

中学時代のベストは1分56秒86。近畿大会は制してはいるものの全中は棄権。これまでの自己記録は滋賀県大会を制した際にマークした1分54秒40だった。100mでも11秒8台のスプリント力が持ち味だと言い、「ラストは絶対抜かせないと思って走りました。高校に入ってからロングジョグなどでスタミナがつき、リラックスして走れるようになった」ことが今回の好結果につながった。

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インターハイでは、「強い先輩方と競い合える貴重な機会なので、しっかり準備し、チャレンジャー精神で臨みたい」と抱負を話す。1年生初の1分50秒切りがなるか注目が集まる。

昨年までのベストが1分58秒台で、府大会でマークしたばかりの自己記録(1分53秒77)を大幅に更新する1分50秒36を叩き出した萬野七樹(大塚2大阪)が2位。残り150mあたりで落合に並びかけた馬門孝介(八尾3大阪)が粘り抜き1分50秒59で3位。6位の廣田までが1分52秒台というハイレベルなレースだった。

最終日も3日目まで同様に好記録が数多く誕生。女子100mハードルは、昨年のインターハイで4、5位に食い込んでいる藤原かれん、吉田江梨花の園田学園(兵庫)3年コンビが13秒68、13秒72(+1.6)の好タイムで1、3位。吉田が2位のU18大会で5位、3月のU20日本室内60mハードルを制している前田光希(立命館守山3滋賀)が間に割って入り13秒71で2位、400mハードルとの2冠を目指した内藤香乃(北摂三田3兵庫)が13秒82で4位と4人が13秒台、14秒06の岸本礼菜(咲くやこの花1大阪)が7位という激戦だった。

男子5000mは1500m覇者の長嶋幸宝(西脇工3兵庫)が14分10秒06で制し2冠、女子3000mも1500mを自己ベストで制していた水本佳菜(薫英女学院3大阪)が9分05秒03の自己新で圧勝を飾り2冠を達成。男子三段跳は府大会で15m84の高校歴代4位タイを跳んでいる宮尾真仁(洛南3京都)が向かい風に苦しみながら15m47(-1.4)で貫禄勝ち。男女のマイルリレーは、共に4継を好タイムで制している洛南、京都橘の京都勢が3分12秒13、3分44秒63で頂点に立ちリレー2種目を制した。

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注目の総合は、男子は93点を挙げた洛南が7大会連続20度目のV、女子は園田学園が61.5点で初優勝、14大会連続Vを目指した東大阪大敬愛(大阪)は39点で3位だった。

地区大会は全11地区で開催。各種目上位6名(競歩、女子棒高跳、三段跳、ハンマー投は上位4位、混成は3位+各地区4~6位の記録上位5名)が全国大会に出場。インターハイは8月3日から7日まで徳島県で開催される。

◇近畿大会の優勝者一覧
男子
100m   大石凌功(洛南3京都)10秒59(-1.5)
200m   高見陸亜(姫路3兵庫)21秒07(+1.3)
400m    林 申雅(大塚3大阪)48秒10
800m   落合 晃(滋賀学園1)1分50秒19
1500m  長嶋幸宝(西脇工3兵庫)3分46秒86
5000m  長嶋幸宝(西脇工3兵庫)14分10秒06
110mH  中井翔太(姫路南3兵庫)14秒18(+3.2)
400mH  山田那央(小野3兵庫)51秒06
3000mSC 西澤マハロ(洛南3京都)8分56秒28
5000mW  逢坂草太朗(川西緑台2兵庫)21分01秒55
4×100mR 洛南(京都)40秒13
4×400mR 洛南(京都)3分12秒13
走高跳  小島碧波(社2兵庫)2m01
棒高跳  渡邉瑛斗(大塚3大阪)5m23=大会新
走幅跳  吉田正道(姫路商3兵庫)7m47(-0.6)
三段跳  宮尾真仁(洛南3京都)15m47(-1.4)
砲丸投   泊 瑶平(大阪3)17m17
円盤投   山口翔輝夜(社3兵庫)51m46
ハンマー投 山口翔輝夜(社3兵庫)64m51
やり投   渡邉 宙(草津東2滋賀)60m82
八種競技  前田和希(紀央館3和歌山)5404点
学校対抗総合 洛南(京都)93点

女子
100m   児島柚月(西京3京都)12秒02(-1.9)
200m   児島柚月(西京3京都)23秒97(+0.8)
400m    児島柚月(西京3京都)54秒12
800m   尾崎真衣(大阪桐蔭3)2分09秒69
1500m   水本佳菜(薫英女学院3大阪)4分18秒44
3000m   水本佳菜(薫英女学院3大阪)9分05秒03
100mH   藤原かれん(園田学園3兵庫)13秒68(+1.6)
400mH   内藤香乃(北摂三田3兵庫)58秒69
5000mW  石田さつき(大津商3滋賀)23分22秒29
4×100mR  京都橘 45秒73=大会新
4×400mR  京都橘 3分44秒63
走高跳   山下愛生(北摂三田3兵庫)1m74
棒高跳   上山友美恵(大塚3大阪)3m65
走幅跳   辻 杏樹(草津東3滋賀)5m74(-1.7)
三段跳   中村和花(大塚3大阪)12m42(+2.7)
砲丸投   武田光里(添上3奈良)13m49
円盤投   阪本海月華(紀央館3和歌山)42m49
ハンマー投 嶋本美海(添上2奈良)51m32
やり投   乾 奈子(東大阪大敬愛2)48m04
七種競技 中尾日香(長田3兵庫)5035点
学校対抗総合 園田学園(兵庫)61.5点

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文/花木 雫

◇インターハイ近畿大会(6月16日~19日/奈良市) 徳島インターハイ出場を懸けた近畿大会の最終日に行われた男子800m決勝。前日の準決勝で転倒などがあり、有力選手が次々と姿を消す波乱の展開となるなか、「後半には自信があった」と話すように、残り250mで先頭に立った落合晃(滋賀学園1)が、そのまま押し切り、高校記録保持者のクレイ・アーロン竜波の持つ高1歴代最高を5年ぶりに0.48秒更新する1分50秒19の好タイムで、この種目大会史上初となる1年生Vを果たした。 前回4位で昨秋のU18大会で8位に食い込んでいる廣田奏(添上3奈良)が先頭を引っ張り入りの400mを54秒をわずかに切るペースで通過。その直後を、余裕を持って追走した落合。「前のペースが少し緩んできたのでいくしかない」と、バックストレートで一気に仕掛け、持ちタイムで上回る上級生を振り切り頂点に立った。 「決勝の前に先生からも位置取りとごちゃつくだろうラスト200mに注意するよう言われていた通り、緊張しましたが、最後まで落ち着いて自分の走りに集中できたのがよかった。タイムはベストを4秒以上更新し驚きですが、目標としていた1位で近畿を通過できて素直にうれしい」とルーキーらしからぬ切れ味鋭いスパートが光った。 中学時代のベストは1分56秒86。近畿大会は制してはいるものの全中は棄権。これまでの自己記録は滋賀県大会を制した際にマークした1分54秒40だった。100mでも11秒8台のスプリント力が持ち味だと言い、「ラストは絶対抜かせないと思って走りました。高校に入ってからロングジョグなどでスタミナがつき、リラックスして走れるようになった」ことが今回の好結果につながった。 インターハイでは、「強い先輩方と競い合える貴重な機会なので、しっかり準備し、チャレンジャー精神で臨みたい」と抱負を話す。1年生初の1分50秒切りがなるか注目が集まる。 昨年までのベストが1分58秒台で、府大会でマークしたばかりの自己記録(1分53秒77)を大幅に更新する1分50秒36を叩き出した萬野七樹(大塚2大阪)が2位。残り150mあたりで落合に並びかけた馬門孝介(八尾3大阪)が粘り抜き1分50秒59で3位。6位の廣田までが1分52秒台というハイレベルなレースだった。 最終日も3日目まで同様に好記録が数多く誕生。女子100mハードルは、昨年のインターハイで4、5位に食い込んでいる藤原かれん、吉田江梨花の園田学園(兵庫)3年コンビが13秒68、13秒72(+1.6)の好タイムで1、3位。吉田が2位のU18大会で5位、3月のU20日本室内60mハードルを制している前田光希(立命館守山3滋賀)が間に割って入り13秒71で2位、400mハードルとの2冠を目指した内藤香乃(北摂三田3兵庫)が13秒82で4位と4人が13秒台、14秒06の岸本礼菜(咲くやこの花1大阪)が7位という激戦だった。 男子5000mは1500m覇者の長嶋幸宝(西脇工3兵庫)が14分10秒06で制し2冠、女子3000mも1500mを自己ベストで制していた水本佳菜(薫英女学院3大阪)が9分05秒03の自己新で圧勝を飾り2冠を達成。男子三段跳は府大会で15m84の高校歴代4位タイを跳んでいる宮尾真仁(洛南3京都)が向かい風に苦しみながら15m47(-1.4)で貫禄勝ち。男女のマイルリレーは、共に4継を好タイムで制している洛南、京都橘の京都勢が3分12秒13、3分44秒63で頂点に立ちリレー2種目を制した。 注目の総合は、男子は93点を挙げた洛南が7大会連続20度目のV、女子は園田学園が61.5点で初優勝、14大会連続Vを目指した東大阪大敬愛(大阪)は39点で3位だった。 地区大会は全11地区で開催。各種目上位6名(競歩、女子棒高跳、三段跳、ハンマー投は上位4位、混成は3位+各地区4~6位の記録上位5名)が全国大会に出場。インターハイは8月3日から7日まで徳島県で開催される。 ◇近畿大会の優勝者一覧 男子 100m   大石凌功(洛南3京都)10秒59(-1.5) 200m   高見陸亜(姫路3兵庫)21秒07(+1.3) 400m    林 申雅(大塚3大阪)48秒10 800m   落合 晃(滋賀学園1)1分50秒19 1500m  長嶋幸宝(西脇工3兵庫)3分46秒86 5000m  長嶋幸宝(西脇工3兵庫)14分10秒06 110mH  中井翔太(姫路南3兵庫)14秒18(+3.2) 400mH  山田那央(小野3兵庫)51秒06 3000mSC 西澤マハロ(洛南3京都)8分56秒28 5000mW  逢坂草太朗(川西緑台2兵庫)21分01秒55 4×100mR 洛南(京都)40秒13 4×400mR 洛南(京都)3分12秒13 走高跳  小島碧波(社2兵庫)2m01 棒高跳  渡邉瑛斗(大塚3大阪)5m23=大会新 走幅跳  吉田正道(姫路商3兵庫)7m47(-0.6) 三段跳  宮尾真仁(洛南3京都)15m47(-1.4) 砲丸投   泊 瑶平(大阪3)17m17 円盤投   山口翔輝夜(社3兵庫)51m46 ハンマー投 山口翔輝夜(社3兵庫)64m51 やり投   渡邉 宙(草津東2滋賀)60m82 八種競技  前田和希(紀央館3和歌山)5404点 学校対抗総合 洛南(京都)93点 女子 100m   児島柚月(西京3京都)12秒02(-1.9) 200m   児島柚月(西京3京都)23秒97(+0.8) 400m    児島柚月(西京3京都)54秒12 800m   尾崎真衣(大阪桐蔭3)2分09秒69 1500m   水本佳菜(薫英女学院3大阪)4分18秒44 3000m   水本佳菜(薫英女学院3大阪)9分05秒03 100mH   藤原かれん(園田学園3兵庫)13秒68(+1.6) 400mH   内藤香乃(北摂三田3兵庫)58秒69 5000mW  石田さつき(大津商3滋賀)23分22秒29 4×100mR  京都橘 45秒73=大会新 4×400mR  京都橘 3分44秒63 走高跳   山下愛生(北摂三田3兵庫)1m74 棒高跳   上山友美恵(大塚3大阪)3m65 走幅跳   辻 杏樹(草津東3滋賀)5m74(-1.7) 三段跳   中村和花(大塚3大阪)12m42(+2.7) 砲丸投   武田光里(添上3奈良)13m49 円盤投   阪本海月華(紀央館3和歌山)42m49 ハンマー投 嶋本美海(添上2奈良)51m32 やり投   乾 奈子(東大阪大敬愛2)48m04 七種競技 中尾日香(長田3兵庫)5035点 学校対抗総合 園田学園(兵庫)61.5点 文/花木 雫

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