HOME 高校

2022.06.20

男子400mはU20日本選手権覇者の長葭遥斗が47秒15で激戦制す「インターハイで46秒前半の自己新を出したい」/IH東海
男子400mはU20日本選手権覇者の長葭遥斗が47秒15で激戦制す「インターハイで46秒前半の自己新を出したい」/IH東海

◇インターハイ東海大会(6月17日~19日/岐阜市)

8月のインターハイ出場を懸けた東海大会が行われ、男子400mでは長葭遥斗(浜松開誠館3静岡)が47秒15の好タイムで優勝。中道大貴(東海大翔洋3静岡)が47秒19、鈴木智也(浜松西3静岡)が47秒55で、ともに自己ベストで続き、静岡勢が3位までを独占した。

長葭は1週間前のU20日本選手権チャンピオン。準決勝で今季高校ランキングトップに躍り出る46秒71を叩き出し、決勝でも46秒75をマークしている。自身が「U20の疲労はありました」と語った通り、今大会の予選はまず無難に通過することに専念(49秒51で組3位)。47秒77で全体のトップだった準決勝から段階的に本領を発揮していった印象だ。

決勝は「前半が向かい風でそれほど飛ばせた意識はなかった」と言いながら、県大会決勝で敗れた右隣りの鈴木を積極的に追いかけ、ラストの直線で徐々に引き離した。47秒30の自己記録を持つ中道の最終盤の猛追も僅差で振り切り、「後半も粘れたので良かったです」と胸を張る。

「この2戦でかなり自信がつきました。良い結果が続いているので、来週の大会や全国に向けて調整して、また良い走りができればと思っています」

今季に向けては、フォームの改善やスピードの向上を意識して取り組んできたという。「今まで大きく振っていた腕をコンパクトな振りにして、あまり力を使わないようにしています」と長葭は話し、そうした試みが「最近、200mのスピードが上がって、前半が飛ばせるようになってきた」と実感している。大会3日目の200mでも決勝に残り、5位(21秒65)でインターハイ出場を決めた点も、冬季から積み上げてきた努力の証と言えるだろう。それでも現状に満足せず、「ピッチで走ってしまうので、もっとストライドを伸ばせたらタイムも上がる」と、さらなる高みを見据える。

広告の下にコンテンツが続きます

400mは優勝候補の1人として迎えるであろうインターハイ。長葭は「タイムは会場やコンディションにもよりますが、46秒前半の自己新を出せたら」とはにかみつつ、目標順位については「全国1位を目指してがんばります」と力強く言い切った。

この他の種目では、初日に女子1500mを4分20秒17の大会新で制した澤田結弥(浜松市立2静岡)が、3日目の女子3000mも快勝して2冠達成。秦くるみ(伊豆中央3静岡)も走幅跳と三段跳の2冠を果たした。女子1500mの他、女子やり投の櫻井希美(済美2岐阜)、女子800mの森千莉(豊田大谷2愛知)、女子4×100mリレーの中京大中京と、4種目で大会新記録が誕生した。

学校対抗は男女ともに中京大中京が昨年に続いて優勝を飾った。

地区大会は全11地区で開催。各種目上位6名(競歩、女子棒高跳、三段跳、ハンマー投は上位4位、混成は3位+各地区4~6位の記録上位5名)が全国大会に出場。インターハイは8月3日から7日まで徳島県で開催される。

◇東海大会優勝者一覧
男子
100m 小島拓真(名古屋大谷3愛知)10秒48(-1.2)
200m 銭田瑞生(袋井3静岡)21秒51(-1.6)
400m 長葭遥斗(浜松開誠館3静岡)47秒15
800m 杉本仁(中京大中京3 愛知)1分53秒00
1500m 野川元希(愛知2愛知)4分03秒39
5000m 織橋巧(中京3岐阜)14分42秒52
110mH 打田快生(皇學館3三重)14秒55(-2.0)
400mH 下田隼人(豊川2愛知)51秒40
3000mSC 辻本桜寿(浜松開誠館2静岡)9分04秒71
5000mW 高橋優喜(浜松北3静岡)21分43秒68
4×100mR 中京大中京(愛知)40秒30
4×400mR 豊川(愛知)3分12秒35
走高跳 前川鎮秀(津商3三重)2m04
棒高跳 三浦温隼(磐田南3静岡)4m80
走幅跳 森部諒(名城大附2愛知)7m47(+0.4)
三段跳 礒井亮輔(伊勢3三重)14m92(+0.8)
砲丸投 阪本健斗(中津川工3岐阜)15m73
円盤投 藤岡広樹(浜松商3静岡)45m94
ハンマー投 神戸良介(三好3愛知)59m27
やり投 河邊希里斗(宇治山田3三重)60m69
八種競技 谷崎光(宇治山田商3三重)5409点
学校対抗総合 中京大中京(愛知)43.5点

女子
100m 藏重みう(中京大中京3愛知)11秒80(+0.2)
200m 藏重みう(中京大中京3愛知)24秒22(-1.0)
400m 平野里歩(中京大中京2愛知)55秒28
800m 森千莉(豊田大谷2愛知)2分08秒40=大会新
1500m 澤田結弥(浜松市立2静岡)4分20秒17=大会新
3000m 澤田結弥(浜松市立2静岡)9分12秒32
100mH 林美希(中京大中京2愛知)13秒78(-1.5)
400mH 和佐田真広(中京大中京3愛知)59秒84
5000mW 足立真唯(明和3愛知)24分57秒80
4×100mR 中京大中京(愛知)45秒67=大会新
4×400mR 中京大中京(愛知)3分43秒02
走高跳 矢野夏希(時習館3愛知)1m68
棒高跳 海老原有緯子(皇學館2三重)3m50
走幅跳 秦くるみ(伊豆中央3静岡)5m98(-1.3)
三段跳 秦くるみ(伊豆中央3静岡)12m32(+0.9)
砲丸投 村瀬にこ(浜松工3静岡)13m96
円盤投 伊藤圭菜(至学館3愛知)40m57
ハンマー投 藤田唯愛(松阪商2三重)50m23
やり投 櫻井希美(済美2岐阜)53m86=大会新
七種競技 林美希(中京大中京 2愛知)5053点
学校対抗総合 中京大中京(愛知)67点

文/小野哲史

◇インターハイ東海大会(6月17日~19日/岐阜市) 8月のインターハイ出場を懸けた東海大会が行われ、男子400mでは長葭遥斗(浜松開誠館3静岡)が47秒15の好タイムで優勝。中道大貴(東海大翔洋3静岡)が47秒19、鈴木智也(浜松西3静岡)が47秒55で、ともに自己ベストで続き、静岡勢が3位までを独占した。 長葭は1週間前のU20日本選手権チャンピオン。準決勝で今季高校ランキングトップに躍り出る46秒71を叩き出し、決勝でも46秒75をマークしている。自身が「U20の疲労はありました」と語った通り、今大会の予選はまず無難に通過することに専念(49秒51で組3位)。47秒77で全体のトップだった準決勝から段階的に本領を発揮していった印象だ。 決勝は「前半が向かい風でそれほど飛ばせた意識はなかった」と言いながら、県大会決勝で敗れた右隣りの鈴木を積極的に追いかけ、ラストの直線で徐々に引き離した。47秒30の自己記録を持つ中道の最終盤の猛追も僅差で振り切り、「後半も粘れたので良かったです」と胸を張る。 「この2戦でかなり自信がつきました。良い結果が続いているので、来週の大会や全国に向けて調整して、また良い走りができればと思っています」 今季に向けては、フォームの改善やスピードの向上を意識して取り組んできたという。「今まで大きく振っていた腕をコンパクトな振りにして、あまり力を使わないようにしています」と長葭は話し、そうした試みが「最近、200mのスピードが上がって、前半が飛ばせるようになってきた」と実感している。大会3日目の200mでも決勝に残り、5位(21秒65)でインターハイ出場を決めた点も、冬季から積み上げてきた努力の証と言えるだろう。それでも現状に満足せず、「ピッチで走ってしまうので、もっとストライドを伸ばせたらタイムも上がる」と、さらなる高みを見据える。 400mは優勝候補の1人として迎えるであろうインターハイ。長葭は「タイムは会場やコンディションにもよりますが、46秒前半の自己新を出せたら」とはにかみつつ、目標順位については「全国1位を目指してがんばります」と力強く言い切った。 この他の種目では、初日に女子1500mを4分20秒17の大会新で制した澤田結弥(浜松市立2静岡)が、3日目の女子3000mも快勝して2冠達成。秦くるみ(伊豆中央3静岡)も走幅跳と三段跳の2冠を果たした。女子1500mの他、女子やり投の櫻井希美(済美2岐阜)、女子800mの森千莉(豊田大谷2愛知)、女子4×100mリレーの中京大中京と、4種目で大会新記録が誕生した。 学校対抗は男女ともに中京大中京が昨年に続いて優勝を飾った。 地区大会は全11地区で開催。各種目上位6名(競歩、女子棒高跳、三段跳、ハンマー投は上位4位、混成は3位+各地区4~6位の記録上位5名)が全国大会に出場。インターハイは8月3日から7日まで徳島県で開催される。 ◇東海大会優勝者一覧 男子 100m 小島拓真(名古屋大谷3愛知)10秒48(-1.2) 200m 銭田瑞生(袋井3静岡)21秒51(-1.6) 400m 長葭遥斗(浜松開誠館3静岡)47秒15 800m 杉本仁(中京大中京3 愛知)1分53秒00 1500m 野川元希(愛知2愛知)4分03秒39 5000m 織橋巧(中京3岐阜)14分42秒52 110mH 打田快生(皇學館3三重)14秒55(-2.0) 400mH 下田隼人(豊川2愛知)51秒40 3000mSC 辻本桜寿(浜松開誠館2静岡)9分04秒71 5000mW 高橋優喜(浜松北3静岡)21分43秒68 4×100mR 中京大中京(愛知)40秒30 4×400mR 豊川(愛知)3分12秒35 走高跳 前川鎮秀(津商3三重)2m04 棒高跳 三浦温隼(磐田南3静岡)4m80 走幅跳 森部諒(名城大附2愛知)7m47(+0.4) 三段跳 礒井亮輔(伊勢3三重)14m92(+0.8) 砲丸投 阪本健斗(中津川工3岐阜)15m73 円盤投 藤岡広樹(浜松商3静岡)45m94 ハンマー投 神戸良介(三好3愛知)59m27 やり投 河邊希里斗(宇治山田3三重)60m69 八種競技 谷崎光(宇治山田商3三重)5409点 学校対抗総合 中京大中京(愛知)43.5点 女子 100m 藏重みう(中京大中京3愛知)11秒80(+0.2) 200m 藏重みう(中京大中京3愛知)24秒22(-1.0) 400m 平野里歩(中京大中京2愛知)55秒28 800m 森千莉(豊田大谷2愛知)2分08秒40=大会新 1500m 澤田結弥(浜松市立2静岡)4分20秒17=大会新 3000m 澤田結弥(浜松市立2静岡)9分12秒32 100mH 林美希(中京大中京2愛知)13秒78(-1.5) 400mH 和佐田真広(中京大中京3愛知)59秒84 5000mW 足立真唯(明和3愛知)24分57秒80 4×100mR 中京大中京(愛知)45秒67=大会新 4×400mR 中京大中京(愛知)3分43秒02 走高跳 矢野夏希(時習館3愛知)1m68 棒高跳 海老原有緯子(皇學館2三重)3m50 走幅跳 秦くるみ(伊豆中央3静岡)5m98(-1.3) 三段跳 秦くるみ(伊豆中央3静岡)12m32(+0.9) 砲丸投 村瀬にこ(浜松工3静岡)13m96 円盤投 伊藤圭菜(至学館3愛知)40m57 ハンマー投 藤田唯愛(松阪商2三重)50m23 やり投 櫻井希美(済美2岐阜)53m86=大会新 七種競技 林美希(中京大中京 2愛知)5053点 学校対抗総合 中京大中京(愛知)67点 文/小野哲史

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.12.12

青学大・原晋監督 連覇へ「山で区間新を出せる準備」チームの雰囲気「単なる仲良しクラブじゃない」

第101回箱根駅伝に出場する前回王者の青学大が、東京の青山キャンパスで壮行会を開き、原晋監督やエントリー選手たちが登壇した。その後、会見が開かれて報道陣の取材に応えた。 原監督が掲げた恒例の作戦名は「あいたいね大作戦」。 […]

NEWS 青学大がキャンパスで箱根駅伝壮行会 太田蒼生「俺が箱根を勝たせてやる」残り3週間で体調管理徹底で臨む構え

2024.12.12

青学大がキャンパスで箱根駅伝壮行会 太田蒼生「俺が箱根を勝たせてやる」残り3週間で体調管理徹底で臨む構え

第101回箱根駅伝に出場する前回王者の青学大が、東京の青山キャンパスで壮行会を開き、原晋監督やエントリー選手たちが登壇した。 関係者だけでなく、学生やファンなどが見守るなか、一部授業のある選手以外が一人ひとりあいさつ。主 […]

NEWS 世界陸連が6つの世界記録を承認 川野将虎が男子35km初代世界記録保持者に

2024.12.12

世界陸連が6つの世界記録を承認 川野将虎が男子35km初代世界記録保持者に

12月11日、世界陸連は5月から10月にかけて誕生した世界記録を正式に承認したことを発表した。 10月27日の日本選手権35km競歩(山形・高畠)で、川野将虎(旭化成)が樹立した2時間21分47秒も世界記録として認定。同 […]

NEWS 月刊陸上競技2025年1月号

2024.12.12

月刊陸上競技2025年1月号

Contents W別冊付録 箱根駅伝観戦ガイド&全国高校駅伝総展望 大会報道 福岡国際マラソン 吉田祐也 日本歴代3位の激走 涙の復活劇 全日本実業団対抗女子駅伝 JP日本郵政グループ 4年ぶりV 地域実業団駅伝 中学 […]

NEWS やり投・北口榛花2025年は「みんなで一緒にもう一度最高の感動を味わいたい!」タニタ健康大賞受賞でコンディション作りも明かす

2024.12.11

やり投・北口榛花2025年は「みんなで一緒にもう一度最高の感動を味わいたい!」タニタ健康大賞受賞でコンディション作りも明かす

健康総合企業の株式会社タニタが12月11日、日本人の健康づくりに貢献した個人・団体を顕彰する「タニタ健康大賞」を発表し、女子やり投のパリ五輪金メダリスト・北口榛花(JAL)が選ばれ、同日に贈賞式に出席した。 「競技中でも […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年12月号 (11月14日発売)

2024年12月号 (11月14日発売)

全日本大学駅伝
第101回箱根駅伝予選会
高校駅伝都道府県大会ハイライト
全日本35㎞競歩高畠大会
佐賀国民スポーツ大会

page top