◇第106回日本選手権(6月9日~12日/大阪・ヤンマースタジアム長居)3日目
オレゴン世界選手権代表選考会を兼ねた日本選手権の3日目に行われた女子3000m障害は、東京五輪代表の山中柚乃(愛媛銀行)が日本歴代2位となる9分38秒19の大会新記録で大会連覇を果たした。
「連覇と9分40秒切りが目標でした。最初からレースを引っ張る自分らしいレースで勝ち切れればかっこいいなと思っていたので、それが果たせてよかった」と会心の笑みを浮かべた。
スタート直後から果敢に先頭に立った山中。入りの1000mを3分10秒で通過する時点で先頭集団はその山中を含め、3年ぶりの優勝を目指す吉村玲美(大東大)、社会人ルーキーで地元・大塚高校時代の山中の1年先輩でもある西出優月(ダイハツ)、西山未奈美(三井住友海上)の4人に絞られることに。
2000mを6分28秒で通過した直後に山中が仕掛けペースアップ。ラストは後続に詰め寄られたが、そのまま逃げ切り頂点に立った。
レース前の時点でワールドランキングで世界選手権の出場枠ギリギリのラインにいることもあり、「(9分30秒00の)参加標準を切るのは実力的にもまだ届かないと思っていたので、まずは(9分)40秒を切って勝つことが重要でした」とホッと胸をなでおろす。
「途中苦しい場面もありましたが、昨年、五輪を経験したことで、自分のためだけではなく、応援してくださる人たちや子供たちの目標になれるようがんばりたいという気持ちが出てきたことで、課題のラストも踏ん張れるようになった」と好調の要因を明かした。
上位4人が9分40秒切るレースで勝ち切ったことで、「自分のレースをして勝てたことは自信になります。世界選手権に出場できれば、世界との差を少しでも縮められるよう力を付けていきたい」と目を輝かせる。
9分38秒95で2位の西出、9分39秒28で3位の西山、9分39秒86で4位の吉村もそれぞれ自己記録を更新し、日本歴代3位、4位、5位。吉村のタイムは日本学生新記録というハイレベルなレースだった。
文/花木 雫
■女子3000mSC日本歴代10傑[2022.6.11時点]
9.33.93 早狩 実紀(京都光華AC) 2008. 7.20
9.38.19 山中 柚乃(愛媛銀行) 2022. 6.11
9.38.95 西出 優月(ダイハツ) 2022. 6.11
9.39.28 西山未奈美(三井住友海上) 2022. 6.11
9.39.86 吉村 玲美(大東大4) 2022. 6.11
9.44.22 高見澤安珠(松山大3) 2016. 6.25
9.45.27 森 智香子(積水化学) 2016. 6.25
9.46.44 藪田 裕衣(大塚製薬) 2021. 6.26
9.48.76 石澤ゆかり(エディオン) 2020.12. 4
9.49.85 三郷実沙希(スズキ浜松AC) 2014. 6. 8

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