◇日本学生個人選手権(4月15~17日/神奈川・平塚)3日目
ワールドユニバーシティゲームズの選考会を兼ねた日本学生個人選手権。女子短距離に頼もしいスプリンターが戻ってきた。100mの準決勝で学生歴代9位タイの11秒53をマークし、決勝でも2位に入っていた青野朱李(山梨学大)。得意の200mでは予選を24秒58(+1.4)、準決勝で24秒13(+0.8)と悠々トップ通過した。
迎えた決勝は、100m同様に兒玉芽生(ミズノ)、齋藤愛美(大阪成蹊AC)、壹岐あいこ(立命大)という東京五輪代表らと対峙。いずれも高校時代から競り合い、インターハイのタイトルを取ってきた選手たちだ。「優勝する可能性もある状態だったので緊張しました」と青野。だが、「冬季から改善してきた」というスタートで鋭く抜け出すと、コーナーを抜けた時にはリードを広げる。「強みの後半」でも力強さは衰えず、23秒86(+0.3)で優勝した。
「久しぶりの全国タイトル。シンプルにうれしいです」と喜びを表す青野。山形中央高2年時に地元インターハイ200mで優勝した世代のトップスプリンターだった。高3時もケガがありながら秋にはU20日本選手権100m、200mで2冠。だが、大学以降は環境の変化や度重なるケガが続き、タイトルからは遠ざかった。
それでも、青野は戻ってきた。「大学2年目が一番しんどかったです。嫌になりそうな時もありました。でも、応援してくれて、私が結果を残すことで笑顔になる人たちのために恩返しがしたいという思いがあったから」。
昨年から徐々に復調気配を見せると、課題だった臀部やハムストリングスの強化に励んだ冬を越え、身体つきも変わった。「スタートはブロックをを継続して使って感覚を研ぎ澄ませました」と言う。その成果が表れたのが100mの準決勝で自己ベストを出した走り。元々後半方だった青野だが、スタートからの加速で勝負あり、という抜けだしを見せていた。
今季は「100mは11秒前半、200mは自己ベスト(23秒61)を更新して23秒前半を目指したい」と青野。そして「日本代表」への思いも強い。「大学1年で世界リレー代表になってから、その後はみんなが日本代表になる中で悔しい思いをしてきました。だからこそ、絶対に勝負したい」。オレゴン世界選手権への出場権がある4×100mリレーの代表入りに向け、復活した青野がさらにギアを上げていく。

|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.07.11
セメニャが勝訴 スイス最高裁に対し1370万円の支払い命令 欧州人権裁判所が権利侵害認定
2025.07.11
【女子200m】村田愛衣紗(ナンバーワンクラブ・中2)24秒79=中2歴代7位タイ
2025.07.11
十種競技アジア銅の奥田啓祐が3大会Vなるか 七種競技は熱田心が連覇狙う/日本選手権混成
-
2025.07.10
-
2025.07.10
-
2025.07.09
-
2025.07.09
-
2025.07.05
2025.06.17
2025中学最新ランキング【男子】
-
2025.06.17
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.07.11
セメニャが勝訴 スイス最高裁に対し1370万円の支払い命令 欧州人権裁判所が権利侵害認定
女子800mで五輪、世界選手権を制したキャスター・セメニャ氏(南アフリカ)が起こしていた係争をめぐり、欧州人権裁判所(ECHR)はスイス連邦最高裁判所に対し、69,000ポンド(約1370万円)の支払いを命じる判決を下し […]
2025.07.11
【女子200m】村田愛衣紗(ナンバーワンクラブ・中2)24秒79=中2歴代7位タイ
鹿児島県中学通信が6月28日、県立鴨池陸上競技場で行われ、女子共通200m予選で村田愛衣紗(ナンバーワンクラブ)が中2歴代7位タイの24秒79(+1.5)をマークした。 村田は小学生から県内のクラブチーム、ナンバーワンク […]
2025.07.11
十種競技アジア銅の奥田啓祐が3大会Vなるか 七種競技は熱田心が連覇狙う/日本選手権混成
◇第109回日本選手権混成競技(7月12、13日/岐阜・岐阜メモリアルセンター長良川競技場) 男子十種競技と女子七種競技のナンバーワンを決める日本選手権・混成競技が今週末に開催される。会場は前回同様・岐阜。走・跳・投の総 […]
2025.07.10
【男子110mH】合志侑乃輔(京教大京都中)13秒71=中学歴代4位
7月6日、京都府京丹波町の丹波自然運動公園陸上競技場で京都府中学通信が行われ、男子110mハードルの準決勝で合志侑乃輔(京教大京都3)が13秒71(+1.9)の中学歴代4位となる好記録をマークした。 合志の昨年までの自己 […]
Latest Issue
最新号

2025年7月号 (6月13日発売)
詳報!アジア選手権
日本インカレ
IH都府県大会