◇第98回箱根駅伝・往路(東京・大手町~神奈川・箱根町/5区間107.5km)
2021年の前半シーズンは、東京五輪出場を目指しながら叶わなかった。まるでその悔しさをぶつけるかのように、中大のエース・吉居大和は1区で鮮やかな独走レースを演じた。
打ち立てた1時間0分40秒は、2007年に佐藤悠基(東海大/現・SGホールディングス)がマークした最古の区間記録(1時間1分06秒)を上回る特大区間新。中大に15年ぶりとなる区間賞とともに、箱根で10年ぶりのシード獲得を目指すチームにこれ以上ない勢いをもたらした。
大会前のプランとしては、「ある程度のペースならついていって、ラストの3kmを意識していた。先輩方に楽をしていただけるように、後ろとできるだけ差をつけたいという思いがあった」という。
しかし、スタート直後に集団が前回と同じようなスローペースになりかけたところで、「自分のペースで行こう」とスッと先頭に出た。そこから1km2分50秒前後の速いペースを刻み、レースの主導権を手中に収めることに成功する。
隊列が縦長になった時、「このペースで行けば、もしかしたら(後ろは)離れるかなと思った」と語ったように、吉居は5.6kmあたりで集団から抜け出すかたちとなり、瞬く間に後続を置き去りにしていった。
10km通過は、10000mの自己ベスト(28分03秒90)を凌ぐ27分58秒。「何分で通過したかわからなかったので、自分でもびっくりという感じ」だったが、それでもまだ余裕があり、「一応、意識していた」という区間記録更新に向けてひた走った。
42分00秒で15kmを通過し、2位以下に1分以上の差をつけたことを知らされると、「これなら(区間賞は)行ける」と確信する。「ラストに六郷橋があり、単独走になったこともあって最後はかなりきつかったです」と言いながらも、駅伝シーズンを見据えてしっかり練習を積んできた吉居には、3区区間15位と苦戦を強いられた前回のような「距離に対する不安はなかった」。
終盤も粘って力強く鶴見中継所に飛び込むと、「まず目標にしていた区間賞を取ることができてうれしいです。2位との差もつけられたので良かった。自分のペースで行って区間新記録を出せたことは、自分にとってすごく自信になると思います」と清々しい表情で胸を張った。
その後、中大は2~5区の4人もそれぞれに力を発揮し、往路を2011年以来のひとケタ順位となる6位でフィニッシュ。吉居の“ロケットスタート”を最大限に生かして結果につなげた。
復路でもその流れを踏襲し、総合5位以上という目標を達成できた時、吉居が快走した価値がさらに大きく浮かび上がってくるはずだ。
文/小野哲史
◇第98回箱根駅伝・往路(東京・大手町~神奈川・箱根町/5区間107.5km)2021年の前半シーズンは、東京五輪出場を目指しながら叶わなかった。まるでその悔しさをぶつけるかのように、中大のエース・吉居大和は1区で鮮やかな独走レースを演じた。打ち立てた1時間0分40秒は、2007年に佐藤悠基(東海大/現・SGホールディングス)がマークした最古の区間記録(1時間1分06秒)を上回る特大区間新。中大に15年ぶりとなる区間賞とともに、箱根で10年ぶりのシード獲得を目指すチームにこれ以上ない勢いをもたらした。大会前のプランとしては、「ある程度のペースならついていって、ラストの3kmを意識していた。先輩方に楽をしていただけるように、後ろとできるだけ差をつけたいという思いがあった」という。しかし、スタート直後に集団が前回と同じようなスローペースになりかけたところで、「自分のペースで行こう」とスッと先頭に出た。そこから1km2分50秒前後の速いペースを刻み、レースの主導権を手中に収めることに成功する。隊列が縦長になった時、「このペースで行けば、もしかしたら(後ろは)離れるかなと思った」と語ったように、吉居は5.6kmあたりで集団から抜け出すかたちとなり、瞬く間に後続を置き去りにしていった。10km通過は、10000mの自己ベスト(28分03秒90)を凌ぐ27分58秒。「何分で通過したかわからなかったので、自分でもびっくりという感じ」だったが、それでもまだ余裕があり、「一応、意識していた」という区間記録更新に向けてひた走った。42分00秒で15kmを通過し、2位以下に1分以上の差をつけたことを知らされると、「これなら(区間賞は)行ける」と確信する。「ラストに六郷橋があり、単独走になったこともあって最後はかなりきつかったです」と言いながらも、駅伝シーズンを見据えてしっかり練習を積んできた吉居には、3区区間15位と苦戦を強いられた前回のような「距離に対する不安はなかった」。終盤も粘って力強く鶴見中継所に飛び込むと、「まず目標にしていた区間賞を取ることができてうれしいです。2位との差もつけられたので良かった。自分のペースで行って区間新記録を出せたことは、自分にとってすごく自信になると思います」と清々しい表情で胸を張った。その後、中大は2~5区の4人もそれぞれに力を発揮し、往路を2011年以来のひとケタ順位となる6位でフィニッシュ。吉居の“ロケットスタート”を最大限に生かして結果につなげた。復路でもその流れを踏襲し、総合5位以上という目標を達成できた時、吉居が快走した価値がさらに大きく浮かび上がってくるはずだ。文/小野哲史RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2026.11.04
2026.11.04
2026.10.31
【大会結果】第58回全日本大学駅伝(2026年11月1日)
2026.11.01
2026.10.31
2026.10.31
2026.10.17
2026.10.08
2026.10.17
Latest articles 最新の記事
2026.11.04
ミズノが第103回箱根駅伝オフィシャルグッズの予約を開始 全24アイテムで関東学生連合チームも登場!
ミズノは11月4日、スポンサー契約に基づき、第103回箱根駅伝オフィシャルグッズの販売予約を開始したと発表した。 今回は毎年扱っている大会記念Tシャツに加え、出場21チームのタスキをデザインした応援マフラータオルやキーホ […]
2026.11.04
エハンマー 28年ロス五輪までは走幅跳に専念 「金メダル獲得のため全力を注ぐ」
世界室内男子七種競技金メダリストで、走幅跳でも活躍するS.エハンマー(スイス)が自身のSNSを更新し、2028年ロサンゼルス五輪に向けて走幅跳へ専念する意向を発表した。 エハンマーは男子七種競技(ショートトラック)の世界 […]
Latest Issue
最新号

2026年11月号 (10月14日発売)
アジア大会総特集
駅伝プレビュー
