2021.12.10
日本陸連アスレティックス・アワード2021が12月9日、東京都内のホテルで開催され、年間最優秀選手の「アスリート・オブ・ザ・イヤー」には東京五輪男子20km競歩で日本勢初となる銀メダルを獲得した池田向希(旭化成)が選出。また、東京五輪銀メダルの報奨金として1000万円が授与された。
池田は受賞のスピーチで喜びと感謝の言葉を述べた上で「2年前、(同じ競歩の)鈴木雄介選手(富士通)が受賞されたのを会場で拝見していて、陸上人生の中でいつか受賞したいという目標になりました。この章を受賞できた時は満足のいく結果を出した時なんだろうと勝手に未来を想像していましたが、実際に受賞して1年振り返ると100%満足いったかというと至らなかったと思います。それは、競技力でも、いち人間としてももっと成長できると思ったからです。この賞を糧にして、そして賞の名に恥じぬように精進していきたい」と堂々と語り、大きな拍手が送られた。
式典後の会見で「競歩の練習はたくさんしていますが、ああいう(スピーチの)練習はしていないので緊張しました」と照れ笑いを浮かべた池田。静岡出身で、浜松日体高から東洋大を経て21年春から旭化成へ。中学、高校と中長距離ランナーだったがケガや貧血もあって結果が出ず、高2から競歩を始めた。同県の同学年には後にチームメイトとなる川野将虎(旭化成)がおり、背中を追いかけ切磋琢磨。東洋大入学時は競歩選手と兼任で長距離ブロックのマネージャーも務めていた。結果を残し始めてからも、しばらくは自発的に業務を続けていたという。いつも笑顔で負けん気が強く、コツコツと積み重ねられる選手だ。
2019年ドーハ世界選手権では初のシニア国際大会ながら6位入賞の快挙。だが、フィニッシュ後は涙をにじませて悔しがった。それからは国内で勝つこと、そして世界で勝つことを目標にさらに研ぎ澄ませ、1年延期となった東京五輪では見事に同種目初の銀メダル。山西利和(愛知製鋼、銅メダル)、そして50km競歩で入賞した川野らとともに、競歩界を牽引する一人になった。
世界と対峙した中で「メンタル面など、しっかり準備をすれば手足が長い海外の選手にも通用することが確認できました」と池田。逆に世界一に足りないモノについてはしばらく考えこみ「まだまだ全体的に成長していかなければいけませんが、『これ』というのは思い浮かびません。その足りない何かが見つかった時に満足のいく結果が出せるのだと思います」と答えた。世界2位になったことにより「簡単には負けられない、あきらめられないというプレッシャーが得られました」と言い、「来年のオレゴン世界選手権でもメダルを期待されていると思うので応えていきたいです」と、さらに高みを目指していく構えだ。
池田は常々「競歩をもっと知ってもらえるように」と語ってきた。「競歩が日本でも世界でもよりメジャースポーツになればいいなと思っています。私をはじめ、競歩をやっている選手がこうして結果を出すことでもっと盛り上げていければ、より競歩の人気向上や魅力を伝えることに貢献できると思っています」。世界に誇る『競歩王国』の第一人者として、さらなる強化と発展を引っ張っていく。
日本陸連アスレティックス・アワード2021が12月9日、東京都内のホテルで開催され、年間最優秀選手の「アスリート・オブ・ザ・イヤー」には東京五輪男子20km競歩で日本勢初となる銀メダルを獲得した池田向希(旭化成)が選出。また、東京五輪銀メダルの報奨金として1000万円が授与された。
池田は受賞のスピーチで喜びと感謝の言葉を述べた上で「2年前、(同じ競歩の)鈴木雄介選手(富士通)が受賞されたのを会場で拝見していて、陸上人生の中でいつか受賞したいという目標になりました。この章を受賞できた時は満足のいく結果を出した時なんだろうと勝手に未来を想像していましたが、実際に受賞して1年振り返ると100%満足いったかというと至らなかったと思います。それは、競技力でも、いち人間としてももっと成長できると思ったからです。この賞を糧にして、そして賞の名に恥じぬように精進していきたい」と堂々と語り、大きな拍手が送られた。
式典後の会見で「競歩の練習はたくさんしていますが、ああいう(スピーチの)練習はしていないので緊張しました」と照れ笑いを浮かべた池田。静岡出身で、浜松日体高から東洋大を経て21年春から旭化成へ。中学、高校と中長距離ランナーだったがケガや貧血もあって結果が出ず、高2から競歩を始めた。同県の同学年には後にチームメイトとなる川野将虎(旭化成)がおり、背中を追いかけ切磋琢磨。東洋大入学時は競歩選手と兼任で長距離ブロックのマネージャーも務めていた。結果を残し始めてからも、しばらくは自発的に業務を続けていたという。いつも笑顔で負けん気が強く、コツコツと積み重ねられる選手だ。
2019年ドーハ世界選手権では初のシニア国際大会ながら6位入賞の快挙。だが、フィニッシュ後は涙をにじませて悔しがった。それからは国内で勝つこと、そして世界で勝つことを目標にさらに研ぎ澄ませ、1年延期となった東京五輪では見事に同種目初の銀メダル。山西利和(愛知製鋼、銅メダル)、そして50km競歩で入賞した川野らとともに、競歩界を牽引する一人になった。
世界と対峙した中で「メンタル面など、しっかり準備をすれば手足が長い海外の選手にも通用することが確認できました」と池田。逆に世界一に足りないモノについてはしばらく考えこみ「まだまだ全体的に成長していかなければいけませんが、『これ』というのは思い浮かびません。その足りない何かが見つかった時に満足のいく結果が出せるのだと思います」と答えた。世界2位になったことにより「簡単には負けられない、あきらめられないというプレッシャーが得られました」と言い、「来年のオレゴン世界選手権でもメダルを期待されていると思うので応えていきたいです」と、さらに高みを目指していく構えだ。
池田は常々「競歩をもっと知ってもらえるように」と語ってきた。「競歩が日本でも世界でもよりメジャースポーツになればいいなと思っています。私をはじめ、競歩をやっている選手がこうして結果を出すことでもっと盛り上げていければ、より競歩の人気向上や魅力を伝えることに貢献できると思っています」。世界に誇る『競歩王国』の第一人者として、さらなる強化と発展を引っ張っていく。 RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.10.18
北口榛花 初のやり投教室「突き詰めたいなら努力するしか方法はない」中高生に熱血指導
-
2025.10.19
2025.10.18
【大会結果】第102回箱根駅伝予選会/個人成績(2025年10月18日)
2025.10.18
【大会結果】第102回箱根駅伝予選会/チーム総合(2025年10月18日)
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.10.24
「3強」立命大の連覇か、名城大のV奪還か、大東大の初優勝か?城西大、大阪学大らも追随/全日本大学女子駅伝見どころ
第43回全日本大学女子駅伝対校選手権大会は10月26日、宮城県仙台市の弘進ゴムアスリートパーク仙台(仙台市陸上競技場)をスタート・フィニッシュとする6区間38.0kmで開催される。 前回8位までに入ってシード権を持つ立命 […]
2025.10.24
競歩新距離で日本初開催!世界陸上メダリスト・勝木隼人、入賞の吉川絢斗も登録 アジア大会選考がスタート/高畠競歩
来年の名古屋アジア大会の代表選考会を兼ねた第62回全日本競歩高畠大会が10月26日に山形県高畠町で開かれる。 競歩はこれまで20㎞、35㎞(以前は50㎞)という2種目で行われてきたが、世界陸連(WA)はハーフマラソン(2 […]
2025.10.24
女子短距離の久保山晴菜が現役引退「もう一度やり直してもこの道を選ぶ」アジア選手権やDLにも出場
今村病院はアスリート職員の女子短距離・久保山晴菜が今季限りで現役引退すると発表した。 久保山は佐賀県出身の29歳。小学校から陸上を始め、田代中時代に4×100mリレーで全中準決勝に進出。佐賀北高に進学して200m、400 […]
2025.10.24
後藤大樹が46秒80!!!初400mで高1最高を14年ぶりに更新 インターハイでは高1初400mH王者
京都府私学総体が10月24日に西京極で行われ、男子400mで後藤大樹(洛南1)が46秒80を叩き出した。自身初の400m個人レースで出したこの記録は、山木伝説(九里学園)が2011年に樹立した高1最高(47秒31)を14 […]
Latest Issue
最新号
2025年11月号 (10月14日発売)
東京世界選手権 総特集
箱根駅伝予選会&全日本大学駅伝展望