◇日体大長距離競技会(12月4日/日体大健志台)
駒大のエースがやってのけた。第293回日体大長距離競技会の男子10000mに出場した田澤廉(駒大3)が、27分23秒44をマーク。来年のオレゴン世界選手権の参加標準記録27分28秒00の突破第一号となった。
田澤はイェゴン・ヴィンセント(東京国際大)やリチャード・キムニャン(日立物流)らとともにトップ集団で日本人ただ1人ついていき、5000mを13分43秒出通過。「いつもは7000mくらいできつくなるので『ここからだぞ』と言い聞かせて」8000mを過ぎてややペースが落ち始めたためヴィンセントの前に出て再びペースアップする。「8000m、9000mでも全然上げられた」。最後は両手を挙げて3着でフィニッシュ。27分23秒44は相澤晃(旭化成)の日本記録27分18秒75に次ぐ日本歴代2位、日本人学生最高、留学生を含めても学生歴代2位の快走だった。レース後は「マジでうれしいです!」と声を弾ませ、「今年最大の目標だった世界選手権参加標準記録突破ができて満足しています」と笑顔を見せた。
田澤は青森県出身。青森山田高を卒業後に駒大へ進学。1年目から5000mで13分41秒82(当時U20日本歴代10位)をマークすると、出雲駅伝で3区2位、全日本大学駅伝で7区区間賞と快走。さらに箱根駅伝では3区3位と力走した。昨年は全日本大学駅伝で8区を務め優勝のフィニッシュテープを切り、大会MVPに選出。今季は3年生主将を務め、5月の日本選手権10000mでは27分39秒21の自己新で2位だったが東京五輪にはわずかに届かなかった。11月の全日本大学駅伝では2大会連続MVPで連覇に貢献している。
田澤のコメント
「全日本大学駅伝のあとは休んでから、スピード練習に切り替えてやってきました。それがうまくハマったと思います。まだ調整したり、スピードを抑えている部分もあるので、伸びしろはいっぱいあると思っています。まだ全然行けます。トラックでパリ五輪を目指していますし、ここで終わりじゃない。目的は世界で戦うこと。オレゴン世界選手権で世界がどんな走りをするか勉強したい」
◇男子10000m10組上位成績
アンティパス・キベット(SGホールディングス)27.22.93
ジョナサン・ディク(日立物流)27.23.06
田澤 廉(駒大3) 27.23.44
イェゴン・ヴィンセント(東京国際大3)27.24.42
べナード・コエチ(九電工)27.46.87
中村信一郎(九電工)28.01.46
滋野聖也(プレス工業)28.01.62
土方英和(Honda) 28.03.26
吉居大和(中大) 28.03.90
林田洋翔(三菱重工)28.05.26
松尾淳之介(NTT西日本)28.06.05
■男子10000m日本歴代10傑
27.18.75相澤 晃(旭化成) 2020.12. 4
27.23.44田澤 廉(駒大3) 2021.12.4
27.25.73伊藤 達彦(Honda)2020.12. 4
27.28.92田村 和希(住友電工) 2020.12. 4
27.29.69村山 紘太(旭化成) 2015.11.28
27.29.74鎧坂 哲哉(旭化成) 2015.11.28
27.33.13太田 智樹(トヨタ自動車)2021.11.27
27.34.86河合 代二(トーエネック)2020.12. 4
27.35.09高岡 寿成(カネボウ) 2001. 5. 4
27.35.33中山 竹通(ダイエー) 1987. 7. 2

|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.06.13
高校陸上年鑑 2024年度版(No.72)
-
2025.06.06
2025.05.28
女子10000mがレース途中で異例の中断!! 大雨と雷の影響も選手困惑/アジア選手権
2025.05.16
2025高校最新ランキング【女子】
-
2025.05.15
-
2025.05.15
-
2025.05.15
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.06.13
高校陸上年鑑 2024年度版(No.72)
高校陸上年鑑 【No.72】の内容 全国高体連発行,陸上競技社製作による「高校陸上年鑑」(2024年度版)。2024年度の高校陸上界の動きをまとめたもので、インターハイや全国高校駅伝などの主要イベントを中心に、ハイライト […]
2025.06.13
東京世界陸上 米国女子マラソン代表のサイナが出産予定により代表辞退 ボストン7位のマクレーンが代表に
米国陸連は6月12日、9月に東京で開催される世界選手権の女子マラソン代表に選ばれていたB.サイナが出場を辞退し、代わってJ.マクレーンが代表に選出されたと発表した。サイナは今秋に出産を控えていることを理由に辞退を表明して […]
2025.06.13
グランドスラム・トラックが第4戦ロサンゼルス大会の中止、26年への延期を発表!25年シーズンは3大会で終了、理由は公表せず
6月12日、グランドスラム・トラックの主催者は6月28、29日に予定されていたグランドスラム・トラック第4戦ロサンゼルス大会を実施しないこと、26年シーズンへの延期と発表した。25年の同リーグはこれまでの3大会で終了とな […]
Latest Issue
最新号

2025年7月号 (6月13日発売)
詳報!アジア選手権
日本インカレ
IH都府県大会