◇全日本実業団対抗(9月24~26日/大阪・ヤンマースタジアム長居)3日目
全日本実業団対抗の3日目の男子やり投に、41歳の村上幸史(テック)が出場。68m63の15位で終えた。
2009年ベルリン世界選手権で、男子やり投初のメダルとなる銅メダルを獲得したレジェンドが、大舞台に戻り、そして去る決断をした。「80m超えが過去最高の人数。そこに出られて幸せです」。2016年でリオ五輪を狙って以降、試合への出場は記録会にとどめ、指導・アドバイスを送る側になった。拠点としていた日大を辞し、ここ数年は兵庫で、ディーン元気(ミズノ)や佐藤友佳(ニコニコのり)、寒川建之介(GRAND STONE)ら、トップ選手とトレーニングを積んできた。「トップ選手たちなので指導というのは…僕なりにアドバイスを送る程度です」と謙遜。だが、その選手たちは軒並み好記録を出していたのは決して偶然ではない。
「しっかり終われたかな」。東京五輪シーズンの締めくくりとなった全日本実業団で、競技者として一つの区切りをつけた。試合後、ともに戦ったライバル、日本代表を経験した同志、アドバイスを送る選手たち、後輩が駆けつけ、胴上げされた。
長く、たった1人で男子やり投を牽引。「今は80mを投げないと納得されないようになりました。どうしても一人では行き詰まってしまいますが、トップ選手たちが日本で勝つというより世界で戦うことを見据えて切磋琢磨して、仲良くじゃないけど、ぶつかり合ってくれれば世界に近づいて、次のステップに進む選手が出てくると思います。日本のやり投の選手ならそれができます」。その中で、「自分がやってきたことを伝えられる場があれば」と、惜しみなく経験を伝えていくつもりだ。
今後の試合について聞かれると「ちょっと興味があるのはマスターズ」と村上。「日本のやり投は世界と戦える」。それを体現してきたレジェンドの言葉を、後輩たちはしっかりと胸に刻んでいくことだろう。

|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
-
2025.07.18
-
2025.07.17
-
2025.07.17
-
2025.07.13
-
2025.07.05
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.07.18
富士北麓ワールドトライアル 100mに栁田大輝、桐生祥秀 ハードルに泉谷駿介、田中佑美がエントリー!
日本陸連は7月18日、日本グランプリシリーズの富士北麓ワールドトライアル2025のエントリーリストを発表した。 男子100mには日本選手権で優勝した桐生祥秀(日本生命)を筆頭に、関口裕太(早大)、小池祐貴(住友電工)、多 […]
2025.07.18
【世界陸上プレイバック】―13年モスクワ―棒高跳イシンバエワが地元で有終の美 福士加代子がマラソンで笑顔の銅メダル、桐生祥秀が世界デビュー
今年9月、陸上の世界選手権(世界陸上)が34年ぶりに東京・国立競技場で開催される。今回で20回目の節目を迎える世界陸上。日本で開催されるのは1991年の東京、2007年の大阪を含めて3回目で、これは同一国で最多だ。 これ […]
2025.07.18
100m栁田大輝60年ぶり“世界一”なるか!?落合晃、阿部竜希、柳井綾音らがドイツで勝負/ユニバ
学生世界一を決めるFISUワールドユニバーシティゲームズの陸上競技が7月21日から27日まで、ドイツのライン・ルールで行われる。若き日本代表の注目選手を紹介する。 男子100mには栁田大輝(東洋大)が出場する。自己記録は […]
2025.07.18
チェプンゲティチ暫定的資格停止!女子マラソン初2時間10分切り、3月のドーピング検査陽性
世界陸連の独立不正監査機関「アスリート・インテグリティー・ユニット」(AIU)は7月17日、女子マラソン世界記録(2時間9分56秒)保持者のルース・チェプンゲティチ(ケニア)に暫定的資格停止処分を科したことを発表した。 […]
Latest Issue
最新号

2025年8月号 (7月14日発売)
詳報!日本選手権
IH地区大会