HOME 東京五輪、日本代表、五輪
21歳・泉谷駿介110mH世界のファイナルへあと0.03秒「現実を受け入れられない」
21歳・泉谷駿介110mH世界のファイナルへあと0.03秒「現実を受け入れられない」


写真/時事
陸上競技6日目のモーニングセッション。男子110mハードル準決勝に泉谷駿介(順大)が臨んだ。目指すのは日本人初となる夢のファイナル。13秒06の日本記録を持つ泉谷にとっては夢ではなく現実に捉えられる位置にいた。

最終3組目。2着通過、もしくは3着以下の記録上位2名。2組目終了時点でそのラインは13秒32。難題ではなかった。

広告の下にコンテンツが続きます

泉谷は持ち味の加速で一気にスタートから飛び出した。だが、1台目でハードルに脚ぶつけてバランスを崩すと、いつものような爆発力が出せない。それどころか何度もハードルに脚をぶつけ、普通であれば転倒しそうなほど。それでも驚異的な踏み込みで耐えきり3着を死守した。

タイムは――13秒35(-0.1)。あとわずか0.03秒足りなかった。21歳の夏が幕を閉じた。

「現実を受け入れられないです」。何度も転倒しそうになりながら「最後まであきらめないように走った」。おそらく、あれだけバランスを崩して失速しながら13秒3台で走れる選手は世界中を探しても、ほとんどいないだろう。それでも、決勝に届かなかったのは事実。

これまで110mハードルでは、U20選手権ユニバーシアードで銅メダルを獲得するなど、国際大会でも強さを見せてきた。その泉谷でも、いつも通りの走りができないのがオリンピックなのか。

広告の下にコンテンツが続きます

「しっかり集中できていない部分があったかもしれません。こういう結果になって残念。すごく悔しいですけど、パリ五輪に向けてしっかり練習していきたい」

まだ21歳。泉谷であれば、この0.03秒を埋めるにそれほど時間はかからない。

写真/時事 陸上競技6日目のモーニングセッション。男子110mハードル準決勝に泉谷駿介(順大)が臨んだ。目指すのは日本人初となる夢のファイナル。13秒06の日本記録を持つ泉谷にとっては夢ではなく現実に捉えられる位置にいた。 最終3組目。2着通過、もしくは3着以下の記録上位2名。2組目終了時点でそのラインは13秒32。難題ではなかった。 泉谷は持ち味の加速で一気にスタートから飛び出した。だが、1台目でハードルに脚ぶつけてバランスを崩すと、いつものような爆発力が出せない。それどころか何度もハードルに脚をぶつけ、普通であれば転倒しそうなほど。それでも驚異的な踏み込みで耐えきり3着を死守した。 タイムは――13秒35(-0.1)。あとわずか0.03秒足りなかった。21歳の夏が幕を閉じた。 「現実を受け入れられないです」。何度も転倒しそうになりながら「最後まであきらめないように走った」。おそらく、あれだけバランスを崩して失速しながら13秒3台で走れる選手は世界中を探しても、ほとんどいないだろう。それでも、決勝に届かなかったのは事実。 これまで110mハードルでは、U20選手権ユニバーシアードで銅メダルを獲得するなど、国際大会でも強さを見せてきた。その泉谷でも、いつも通りの走りができないのがオリンピックなのか。 「しっかり集中できていない部分があったかもしれません。こういう結果になって残念。すごく悔しいですけど、パリ五輪に向けてしっかり練習していきたい」 まだ21歳。泉谷であれば、この0.03秒を埋めるにそれほど時間はかからない。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.12.23

箱根駅伝Stories/3度目の山で伝説を作る早大・工藤慎作 スピードに磨き「ストロングポイントとして活躍を」

新春の風物詩・第102回箱根駅伝に挑む選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。学生三大駅伝最終決戦に向かうそれぞれの歩みや思いを紹介する。 中学では当初卓球部を希望 「いよいよ始まるなっていうところで、純粋に […]

NEWS 箱根駅伝Stories/東京国際大・大村良紀「10区で展開を作っていく走りを」 集大成の舞台で全力を出し切る

2025.12.23

箱根駅伝Stories/東京国際大・大村良紀「10区で展開を作っていく走りを」 集大成の舞台で全力を出し切る

新春の風物詩・第102回箱根駅伝に挑む選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。学生三大駅伝最終決戦に向かうそれぞれの歩みや思いを紹介する。 競技を続けるきっかけは消去法 「大村良紀=10区」、という構図ができ […]

NEWS 箱根駅伝Stories/自信と屈辱を経てたくましく成長した中大・岡田開成 「自分がゲームチェンジャーになろう」

2025.12.23

箱根駅伝Stories/自信と屈辱を経てたくましく成長した中大・岡田開成 「自分がゲームチェンジャーになろう」

新春の風物詩・第102回箱根駅伝に挑む選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。学生三大駅伝最終決戦に向かうそれぞれの歩みや思いを紹介する。 武者修行で変わった“基準” 中大・岡田開成(2年)にとって第101回 […]

NEWS ニューイヤー駅伝「クマ対応」発表 桐生市内一部エリアに出没例 該当区間の中止も

2025.12.23

ニューイヤー駅伝「クマ対応」発表 桐生市内一部エリアに出没例 該当区間の中止も

一般社団法人日本実業団陸上競技連合は12月23日、第70回全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)の「クマ対応」について発表した。 同大会は群馬県庁スタート・フィニッシュで、前橋市、高崎市、伊勢崎氏、太田市、桐生市をめぐ […]

NEWS 短距離の竹田一平がスズキを退社「一生の宝物」今後も競技継続 中大2年時にU20代表

2025.12.23

短距離の竹田一平がスズキを退社「一生の宝物」今後も競技継続 中大2年時にU20代表

スズキは12月末をもって男子短距離の竹田一平が退社・退団すると発表した。 竹田は埼玉県出身の28歳。不動岡高時代は走幅跳や三段跳をメインにしていたが、中大から本格的にスプリントへ。大学2年だった2016年には10秒27を […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2026年1月号 (12月12日発売)

2026年1月号 (12月12日発売)

箱根駅伝観戦ガイド&全国高校駅伝総展望
大迫傑がマラソン日本新
箱根駅伝「5強」主将インタビュー
クイーンズ駅伝/福岡国際マラソン
〔新旧男子100m高校記録保持者〕桐生祥秀×清水空跳

page top