2021.06.25
◇日本選手権(6月24日~27日/大阪・ヤンマースタジアム長居)
東京五輪代表選考会となる第105回日本選手権の1日目。大きな注目を集めた男子100mで、9秒台スプリンターたちに負けず劣らず、衝撃を与えたのは高校生の栁田大輝(東農大二高3群馬)だった。
予選6組でサニブラウン・アブデル・ハキーム(タンブルウィードTC)に次ぐ10秒35(+0.5)の2着通過。準決勝では1組に入り、9秒95の山縣亮太(セイコー)とサニブラウという2人の9秒台と一緒の組に。「スタートから山縣さんが先行するのは想定していたので、力が入りすぎないように」と冷静だった栁田。「いいスタートが切れた」と山縣に食らいつき、なかなか差が開かない。それどころか、しっかり食らいつき、やや遅れたサニブラウンを明らかに先行していく。
山縣が10秒16(±0.0)で1着、そしてそれほど差がない状態で栁田が2番で入った。記録が出るまでもなく、“快記録”なのは明らか。アナウンスされたのは10秒22。高校歴代では10秒01の桐生祥秀(洛南高、現・日本生命)に次ぎ、サニブラウン(当時・城西高)の10秒22に並ぶ2位タイだった。
「まだ実感が湧かないです。ビックリしました」と栁田。タイムはもとよりサニブラウンに先着したことに驚き。だが、「順位(2着)は狙っていた」とも。目標だったファイナルを現実のものとした。高校生の2年連続100mファイナル進出は史上3人目(現行の学校制度)。昨年、8月に10秒27をマークし、決勝は7位。日本陸連ダイヤモンドアスリートにも選出されている。だが、中学時代に走幅跳で全中優勝、100m2位と、早くから注目されてきた逸材だ。
「久しぶりに楽しいレースができた」と会心の走りを振り返る。さすがに個人で東京五輪の代表になるためには10秒05の参加標準記録を突破が必須となるため現実的ではないだろう。だが、4×100mリレー代表入りとなれば不可能ではない。「準決勝以上の走りをしたい。準決勝でできたことを決勝でもできれば、結果はついてくると思います。決勝を走る方はオリンピックを狙ってくる。それに負けないように。あわよくば自分も……」。
男子で現役高校生オリンピアンになったのは、高校の偉大な先輩・不破弘樹(1984年ロサンゼルス五輪)ただ1人だ。東京五輪の選考レースで、未完の大器が錚々たる顔ぶれそろう男子100mで虎視眈々と“下克上”を狙っている。

RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.09.16
三浦龍司メダルまであと一歩の8位「悔しさ大きい」足首の痛み影響/東京世界陸上
2025.09.15
走幅跳・伊藤陸は7m68で全体27位 1、2回目ファウルで3回目に記録残す/東京世界陸上
-
2025.09.15
2025.09.12
前夜祭イベントでギネス“世界新” 寺田明日香が高速道路KK線でリレー参加/東京世界陸上
-
2025.09.11
-
2025.09.13
-
2025.09.14
2025.08.16
100mH・福部真子12秒73!!ついに東京世界選手権参加標準を突破/福井ナイトゲームズ
2025.08.27
アディダス アディゼロから2025年秋冬新色コレクションが登場!9月1日より順次販売
-
2025.08.19
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
Latest Issue
最新号

2025年10月号 (9月9日発売)
【別冊付録】東京2025世界陸上観戦ガイド
村竹ラシッド/桐生祥秀/中島佑気ジョセフ/中島ひとみ/瀬古優斗
【Coming EKIDEN Season 25-26】
学生長距離最新戦力分析/青学大/駒大/國學院大/中大/