HOME 特集

2021.04.30

キング&クイーンの座は誰の手に!? 3大会連続五輪狙う右代啓祐ら登場/日本GP混成競技
キング&クイーンの座は誰の手に!? 3大会連続五輪狙う右代啓祐ら登場/日本GP混成競技


サトウ食品グランプリシリーズのポイント対象大会である男子十種競技、女子七種競技が鹿児島県記録会と併催するかたちで5月2日、3日に鴨池陸上競技場で行われる。混成競技は試合数が限られているため、東京五輪出場を狙う選手たちにとっては重要な一戦となる。

男子十種競技には、長年この種目を牽引してきた“ツートップ”がそろう。12年ロンドン、16年リオと2大会連続五輪に出場している日本記録保持者・右代啓祐(国士舘クラブ)と、歴代2位の記録を持ち400mハードルでロンドン五輪、そして十種競技でリオ五輪に出場した中村明彦(スズキ)だ。

右代は2014年に8308点の日本記録を樹立。7月で35歳となるがその情熱は衰え知らず。投てき種目を中心に得点を稼ぎ、特に2日目を得意とする。昨年は円盤投ではここ5年で最も良い49m92を投げるなど、さらに技術を磨いている。8000点超えは16年を最後に届いていないが、「過去の自分超え」を目指す。

広告の下にコンテンツが続きます

一方の中村は昨年、3年ぶりに日本選手権で優勝。18年には中京大時代からの恩師が急逝し、ケガも相次いで苦しい時期も長かった。だが、昨年は棒高跳で5m00の自己新、今年に入り砲丸投でも自己タイなど盛り返してきた印象。持ち味のスピード種目、そして1500mの調子が戻れば、5年ぶりの8000点超えに近づく。

もう1人注目は丸山優真(住友電工)。日大を卒業し、社会人デビュー戦となる。八種競技で高校記録を出し、十種競技でU20日本新など、混成のホープとして期待が寄せられてきた丸山。だが、19年に胸椎椎間板ヘルニアを発症して1年以上試合から遠ざかった。だが、手術を回避して奇跡的に回復すると、昨年の日本インカレで復帰。今年はすでに110mハードル(室内)で14秒10をマークするなど、順調にこなしている。自己記録は18年の7752点だが、これを大幅に更新して“覚醒”する可能性は大いにある。

昨年の日本選手権で3位に入った田上駿(順大院)や片山和也(岡山陸協)、奥田啓祐(第一学院高教)らも上位をもくろむ。

女子七種競技は日本選手権3連覇中の山崎有紀(スズキ)が最有力。昨年は走幅跳で6m超えなど技術面も向上した。日本初の6000点、そして日本記録(5962点)の更新なるか。

競り合ってきたヘンプヒル恵(アトレ)は膝のケガで復帰へ向けてトレーニングに励んでいる最中。そのため、山崎を追う一番手は大玉華鈴(日体大)だろう。持ち味のパワーだけでなく、昨年はスピードも強化。勢いに乗れば一気に記録を伸ばしてもおかしくない。

東京五輪の参加標準記録は十種競技8350点、七種競技6420点と高い設定だが、ワールドランキングでの出場を狙うためにも、数少ないチャンスで好記録を出しておきたいところだ。

サトウ食品グランプリシリーズのポイント対象大会である男子十種競技、女子七種競技が鹿児島県記録会と併催するかたちで5月2日、3日に鴨池陸上競技場で行われる。混成競技は試合数が限られているため、東京五輪出場を狙う選手たちにとっては重要な一戦となる。 男子十種競技には、長年この種目を牽引してきた“ツートップ”がそろう。12年ロンドン、16年リオと2大会連続五輪に出場している日本記録保持者・右代啓祐(国士舘クラブ)と、歴代2位の記録を持ち400mハードルでロンドン五輪、そして十種競技でリオ五輪に出場した中村明彦(スズキ)だ。 右代は2014年に8308点の日本記録を樹立。7月で35歳となるがその情熱は衰え知らず。投てき種目を中心に得点を稼ぎ、特に2日目を得意とする。昨年は円盤投ではここ5年で最も良い49m92を投げるなど、さらに技術を磨いている。8000点超えは16年を最後に届いていないが、「過去の自分超え」を目指す。 一方の中村は昨年、3年ぶりに日本選手権で優勝。18年には中京大時代からの恩師が急逝し、ケガも相次いで苦しい時期も長かった。だが、昨年は棒高跳で5m00の自己新、今年に入り砲丸投でも自己タイなど盛り返してきた印象。持ち味のスピード種目、そして1500mの調子が戻れば、5年ぶりの8000点超えに近づく。 もう1人注目は丸山優真(住友電工)。日大を卒業し、社会人デビュー戦となる。八種競技で高校記録を出し、十種競技でU20日本新など、混成のホープとして期待が寄せられてきた丸山。だが、19年に胸椎椎間板ヘルニアを発症して1年以上試合から遠ざかった。だが、手術を回避して奇跡的に回復すると、昨年の日本インカレで復帰。今年はすでに110mハードル(室内)で14秒10をマークするなど、順調にこなしている。自己記録は18年の7752点だが、これを大幅に更新して“覚醒”する可能性は大いにある。 昨年の日本選手権で3位に入った田上駿(順大院)や片山和也(岡山陸協)、奥田啓祐(第一学院高教)らも上位をもくろむ。 女子七種競技は日本選手権3連覇中の山崎有紀(スズキ)が最有力。昨年は走幅跳で6m超えなど技術面も向上した。日本初の6000点、そして日本記録(5962点)の更新なるか。 競り合ってきたヘンプヒル恵(アトレ)は膝のケガで復帰へ向けてトレーニングに励んでいる最中。そのため、山崎を追う一番手は大玉華鈴(日体大)だろう。持ち味のパワーだけでなく、昨年はスピードも強化。勢いに乗れば一気に記録を伸ばしてもおかしくない。 東京五輪の参加標準記録は十種競技8350点、七種競技6420点と高い設定だが、ワールドランキングでの出場を狙うためにも、数少ないチャンスで好記録を出しておきたいところだ。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.11.13

ロス五輪のスケジュールが発表! 初日に女子100m決勝を実施 6日目午前に男子3000m障害決勝と女子やり投予選 フィナーレは男子マラソン

11月12日、2028年ロサンゼルス五輪の実行委員会は、全競技の実施日程を発表し、陸上競技についても各種目のラウンドスケジュールが明らかになった。 ロサンゼルス大会では、陸上競技を開幕週に実施することがすでに昨年の時点で […]

NEWS 月刊陸上競技2025年12月号

2025.11.12

月刊陸上競技2025年12月号

Contents EKIDEN REVIEW 全日本大学駅伝 駒大 最多V17! 王者の帰還。 追跡 藤田敦史監督が語る「勝つべくして勝った試合」 中大、青学大がトップスリー 学生駅伝Close-up 國學院大 出雲V2 […]

NEWS 日本陸連アスレティックスアワード 新人賞に古賀ジェレミー、清水空跳、坂ちはる、小林香菜の4人が選出

2025.11.12

日本陸連アスレティックスアワード 新人賞に古賀ジェレミー、清水空跳、坂ちはる、小林香菜の4人が選出

日本陸連は年間表彰式となるアスレティックス・アワード2025の受賞者一覧を発表した。 「2025年の活躍が顕著であり、将来が期待される競技者」に与えられる新人賞には日本陸連、東京運動記者クラブからそれぞれ男女1名ずつ、計 […]

NEWS 日本陸連アワード優秀選手賞に勝木隼人、藤井菜々子、村竹ラシッド、山西利和がノミネート!11/29にMVP発表

2025.11.12

日本陸連アワード優秀選手賞に勝木隼人、藤井菜々子、村竹ラシッド、山西利和がノミネート!11/29にMVP発表

日本陸連は年間表彰式となるアスレティックス・アワード2025の受賞者一覧を発表した。 「2025年において優秀な成績を収めた競技者」を表彰する優秀選手賞にノミネートしたのは、男子35km競歩の勝木隼人(自衛隊体育学校)、 […]

NEWS ホノルルマラソンに堀尾謙介、神野大地がエントリー ソウル五輪代表・浅井えり子さんも出場

2025.11.12

ホノルルマラソンに堀尾謙介、神野大地がエントリー ソウル五輪代表・浅井えり子さんも出場

11月12日、ホノルルマラソンの事務局は、12月14に日に開催される「JALホノルルマラソン2025」に堀尾謙介と神野大地(ともにM&Aベストパートナーズ)がエントリーしたことを発表した。 堀尾は22年の東京で […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年12月号 (11月14日発売)

2025年12月号 (11月14日発売)

EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選

Follow-up Tokyo 2025

page top