サトウ食品日本グランプリシリーズの織田記念、男子100mは山縣亮太(セイコー)が小池祐貴(住友電工)、桐生祥秀(日本生命)、多田修平(住友電工)らを抑えて優勝した。
地元・広島で久々の快走見せた山縣は3年ぶりのVに笑顔が弾けた。「予選、決勝と自分が思っている結果に近いものだったので安心しています」。雨の中だった予選は10秒29(+1.0)、そして決勝ではスタートから「自分のレースに持ち込む」強みを見せると、「中間からの加速も、このレースに限れば出せた。中盤は手応えがありました」と、10秒14(+0.1)で完勝した。10秒1台は2019年5月以来、約2年ぶり。2着の小池に0.12秒差をつけた。
その19年6月以降、肺気胸や度重なるケガに泣かされてきた山縣。だが、2012年ロンドン五輪、16年リオ五輪と100mで日本人最高記録をマークしてきた「オリンピック男」が、やはり東京五輪シーズンに調子を上げてきた。「ケガがあり、スピードを抑えることが多かった」が、この冬からシーズンインまで「全力を出す」とテーマに取り組んできた。
今年2月からは寺田明日香らを指導する高野大樹氏をコーチに迎えた。これまで特定のコーチを置かずに競技をしてきた山縣だが、「第三者の目を通すことで自分の走りを最短距離で完成させていく」と新たな試みをし、大きな効果をもたらしたといえる。
これまで何度も挫折と復活を繰り返した山縣。「ケガ、不調の原因を考え尽くしてきたことと、周囲のサポートがあった」からこそ、どんな逆境もはねのけてきた。「周りから見ても、調子を戻してきたなと思ってもらえるレース。自信がついたレースになった」と胸を張る。
東京五輪の参加標準記録は10秒05。現在、サニブラウン・アブデル・ハキーム(タンブルウィードTC)、桐生、小池が突破済み。出場枠は最大3名のため、参加標準記録突破は最低条件。「ここから身体も仕上がっていくと思うので、射程圏内に入っていると感じます」と、山縣は大きな手応えをつかんだ。
2位の小池は「前半の乗りが良くなかった。どこかでミスをしたらタイムが落ちる」とレースを振り返る。桐生は10秒30で3着。「まだスピード練習が足りていないので、次(5月9日のテストイベント)に向けて修正したい」。4位に多田が10秒32で続いた。
同大会では男女スプリントーハードルで金井大旺(ミズノ)、寺田明日香(ジャパンクリエイト)が日本記録を樹立したほか、女子やり投では佐藤友佳(ニコニコのり)が61m01のセカンドベストで優勝した。

男子やり投では小南拓人(染めQ)が最終投てきで日本歴代5位となる82m52を投げて、ディーン元気(ミズノ)を逆転して優勝。「練習から調子が良かった。最後は思いっ切り投げた」と言い、「次も確実に80mを超えられるようにしたい」と語った。
男子走幅跳は小田大樹(ヤマダホールディングス)が7m98(+2.4)で優勝。「試合の流れが良かった。走り込みで基礎体力も向上した。次につなげていきたい」とした。注目の橋岡優輝(富士通)は1、2回目とファウルが続いて3回目に7m97(+1.1)と記録を残したが、残り3回もファウル。日本記録(8m40)を大きく上回る跳躍を見せつつ、「助走は良かったが、ファウルはファウル。この負けでより自分が強くなれると思う」と総括した。
女子5000mは五輪代表に内定している田中希実(豊田自動織機TC)が15分11秒82で日本人トップの3位だった。女子100mは君嶋愛梨沙(土木管理総合)が11秒64(+0.9)の自己新で優勝。男子3000m障害はフィレモン・キプラガット(愛三工業)に続いて三浦龍司(順大)が8分25秒31で日本人トップ、女子3000m障害は吉村玲美(大東大)が9分51秒47で制した。
◇織田記念(4月29日/広島・エディオンスタジアム)
サトウ食品日本グランプリシリーズの織田記念、男子100mは山縣亮太(セイコー)が小池祐貴(住友電工)、桐生祥秀(日本生命)、多田修平(住友電工)らを抑えて優勝した。
地元・広島で久々の快走見せた山縣は3年ぶりのVに笑顔が弾けた。「予選、決勝と自分が思っている結果に近いものだったので安心しています」。雨の中だった予選は10秒29(+1.0)、そして決勝ではスタートから「自分のレースに持ち込む」強みを見せると、「中間からの加速も、このレースに限れば出せた。中盤は手応えがありました」と、10秒14(+0.1)で完勝した。10秒1台は2019年5月以来、約2年ぶり。2着の小池に0.12秒差をつけた。
その19年6月以降、肺気胸や度重なるケガに泣かされてきた山縣。だが、2012年ロンドン五輪、16年リオ五輪と100mで日本人最高記録をマークしてきた「オリンピック男」が、やはり東京五輪シーズンに調子を上げてきた。「ケガがあり、スピードを抑えることが多かった」が、この冬からシーズンインまで「全力を出す」とテーマに取り組んできた。
今年2月からは寺田明日香らを指導する高野大樹氏をコーチに迎えた。これまで特定のコーチを置かずに競技をしてきた山縣だが、「第三者の目を通すことで自分の走りを最短距離で完成させていく」と新たな試みをし、大きな効果をもたらしたといえる。
これまで何度も挫折と復活を繰り返した山縣。「ケガ、不調の原因を考え尽くしてきたことと、周囲のサポートがあった」からこそ、どんな逆境もはねのけてきた。「周りから見ても、調子を戻してきたなと思ってもらえるレース。自信がついたレースになった」と胸を張る。
東京五輪の参加標準記録は10秒05。現在、サニブラウン・アブデル・ハキーム(タンブルウィードTC)、桐生、小池が突破済み。出場枠は最大3名のため、参加標準記録突破は最低条件。「ここから身体も仕上がっていくと思うので、射程圏内に入っていると感じます」と、山縣は大きな手応えをつかんだ。
2位の小池は「前半の乗りが良くなかった。どこかでミスをしたらタイムが落ちる」とレースを振り返る。桐生は10秒30で3着。「まだスピード練習が足りていないので、次(5月9日のテストイベント)に向けて修正したい」。4位に多田が10秒32で続いた。
同大会では男女スプリントーハードルで金井大旺(ミズノ)、寺田明日香(ジャパンクリエイト)が日本記録を樹立したほか、女子やり投では佐藤友佳(ニコニコのり)が61m01のセカンドベストで優勝した。
男子やり投では小南拓人(染めQ)が最終投てきで日本歴代5位となる82m52を投げて、ディーン元気(ミズノ)を逆転して優勝。「練習から調子が良かった。最後は思いっ切り投げた」と言い、「次も確実に80mを超えられるようにしたい」と語った。
男子走幅跳は小田大樹(ヤマダホールディングス)が7m98(+2.4)で優勝。「試合の流れが良かった。走り込みで基礎体力も向上した。次につなげていきたい」とした。注目の橋岡優輝(富士通)は1、2回目とファウルが続いて3回目に7m97(+1.1)と記録を残したが、残り3回もファウル。日本記録(8m40)を大きく上回る跳躍を見せつつ、「助走は良かったが、ファウルはファウル。この負けでより自分が強くなれると思う」と総括した。
女子5000mは五輪代表に内定している田中希実(豊田自動織機TC)が15分11秒82で日本人トップの3位だった。女子100mは君嶋愛梨沙(土木管理総合)が11秒64(+0.9)の自己新で優勝。男子3000m障害はフィレモン・キプラガット(愛三工業)に続いて三浦龍司(順大)が8分25秒31で日本人トップ、女子3000m障害は吉村玲美(大東大)が9分51秒47で制した。 RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.12.06
マラソン・川内優輝が第二子誕生を報告!「ソワソワしていました」15回目防府読売前日に吉報
-
2025.12.06
-
2025.12.05
-
2025.12.05
-
2025.12.04
-
2025.12.01
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.12.06
マラソン・川内優輝が第二子誕生を報告!「ソワソワしていました」15回目防府読売前日に吉報
男子マラソンプロランナーの川内優輝(あいおいニッセイ同和損保)が12月6日に自身のSNSを更新し、第二子の誕生を報告した。 川内は17時前に投稿し「先ほど次男の夢翔が生まれました」と名前も明かした。元実業団ランナーでもあ […]
2025.12.06
高3・吉田彩心が1万m32分38秒74の高校歴代2位 11月下旬の5000mに続き、2週連続の快走/エディオンDC
◇エディオンディスタンスチャレンジin大阪2025(12月6日/ヤンマースタジアム長居) 長距離特化の記録会エディオンディスタンスチャレンジが行われ、女子10000m(C組)はカリバ・カロライン(日本郵政グループ)が30 […]
2025.12.06
田中希実3年8ヵ月ぶり10000m激走!日本歴代7位の30分54秒40に「驚いています」/エディオンDC
◇エディオンディスタンスチャレンジin大阪2025(12月6日/ヤンマースタジアム長居) 長距離特化の記録会エディオンディスタンスチャレンジが行われ、女子10000m(C組)はカリバ・カロライン(日本郵政グループ)が30 […]
2025.12.06
第一工科大が最終区での逆転で3年ぶり栄冠! 初V目指した鹿児島大は13秒差で涙/島原学生駅伝
12月6日、第43回九州学生駅伝が長崎県島原市の市営競技場をスタートし、島原文化会館にフィニッシュする7区間57.75kmのコースで行われ、第一工科大が3時間3分10秒で3年ぶり21回目の優勝を飾った。 第一工科大は1区 […]
2025.12.06
全日本入賞の福岡大が全区間トップで圧勝 九大5年連続2位 佐賀大は過去最高3位/九州学生女子駅伝
12月6日、第25回九州学生女子駅伝(5区間22.8km)が長崎県島原市で行われ、福岡大が1時間17分31秒で14回目の優勝を果たした。 10月の全日本大学女子駅伝で8位に入賞している福岡大は1区から他校を圧倒。前回に続 […]
Latest Issue
最新号
2025年12月号 (11月14日発売)
EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選
Follow-up Tokyo 2025