HOME 国内、大学

2021.03.17

順大・泉谷駿介が男子60mHで室内日本新V! アジア室内歴代2位の7秒50/日本選手権室内
順大・泉谷駿介が男子60mHで室内日本新V! アジア室内歴代2位の7秒50/日本選手権室内


◇日本選手権室内(3月17、18日/大阪城ホール)

男子60mハードルは予選で室内日本新(7秒56)を出していた泉谷駿介(順大)が、その記録をさらに0.06秒短縮する7秒50で優勝した。この記録は今季世界リスト4位、アジア歴代では2004年アテネ五輪金メダリストでもある劉翔(中国)の7秒41に次ぐ2位という快記録だ。

予選から快調なハードリングを見せていた泉谷。6レーンに入った決勝も、1台目までのアプローチを、昨年から取り組み始めた7歩でしっかりと合わせると、そのまま勢いに乗る。左に並ぶ石川、金井との競り合いから中盤で抜け出し、最後は身体一つの差をつけてフィニッシュラインを駆け抜けた。

「決勝は良ければ7秒4台を狙っていたけど、勝てたことが良かった。周りの人たちがまだ調整しきっていない部分もあると思うけど、このメンバーの中で勝てたことは自信になる。スタートを7歩に変えたことで、予選の前半は失敗しましたが、決勝でしっかりと取り返すことができた」

昨年は春先に左、コロナ禍で遅れたシーズンの開幕直後の8月には右のハムストリングスを肉離れ。10月の日本選手権にはなんとか間に合わせて3位を確保したが、ドーハ世界選手権代表入りを果たすなど大躍進を遂げた2019年ほどのインパクトは残せなかった。

しかし、冬季にケガをしたハムストリングスやお尻周りをしっかりと鍛え上げ、スプリントも着実に成長。しかも、その身体をうまくコントロールすることもできたという。スタートからのアプローチも、「スプリントがついてきて全体の出力も上がっている。今回うまくいったので、今シーズンはこのまま7歩でいきたいと考えている」と、この日の走りに大きな手応えを得たようだ。

ドーハでは直前のケガで立てなかった世界のスタートライン。東京五輪ではそこで、世界と戦うことを目指している。東京五輪の参加標準記録(13秒32)にはまだ届いていないが、自己ベストの13秒36を早い段階で更新してきそうな勢い。「五輪が開催されるならハードル一本に集中する。今回良いスタートが切れたので、ここからどんどん上げていけるように、がんばっていきたい。東京では決勝に残りたい」と力強く語る。

大学1年時にはU20世界選手権(U20規格)で銅メダルを獲得するなどハードラーとして活躍してきた一方、神奈川・武相高ではインターハイの八種競技で優勝、走幅跳は追い風参考で8mオーバー、三段跳のベストは16m08とその能力は多岐にわたる。

我慢を強いられた2020年を経て、爆発の予感が漂う大器。大学ラストイヤーに向けて、泉谷が最高のスタートを切った。

2位は前回王者・石川周平(富士通)で7秒57。「7秒5台を目標にしていたので、それを達成できて良かった」と振り返った。予選で泉谷とともに室内日本記録を樹立していた金井大旺(ミズノ)は7秒60で3位にとどまり、「決勝はスタートの1歩目でちょっと浮いてしまった。悔しさが残るレースでした」。屋外110mの日本記録(13秒25)保持者・高山峻野(ゼンリン)はフライングで失格となった。

◇日本選手権室内(3月17、18日/大阪城ホール) 男子60mハードルは予選で室内日本新(7秒56)を出していた泉谷駿介(順大)が、その記録をさらに0.06秒短縮する7秒50で優勝した。この記録は今季世界リスト4位、アジア歴代では2004年アテネ五輪金メダリストでもある劉翔(中国)の7秒41に次ぐ2位という快記録だ。 予選から快調なハードリングを見せていた泉谷。6レーンに入った決勝も、1台目までのアプローチを、昨年から取り組み始めた7歩でしっかりと合わせると、そのまま勢いに乗る。左に並ぶ石川、金井との競り合いから中盤で抜け出し、最後は身体一つの差をつけてフィニッシュラインを駆け抜けた。 「決勝は良ければ7秒4台を狙っていたけど、勝てたことが良かった。周りの人たちがまだ調整しきっていない部分もあると思うけど、このメンバーの中で勝てたことは自信になる。スタートを7歩に変えたことで、予選の前半は失敗しましたが、決勝でしっかりと取り返すことができた」 昨年は春先に左、コロナ禍で遅れたシーズンの開幕直後の8月には右のハムストリングスを肉離れ。10月の日本選手権にはなんとか間に合わせて3位を確保したが、ドーハ世界選手権代表入りを果たすなど大躍進を遂げた2019年ほどのインパクトは残せなかった。 しかし、冬季にケガをしたハムストリングスやお尻周りをしっかりと鍛え上げ、スプリントも着実に成長。しかも、その身体をうまくコントロールすることもできたという。スタートからのアプローチも、「スプリントがついてきて全体の出力も上がっている。今回うまくいったので、今シーズンはこのまま7歩でいきたいと考えている」と、この日の走りに大きな手応えを得たようだ。 ドーハでは直前のケガで立てなかった世界のスタートライン。東京五輪ではそこで、世界と戦うことを目指している。東京五輪の参加標準記録(13秒32)にはまだ届いていないが、自己ベストの13秒36を早い段階で更新してきそうな勢い。「五輪が開催されるならハードル一本に集中する。今回良いスタートが切れたので、ここからどんどん上げていけるように、がんばっていきたい。東京では決勝に残りたい」と力強く語る。 大学1年時にはU20世界選手権(U20規格)で銅メダルを獲得するなどハードラーとして活躍してきた一方、神奈川・武相高ではインターハイの八種競技で優勝、走幅跳は追い風参考で8mオーバー、三段跳のベストは16m08とその能力は多岐にわたる。 我慢を強いられた2020年を経て、爆発の予感が漂う大器。大学ラストイヤーに向けて、泉谷が最高のスタートを切った。 2位は前回王者・石川周平(富士通)で7秒57。「7秒5台を目標にしていたので、それを達成できて良かった」と振り返った。予選で泉谷とともに室内日本記録を樹立していた金井大旺(ミズノ)は7秒60で3位にとどまり、「決勝はスタートの1歩目でちょっと浮いてしまった。悔しさが残るレースでした」。屋外110mの日本記録(13秒25)保持者・高山峻野(ゼンリン)はフライングで失格となった。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.09.13

東京世界陸上まであと1年! 北口榛花はすでに代表内定 標準記録突破で出場に大きく前進

2025年の9月13日から21日までの9日間、東京で2度目となる世界選手権が国立競技場で行われる。開幕までいよいよ1年となり、8月にはタイムテーブルや参加標準記録、参加資格などが発表され、開催に向けた機運も高まりつつある […]

NEWS 女子800m久保凛 2分03秒25の大会新V 男子2年200mは安川飛翔が制す/近畿ユース

2024.09.13

女子800m久保凛 2分03秒25の大会新V 男子2年200mは安川飛翔が制す/近畿ユース

9月13日、第57回近畿高校ユース選手権の1日目が滋賀県彦根市の平和堂HATOスタジアムで行われ、2年女子800mは日本記録保持者の久保凛(東大阪大敬愛高)が2分03秒25の大会新記録で優勝した。 7月に1分59秒93の […]

NEWS 【東洋大学】 好調の要因はコンディショニングへの高い意識とトレーニングの継続 
PR

2024.09.13

【東洋大学】 好調の要因はコンディショニングへの高い意識とトレーニングの継続 

若手の成長で戦力充実、「出雲と全日本は表彰台、正月は総合優勝を!! 」 強豪校がひしめく学生長距離界で主役の座を奪還すべく、東洋大学は今季のスローガンを〝鉄紺の覚醒〟と掲げた。トラックシーズンはその思いを体現するように各 […]

NEWS TDKアスリートアンバサダー就任の鵜澤飛羽「19秒台へレベルアップした走りを目指したい」

2024.09.13

TDKアスリートアンバサダー就任の鵜澤飛羽「19秒台へレベルアップした走りを目指したい」

東京世界選手権開幕まであと1年となった9月13日、東京都は「東京2025世界陸上 1 Year To Go!」を東京・文京区の東京ドームシティ ラクーアガーデンで開催した。 イベント内で、世界陸上を1983年の第1回ヘル […]

NEWS TDKアスリートアンバサダーにパリ五輪200m代表・鵜澤飛羽が就任!アスリートビブスも発表「これをつけて走りたい」

2024.09.13

TDKアスリートアンバサダーにパリ五輪200m代表・鵜澤飛羽が就任!アスリートビブスも発表「これをつけて走りたい」

東京世界選手権開幕まであと1年となった9月13日、東京都は「東京2025世界陸上 1 Year To Go!」を東京・文京区の東京ドームシティ ラクーアガーデンで開催した。 イベント内で、世界陸上を1983年の第1回ヘル […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年10月号 (9月13日発売)

2024年10月号 (9月13日発売)

●Paris 2024 Review
●別冊付録/学生駅伝ガイド 2024 秋
●福井全中Review
●東京世界選手権まであと1年
●落合晃の挑戦

page top