◇第34回金栗記念(4月11日/熊本・えがお健康スタジアム)
日本グランプリシリーズ第1戦の金栗記念が行われ、タイムレースで行われたGP男子5000mでは、早大OBと現役生が躍動した。
最終第4組のレース前半は、塩尻和也(富士通)が縦長の集団の先頭を走り、そのすぐ後ろに山口智規(SGホールディングス)がつけ、増子陽太(早大1年)、鈴木琉胤(早大2年)と続いた。
入りの1000mが2分40秒、2000mが5分19秒とほぼイーブンペースで進むと、約2600mでレースが一気に動く。マル・イマニエル(トヨタ紡織)とケルビン・キプラガット(愛三工業)が集団を抜け出すと、山口が日本人でただ1人、この2人に食らいついた。
「余裕はありましたが、正直足が止まってしまうかなと思ってしまいました。でも、ここで勝負に行かないと、この先につながらないと思い、思い切ってついて行きました」
先頭争いが3人に絞られると、ラスト600mで再びレースが動いた。
「タイムをできるだけ狙いたかったのと、どこなら勝ち切れるかを逆算し、残り600mで行きました」
山口が満を持して先頭へ。しかし、「残り300mあたりから伸び切らなかった」と課題を口にするように最終盤に順位を落とし、4着でフィニッシュ。それでも、記録は13分16秒38と自己記録をわずかに更新してみせた。
「最低限、自己ベストを狙っていたので一つかたちになったのは良かったと思います。環境が変わった中で結果が出てホッとしました。ですが、1着と日本記録を頭に入れてレースをしていたので。入りの1000mがちょっと遅かったので、ラスト1000mでどこまで上げられるかと思ったんですけど、タフなレースになってしまいました」
社会人デビュー戦としては上々の結果だったが、大記録は持ち越しとなり、課題も見えた大会になった。
その後方で奮闘していたのが、早大の後輩にあたる“スーパールーキー”の呼び声高い増子と、今年の箱根駅伝で1年生にして4区区間賞を獲得した鈴木だ。
「(増子に)3連敗は阻止したかったので、大人気ないレースをしてしまいました」と鈴木が言うように、直近のレースでは増子に負け続きだった。
この日も終盤まで増子に先攻を許していたが、最終盤に逆転し組6着でフィニッシュし先輩としての意地を見せた。記録も自己ベストを更新して日本人学生歴代8位の13分20秒64、総合結果では7位に入賞した。
さらに、増子陽太も13分22秒87と好走。22年に佐藤圭汰(駒大、現・京都陸協)が樹立したU20日本記録(13分22秒91)を0.04秒塗り替えてみせた。
「13分25秒、あわよくば20秒を切れたらいいなと思っていたので、もちろんU20日本記録の13分22秒91も(更新できる可能性は)あると思っていました。記録を達成することができて、自分の自信にもなりました。まだまだこれから大会があるので、自分のU20の記録をどこまで伸ばせるか。頑張っていきたいなと思います」
新年度となり環境が変わった選手も多いなか、山口、鈴木、増子とシーズンイン早々に好走した。先輩2人には敗戦を喫したものの、増子にとって上々の臙脂デビュー戦となった。
3000m障害日本記録保持者の三浦龍司(SUBARU)は13分45秒10の組18着(総合36位)にとどまった。
文・写真/和田悟志
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