2025.11.16
全国高校駅伝の地区代表出場権を懸けた近畿高校駅伝は11月16日、奈良県宇陀市近畿高校駅伝特設コースで行われ、男子(7区間42.195km)は西脇工(兵庫)が2時間6分41秒で2連覇、女子(5区間21.0975km)は東大阪大敬愛(大阪)が1時間10分13秒で初優勝を果たした。
大阪府大会2位だった東大阪大敬愛は府県大会1位校を除いた最上位校に与えられる地区代表で3年連続3回目の全国大会出場が決定。男子は2時間6分55秒で2位の須磨学園(兵庫)が地区代表となり、3年連続10回目の都大路を決めている。
女子の東大阪大敬愛は800m日本記録保持者で東京世界選手権代表の久保凛(3年)を府大会と同様に2区(4.0975km)で起用。1区(6km)の長谷川結都(2年)が先頭の立命館宇治と13秒差の6位と好位置で久保につないだ。
「『どんな状況であっても絶対にチームに貢献する』『絶対に先頭でタスキを渡す』というところを意識しました」と久保は果敢に前を追い、先頭の立命館宇治(京都)を捉える。
追いつかれた立命館宇治の南村京伽(1年)も譲らず、終盤は2人の競り合いに。結果的に立命館宇治が同タイムで首位通過となり、久保は13分22秒で区間賞を獲得した。
「先頭ではなかったですけど、次の谷内(七海/3年)に良い形で渡すことができたので、良かったかなと思います」と振り返った久保。東大阪大敬愛は3区(3km)で先頭に立つと、3区間連続で区間2位の安定した継走で最後までトップを死守した。
「プラン通りでした」と選手の走りを評価した野口雅嗣監督。昨年も地区代表から都大路6位の成績を残しており、今年も上位進出が期待されている。
主将を務める久保は「良い流れになっていると思うので、全員でここから調子を上げて、優勝を目指して、全員でいきたいと思います」と全国に向けて意気込みを語った。
男子の西脇工は「今後のこともありますので」(永井宏明監督)と1年生の岸本周真を1区(10km)に起用。14位スタートとなり、5区終了時点でも6位だったが、6、7区に起用された双子の新妻兄弟が圧巻の走りを見せた。
主将を務める6区の弟・昂己(3年)は14分37秒と区間賞を獲得する走りで4位に浮上。区間2位とは42秒差をつける快走だった。
首位の須磨学園と1分03秒差で走り出した7区(5km)の兄・遼己(3年)は「優勝できたら良いと思っていたので、できるだけ前を追うという形で行きました」と積極的な走りを見せる。
4kmまでラップを計測していたという新妻遼は、最初の1kmを2分37秒で入ると、2分50秒、2分50秒、2分36秒とハイペースで推移。最終的には須磨学園も捉え、13分35秒と、従来の区間記録を43年ぶりに35秒更新する好タイムで駆け抜けた。
今大会はアップダウンが激しいコースで行われている。「あのコースで13分台は厳しいかなと思いましたが、想像以上の走りでした」と永井監督も舌を巻いた。
「下りをビビらずに行けば、タイムもついてくると思いました。本当は少し落とした方が良かったのかもしれませんが、前に須磨学園も見えたので、そのまま行きました」とターゲットの存在が好記録を生み出した。トラックでもインターハイと国民スポーツ大会少年Aの5000mを制している新妻遼。都大路でも快走が期待される。
須磨学園は3区(8.1075km)で主将の藤岡孝太郎(3年)が区間賞の走りで順位を3位から首位に押し上げると、4区(8.0875km)の梅田大陸(2年)、5区の梅本陸翔(3年)も区間賞の走りでリードを拡大。7区で西脇工に逆転を許したが、地区代表の座は死守した。
「一つはホッとしたというのもありますけど、その中で今回の駅伝で課題もあったと思うので、そのあたりはみんなで分析しながら、都大路に向けてしっかり準備していけたらと思っています」と語った藤岡。2年前は4位入賞を果たしている実力校が今年も都大路に乗り込む。
全国大会は12月21日、京都市のたけびしスタジアム京都を発着点に行われる。昨年同様、都道府県代表のほかに、男女ともに地区代表が出場する。
文/馬場遼
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