2025.10.05
◇滋賀国民スポーツ大会(10月3日~7日/滋賀・平和堂HATOスタジアム:彦根総合スポーツ公園陸上競技場) 3日目
滋賀国民スポーツ大会・陸上競技の3日目に行われた成年女子100mハードル。今季限りで第一線を退く寺田明日香(北海道・ジャパンクリエイト)へのサプライズが待っていた。
今回、この種目に出場してなかった日本記録保持者の福部真子(日本建設工業)、田中佑美(富士通)、中島ひとみ(長谷川体育施設)、青木益未(七十七銀行)が駆けつけ、寺田に抱きついた。
「全然知らなかった!」と寺田は目を真っ赤にした。
実は4人ともそれぞれが、寺田明日香の夫でマネージャーを務める佐藤峻一さんに個別に連絡し「観に行きますし、何かしたんです」と伝えたという。その意向をまとめ、「じゃあみんなで」と計画。滋賀陸協の協力もありレース後のセレモニーが実現した。
寺田が契約するアディダスが製作したTシャツのほか、それぞれが花束や思いを込めた手紙などを持参した。「サプライズがうまくいかどうかが気がかりでした」と田中は笑う。
「スタートの時点で寺田さんが涙目で、私たちも泣いていました。言葉に表せない。本当に偉大菜人でした」と中島は言う。「ご主人から『走れるかわからない』と聞いていましたが、しっかり決勝に残るのが明日香さんらしい」とさすがの勝負強さに感服していた。
一時は引退を考えた時に、一緒に練習をして考え方を学んだことが現役続行を決めた一つの要因だったのが福部。「まだ実感が湧かなくて、来年も一緒に招集所にいて、スタートラインの隣にいてくれるような…。でも、いなかったときに実感が湧くのかなって思います。何回も見てきた寺田さんのレースの中ですごく輝いて見えました。私もこんな最後を迎えたい」と涙を浮かべる。
寺田が12秒台に突入したことで、それに真っ先に続いたのが青木。今季ケガをしたが「最後に一緒に走りたかったから頑張ってこられました。結果的に走れませんでしたが、一緒に現役を過ごせて良かった。13秒の壁という高すぎると思っていたものをぶち破ってくれたお陰。感謝の気持ちでいっぱいです」と思いがあふれた。
今年の日本選手権のレース後には集合写真に収まる光景が注目を集めた。「気がついたらそういう雰囲気になっていて、思い返すと明日香さんが復帰してからだったように思います」と清山ちさと(いちご)は言い、「残っている私たちが思いを引き継いでいきたい」と語った。
寺田明日香が100mハードル界に残した財産は、かわいいかわいい後輩たちがしっかり継承していく。
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