◇滋賀国民スポーツ大会(10月3日~7日/滋賀・平和堂HATOスタジアム:彦根総合スポーツ公園陸上競技場) 3日目
滋賀国民スポーツ大会・陸上競技の3日目が行われ、成年男子110mハードルは阿部竜希(千葉・順大)が13秒26(+0.2)で優勝した。東京世界選手権で準決勝に進出した野本周成(愛媛・愛媛県競技力本部)らを抑えて見せた。
「気持ちが入って1台目で浮いてしまい、野本さんに行かれました」と先行を許す。だが、「自分の持ち味はスタートではありません。焦らず、自分のリズムで行けば差しきれると思っていました」。終盤で野本がややハードルに接触して減速したところ、持ち味の終盤で力強く抜け出した。13秒26は、東京世界選手権の参加標準記録(13秒27)を切るもので、それをシーズン最終盤に、雨の降る中で出して強さを見せた。
阿部自身、日本選手権前に参加標準記録を切った状態で選考レースを迎えたが、泉谷駿介(住友電工)、野本に続く3位。早期内定を得ていた村竹ラシッド(JAL)と上位2人が代表となり、阿部は届かなかった。
だが、ワールドユニバーシティゲームズで世界一になり、世界陸連コンチネンタルツアーも、シルバーとゴールドで優勝。記録面でも村竹が12秒92を出したレースで13秒12をマークしていた。
東京世界選手権を前に葛藤はあった。「家族と国立競技場に向かったのですが、駅には日本代表選手がたくさん掲示されていて、時間が経って傷が癒えると思っていたのですが、それを見て掘り返してしまったんです。日本選手権の悔しさがこみ上げて、1回帰ろうかな、と思いました」と複雑な胸の内だったことを明かした。それでも、「ここで逃げちゃダメ。海外選手を見る機会でもある」。山崎一彦先生からも「逃げずに観に行くことも大事なことだよ」と声をかけられたという。
「お世話になっているラシッドさんも応援しました。メダルを逃して悔しい部分もありつつ、まだ日本人初メダルを狙えるとも思えました。そこに向けて準備していきたい」
順大を卒業後も競技を続け、「気持ちは2年後の北京、ロサンゼルス五輪にシフトチェンジしています」と力を込めた。
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.10.05
増子陽太が5000m13分34秒84!今季日本人高校最高 /日体大長距離競技会
-
2025.10.05
-
2025.10.05
-
2025.10.02
-
2025.10.01
-
2025.09.11
-
2025.09.12
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.10.05
故・川越学氏の『お別れ会』開催 東京世界陸上銅メダリスト・藤井菜々子「最後のメダル争いで(天国から)背中を押してくれた」
8月22日に合宿先の北海道で急逝した長距離指導者・川越学氏の「お別れ会」が10月5日、東京都内で営まれ、実業団・学連の関係者、早大競走部時代の仲間など約300人が参列した。 式典では、出席できなかった早稲田アスレチックス […]
2025.10.05
増子陽太が5000m13分34秒84!今季日本人高校最高 /日体大長距離競技会
10月5日、神奈川県横浜市の慶大日吉陸上競技場で第323回日体大長距離競技会兼第17回NITTAIDAII Challenge Gamesが行われ、NCG男子5000mで増子陽太(学法石川高3福島)が13分34秒84で日 […]
Latest Issue
最新号

2025年10月号 (9月9日発売)
【別冊付録】東京2025世界陸上観戦ガイド
村竹ラシッド/桐生祥秀/中島佑気ジョセフ/中島ひとみ/瀬古優斗
【Coming EKIDEN Season 25-26】
学生長距離最新戦力分析/青学大/駒大/國學院大/中大/