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3000m障害で日本新・齋藤みう「今の力の最大限は出せた」 ハイペースも「余裕あった」/東京世界陸上
3000m障害で日本新・齋藤みう「今の力の最大限は出せた」 ハイペースも「余裕あった」/東京世界陸上

東京世界陸上女子3000m障害で日本新をマークした齋藤みう

◇東京世界陸上(9月13日~21日/国立競技場)3日目

東京世界陸上3日目のモーニングセッションが行われ、女子3000m障害予選に齋藤みう(パナソニック)が出場し、決勝進出が決まる5着以内には入れなかったものの、アジア歴代9位、17年ぶりの日本新記録となる9分24秒72をマークした。2008年に早狩実紀が作った従来の日本記録を9秒21も更新し、日本人女子初の9分20秒台に突入となった。

「何とか期待に応えたいという気持ちでした。練習はできていたので、自分の力が出せれば記録は出ると思っていましたが、9分25秒も切れるとは考えていませんでした。(日本記録を)約10秒更新できてすごくうれしいです」。齋藤はやや興奮気味に語り、「練習通りの結果が出て良かったです」と満足感にあふれた笑みを浮かべた。

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4位を占めた5月のアジア選手権で、日本歴代2位の9分38秒16をマーク。初めて挑む世界陸上は、「日本記録を更新しなければ完全に置いていかれると思っていたので、9分30秒は絶対に切りたい。最初から突っ込んで、後半は粘るようなレース展開にしていきたい」というプランを描いた。

予選通過を見据え、「全体がスローペースになるかもしれないとも考え、どの対応もできるように前半を飛ばし気味で先頭に立つようなイメージで走りました」と話す。

1000mを3分03秒78の7番手で通過。齋藤にとっては普段よりも速かったが、「ランニングハイだったのか、3分03秒で走っている感じはなかったです。記録が出る時はそういう気持ちになることが多いので、もしかしたら行けるかもしれないと感じました」と前向きに捉えた。

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6番手に上がった2000mでは「今までの中で一番余裕があった」と言い、「このまま行けば記録は更新できる」と思うとともに、「とにかく前に、前に」と自身に言い聞かせるように前を行く選手を追う。だが、終盤は20mほど前方にいた5番手のK.ミッチェル(米国)の背中は、届きそうでついに届かなかった。

決勝進出は果たせなかったが、斎藤がこのレースで得たものは果てしなく大きい。

「この国立という舞台で自分の今の力の最大限は出すことができました。出し切った上で、それだけ世界との差を目に見えて感じられたので、すごい貴重な経験になりました」

日本女子の3000m障害をぐっと前進させた齋藤の今後に注目だ。

文/小野哲史

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