2025.08.04
◇富士北麓ワールドトライアル2025(8月3日/山梨・富士北麓公園「富士山の銘水スタジアム」)
富士北麓ワールドトライアルが行われ、男子100m予選2組で桐生祥秀(日本生命)が自身2度目の9秒台、東京世界選手権の参加標準記録(10秒00)突破となる9秒99(+1.3)をマークした。
日本記録保持者・山縣亮太(セイコー)と同組となった桐生は、二次加速で一気に抜け出すと、その勢いを最後までつなげ、2017年以来8年ぶりの9秒台でフィニッシュ。7月の日本選手権では5年ぶりの優勝を飾っており、2019年ドーハ世界選手権以来の個人代表入りに大きく前進した。
「今は9秒台でないと世界と勝負できないし、最近は9秒8を出さないと(ファイナルに)いけない。その中で、9秒台を8年ぶりに出せたのは良かったです」
日本人初の9秒台スプリンターが見せた2度目の壁突破に、スタジアムは熱狂に包まれた。それが冷めやらぬ3組で、「自分も出したい」と気合を入れたのが守祐陽(大東大)だった。
後半に力強く抜け出すと、速報タイマーを「10秒01」で止めた。「00になってくれと祈っていました」と正式結果を待つ守に、朗報が届く。参加標準にピタリ到達する10秒00(+1.3)の発表に、再び会場がドッと沸いた。
5月の関東インカレ(2部)では追い風3.9mの参考記録ながら9秒97をマーク。それが自信になった面もあったが、重圧になったこともある。それを乗り越え、自己ベストを一気に0.13秒も塗り替え、初めての日本代表入りに一気に近づいた。「しっかりと準備して、挑戦したい」と守は力強く語った。
100m予選1組は、多田修平(住友電工)が1着。1週間前の広島インターハイで2位だった菅野翔唯(東農大二高2群馬)が同タイムの2着に食い込み、高校歴代5位タイの10秒22(+1.0)をマークした。なお、男子100m決勝は雷雨のため中止となったため、順位はつかない。
タイムレース決勝で行われた男子400mでは、最終3組を制した中島佑気ジョセフ(富士通)が自身初の44秒台となる日本歴代3位の44秒84でフィニッシュ。世界選手権参加標準記録(44秒85)を突破し、3大会連続の代表入りに大きく前進した。2位の佐藤風雅(ミズノ)も今季ベストの45秒16をマーク。日本記録保持者の佐藤拳太郎(富士通)は46秒71で4組7着だった。
好記録ラッシュはまだ終わらない。女子200m決勝では、日本選手権100m、200m2冠の井戸アビゲイル風果(東邦銀行)が22秒79(+1.0)を叩き出し、代表入りに大きく前進した。、福島千里が2016年に作った日本記録22秒88を9年ぶりに更新。世界選手権の開催国枠エントリー設定記録(22秒92)も突破し、初の世界大会出場が見えてきた。
男子200mは飯塚翔太(ミズノ)が20秒45(+1.2)でV。同400mハードルは東京五輪セミファイナリスト・山内大夢(東邦銀行)が4年ぶり自己新の48秒79で制した。
このほか、女子三段跳は船田茜里(ニコニコのり)が13m87(+0.4)の大ジャンプで快勝。日本歴代4位の自己ベスト(13m81)を3年ぶりに6cm更新した。女子400mは久保山晴菜(今村病院)が自己ベストに0.01秒と迫る53秒08の大会新で優勝している。
RECOMMENDED おすすめの記事
                Ranking 
                人気記事ランキング
            
        2025.11.02
青学大が苦戦の中で3位確保!作戦不発も「力がないチームではない」/全日本大学駅伝
- 
                            
2025.11.02
 - 
                            
2025.11.02
 
2025.10.18
【大会結果】第102回箱根駅伝予選会/個人成績(2025年10月18日)
- 
                            
2025.11.02
 - 
                            
2025.10.18
 
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
- 
                            
2022.05.18
 - 
                            
2023.04.01
 - 
                            
2022.12.20
 - 
                            
2023.06.17
 - 
                            
2022.12.27
 - 
                            
2021.12.28
 
Latest articles 最新の記事
2025.11.04
2026年ダイヤモンドリーグ 各大会の実施種目が決定!女子やり投はパリ、モナコ、ローザンヌなど6試合
11月4日、世界陸連は26年に開催されるダイヤモンドリーグ(DL)の各大会で実施する種目を発表した。 DLは世界最高峰の陸上シリーズとして年間15試合を開催。男女32種目が行われ、第1戦から第14戦まで各種目が4~8回実 […]
2025.11.04
アシックスが駅伝にリスペクトを込め、選手たちを鼓舞するランニングシューズコレクション「EKIDEN Pack」を発売
アシックスジャパンは、日本で100年以上の歴史をもつ駅伝にリスペクトを込め、選手たちを鼓舞するランニングシューズコレクション「EKIDEN Pack(エキデンパック)」9品番を、11月6日からアシックスオンライン、アシッ […]
2025.11.04
ロジスティード初制覇!前回優勝GMOが2位、初陣M&Aが初ニューイヤー、コニカミノルタら全日本復活3チーム/東日本実業団駅伝
◇第66回東日本実業団対抗駅伝(11月3日/埼玉・熊谷スポーツ文化公園競技場及び公園内特設周回コース:7区間74.6km) 第66回東日本実業団対抗駅伝が行われ、東日本枠「12」と第70回記念枠「1」(13位以下で最上位 […]
2025.11.04
“走る伝説”キプチョゲが第一線退く マラソン2時間切り、五輪2連覇 マラソン界の常識を変えた鉄人
11月2日、米国でニューヨークシティマラソンに出場したエリウド・キプチョゲ(ケニア)が、フィニッシュ後、今後はエリートレースには参加せず、新たなプロジェクト「エリウド・キプチョゲ・ワールドツアー」を始めることを発表した。 […]
                Latest Issue 
                最新号
            
        
            2025年11月号 (10月14日発売)
東京世界選手権 総特集
箱根駅伝予選会&全日本大学駅伝展望