HOME 国内、世界陸上、日本代表
競歩2種目代表の丸尾知司「感謝の気持ちを込めて55kmを」33歳ベテランが悲願のメダルへ
競歩2種目代表の丸尾知司「感謝の気持ちを込めて55kmを」33歳ベテランが悲願のメダルへ

丸尾知司(25年日本選手権)

愛知製鋼が6月19日、東京世界選手権の競歩代表となった山西利和、丸尾知司の会見を開き、本番への意気込みを語った。

男子20km、35kmの競歩2種目で代表に内定した丸尾。2種目代表は2009年ベルリン大会の森岡紘一朗(富士通)以来となる。

世界選手権には17年ロンドン、23年ブダペストに続いて3度目。いずれもロング(50km、35km)だったため、20kmは初となる。「記憶に残っているのはロンドン。4位になれて最高の思い出」と語る。

33歳にして成長した姿を見せたのが2月の日本選手権20km。これまでの自己記録(1時間19分06秒)を大幅に更新する日本歴代3位タイ、世界歴代10位タイの1時間17分24秒をマークして2位に入った。

昨年、パリ五輪を逃したあとにペルセウス・カールストレーム(スウェーデン)やエヴァン・ダンフィー(カナダ)らとトレーニング。「これまで長い距離をやる練習が多かった」が、「速く歩くというのは一緒」だという言葉に原点に戻り、「一度、ロングは忘れて20kmの選手がやっているような練習をして、まっすぐ逃げに立ち向かった」。その結果が20kmで見せた進化だった。

もちろん、“本職”と据えるのが35km。大会初日に行われ、現在は世界リスト5位につけている。「目指すのはメダル。色は選びませんが、より良い色なら。35kmのほうが可能性が高いと思っています」と話し、「25km以降に変化があるので、前半でレースが動くところを処理しながら、どこで仕掛けるのかハッキリさせておきたい」と作戦を練っていく。

広告の下にコンテンツが続きます

もちろん、世界最高レベルの選手層を誇る20kmで代表権を得たこともあり、「出たかった選手がたくさんいるので、彼らが納得いく歩きをしたい」と35kmから6日後に控える20kmでの意気込みを語る。

本番までの「ここからの3ヵ月が非常に重要になる」と丸尾。6月中旬から1ヵ月ほどスウェーデンで合宿し、札幌でのトレーニングを経て、「暑熱対策のために少し早めに東京に入って調整する」とした。

「この3ヵ月で土台を築いて、試合までの1ヵ月で体調を崩さずクリアしていけば結果が出る」と自信を深めている。20kmにシフトして結果が出たが、「国内選考を勝ち抜くのと世界大会とは違う」と、世界選手権仕様で仕上げていく構えだ。

「歩きを通して、今まで応援してくださった方々に感謝を届けたい。東京で2回もお見せできるのはうれしいこと。感謝の気持ちを込めて合計55km駆け抜けたい」

ベテランとなってつかんだメダルへの最大のチャンス。豊富な経験と持ち味の粘りで悲願のメダルをつかみ取りにいく。

愛知製鋼が6月19日、東京世界選手権の競歩代表となった山西利和、丸尾知司の会見を開き、本番への意気込みを語った。 男子20km、35kmの競歩2種目で代表に内定した丸尾。2種目代表は2009年ベルリン大会の森岡紘一朗(富士通)以来となる。 世界選手権には17年ロンドン、23年ブダペストに続いて3度目。いずれもロング(50km、35km)だったため、20kmは初となる。「記憶に残っているのはロンドン。4位になれて最高の思い出」と語る。 33歳にして成長した姿を見せたのが2月の日本選手権20km。これまでの自己記録(1時間19分06秒)を大幅に更新する日本歴代3位タイ、世界歴代10位タイの1時間17分24秒をマークして2位に入った。 昨年、パリ五輪を逃したあとにペルセウス・カールストレーム(スウェーデン)やエヴァン・ダンフィー(カナダ)らとトレーニング。「これまで長い距離をやる練習が多かった」が、「速く歩くというのは一緒」だという言葉に原点に戻り、「一度、ロングは忘れて20kmの選手がやっているような練習をして、まっすぐ逃げに立ち向かった」。その結果が20kmで見せた進化だった。 もちろん、“本職”と据えるのが35km。大会初日に行われ、現在は世界リスト5位につけている。「目指すのはメダル。色は選びませんが、より良い色なら。35kmのほうが可能性が高いと思っています」と話し、「25km以降に変化があるので、前半でレースが動くところを処理しながら、どこで仕掛けるのかハッキリさせておきたい」と作戦を練っていく。 もちろん、世界最高レベルの選手層を誇る20kmで代表権を得たこともあり、「出たかった選手がたくさんいるので、彼らが納得いく歩きをしたい」と35kmから6日後に控える20kmでの意気込みを語る。 本番までの「ここからの3ヵ月が非常に重要になる」と丸尾。6月中旬から1ヵ月ほどスウェーデンで合宿し、札幌でのトレーニングを経て、「暑熱対策のために少し早めに東京に入って調整する」とした。 「この3ヵ月で土台を築いて、試合までの1ヵ月で体調を崩さずクリアしていけば結果が出る」と自信を深めている。20kmにシフトして結果が出たが、「国内選考を勝ち抜くのと世界大会とは違う」と、世界選手権仕様で仕上げていく構えだ。 「歩きを通して、今まで応援してくださった方々に感謝を届けたい。東京で2回もお見せできるのはうれしいこと。感謝の気持ちを込めて合計55km駆け抜けたい」 ベテランとなってつかんだメダルへの最大のチャンス。豊富な経験と持ち味の粘りで悲願のメダルをつかみ取りにいく。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.08.05

砲丸投・大野史佳がてんじくに就職 インハイ連覇、日本インカレ4度優勝

トップアスリート就職ナビゲーション「アスナビ」は、8月1日付けで女子砲丸投の大野史佳(筑波大院修了)が、てんじく株式会社に就職したと発表した。 大野は埼玉県出身で、原市場中時代に全中&ジュニア五輪で優勝。強豪・ […]

NEWS しまむら陸上競技部の愛称が決定!「親しんでいただけるチーム目指し」

2025.08.05

しまむら陸上競技部の愛称が決定!「親しんでいただけるチーム目指し」

しまむら陸上競技部は8月4日、チームの愛称を「しま陸」としたと発表した。 同社は「ファッションセンターしまむら」など総合衣料品店を構え、陸上競技部は2003年9月に創部。女子長距離のメンバー構成で埼玉県鴻巣市を拠点に活動 […]

NEWS 棒高跳カラリスが歴代4位の6m08! 砲丸投・ファッブリは22m82の今季世界最高 各地の国内選手権で好記録

2025.08.04

棒高跳カラリスが歴代4位の6m08! 砲丸投・ファッブリは22m82の今季世界最高 各地の国内選手権で好記録

7月末から8月初旬にかけて世界各国で国内選手権が行われた。 8月2日、3日に行われたギリシャ選手権では、男子棒高跳のE.カラリスが世界歴代4位の6m08で優勝した。カラリスはパリ五輪銅メダリストの25歳。今年の世界室内選 […]

NEWS ライルズ 200mで今季世界最高の19秒63!! 110mHは新鋭・サープが13秒01でV/全米選手権

2025.08.04

ライルズ 200mで今季世界最高の19秒63!! 110mHは新鋭・サープが13秒01でV/全米選手権

◇2025全米選手権(7/31~8/3、ユージン)4日目 8月3日、全米選手権の最終日が行われ、男子200mは世界選手権3連覇中のN.ライルズが今季世界最高の19秒63(+0.2)で制した。 今大会、100mの準決勝を棄 […]

NEWS 福田翔大がサードベストの73m14で快勝! 男子100m井上直紀、関口裕太の早大コンビがワン・ツ―/WAコンチネンタルツアー

2025.08.04

福田翔大がサードベストの73m14で快勝! 男子100m井上直紀、関口裕太の早大コンビがワン・ツ―/WAコンチネンタルツアー

8月2日、3日にカザフスタン・アルマトイで世界陸連(WA)コンチネンタルツアー・ブロンズのコサノフ記念が行われ、男子ハンマー投では福田翔大(住友電工)が自己3番目となる73m14で優勝を飾った。 7月の日本選手権で74m […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年8月号 (7月14日発売)

2025年8月号 (7月14日発売)

詳報!日本選手権
IH地区大会

page top