2025.04.30
女子短距離で数々のトップ選手を育成した北海道ハイテクアスリートクラブ前監督の中村宏之氏が4月29日に逝去した。享年79。
中村氏は1945年6月9日生まれ。北海道・札幌東高,日体大で三段跳、走幅跳選手として活躍し、卒業後に教員の道へ。競技を続けながら中標津高陸上競技部の指導に携わり、1973年に恵庭北高へ赴任。両校ともにグラウンド作りからスタートする環境だったが、その中から全国区の選手を輩出していく。
インターハイでは78年に走高跳で6位に入ると、その後は継続して入賞者を出していく。1993年には高校3年生の伊藤佳奈恵が100mで11秒62の当時日本記録を樹立する快挙を成し遂げた。
2003年には北風沙織(現・北海道ハイテクAC監督)が伊藤以来のインターハイ100m優勝を果たし、05年から07年には寺田明日香(現・ジャパンクリエイト)が100mハードルでインターハイ3連覇の偉業を達成。寺田は3年時に100m、4×100mリレーを含む3冠に輝いた。
定年退職後は恵庭北高女子監督を務めながら、北海道ハイテクノロジー専門学校顧問、北海道ハイテクAC代表として、直線130mの室内練習場(インドア・スタジアム)を拠点とした短距離のメッカを構築。そこから、女子100m、200mで福島千里(現・順大コーチ)が世界へと飛び立っている。近年でも女子100m日本選手権Vの御家瀬緑(現・住友電工)らを指導した。
1990年代まではウエイトトレーニングを重視し、2000年代に入ってからはフレキシブルハードルやマーク走、体幹の強化などスピードを徹底して追求と、時代や選手に合わせて指導を変化させながら、日本の女子短距離を一気に世界へと近づけた名伯楽。日本陸連女子短距離強化にも携わるなど、その功績は計り知れない。
織田記念のレース後に訃報を聞いた寺田は「覚悟はしていました」と話し、「何度か会いに行けていたので良かったです」。予選で12秒99と、今季のハードル初戦で日本人初の12秒ハードラーとしての実力を発揮。だが、決勝は6位にとどまったことに、「決勝があれじゃダメだぞって怒られちゃいます」と中村氏を思い出すように振り返った。
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.08.21
ハンマー投・中川達斗が70m08で金メダル!村上来花が銀メダル獲得/アジア投てき選手権
2025.08.21
ダイヤモンドリーグ・ブリュッセルに田中希実と真野友博がエントリー!
-
2025.08.21
-
2025.08.21
-
2025.08.21
2025.08.16
100mH・福部真子12秒73!!ついに東京世界選手権参加標準を突破/福井ナイトゲームズ
-
2025.08.19
2025.08.16
100mH・福部真子12秒73!!ついに東京世界選手権参加標準を突破/福井ナイトゲームズ
-
2025.07.24
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.08.21
ハンマー投・中川達斗が70m08で金メダル!村上来花が銀メダル獲得/アジア投てき選手権
◇アジア投てき選手権(8月21、22日/韓国・木甫) アジア投てき選手権の初日が行われ、男子ハンマー投で中川達斗(サトウ食品新潟アルビレックスRC)が70m08で金メダルを獲得した。 中川は2回目に優勝記録を投げると、そ […]
2025.08.21
ダイヤモンドリーグ・ブリュッセルに田中希実と真野友博がエントリー!
世界最高峰シリーズのダイヤモンドリーグ(DL)第14戦、レギュラーシリーズの最終戦となるブリュッセル大会(ベルギー)のエントリー選手が発表されている。 女子5000mに日本記録保持者の田中希実(New Balance)が […]
2025.08.21
【高校生FOCUS】男子400m・小澤耀平(城西高)広島インターハイを制覇!次に狙うはタイムで“師匠超え”
FOCUS! 高校生INTERVIEW 小澤耀平 Ozawa Yohei 城西3東京 広島インターハイからまもなく1ヵ月。男子400mを高校歴代8位タイの46秒38で制した小澤耀平選手(城西3東京)にフォーカスします。今 […]
2025.08.21
【世界陸上プレイバック】―19年ドーハ―走高跳・バルシムが地元V 日本が男子競歩2種目で金独占 4継はアジア新で銅メダル
今年9月、陸上の世界選手権(世界陸上)が34年ぶりに東京・国立競技場で開催される。今回で20回目の節目を迎える世界陸上。日本で開催されるのは1991年の東京、2007年の大阪を含めて3回目で、これは同一国で最多だ。 これ […]
2025.08.21
【大会結果】アジア投てき選手権(2025年8月21日~22日)
【大会結果】アジア投てき選手権(2025年8月21日~22日/韓国・木浦) 男子 砲丸投 金 張浩辰(中国) 19m84 銀 邢家梁(中国) 19m76 銅 I.イワノワ(カザフスタン) 18m58 円盤投 金 呉南軍( […]
Latest Issue
最新号

2025年9月号 (8月12日発売)
衝撃の5日間
広島インターハイ特集!
桐生祥秀 9秒99