HOME 国内、日本代表

2024.07.20

100mH福部真子 世界に一歩近づく12秒69の日本新!!パリ五輪で「ベストパフォーマンスを」/実業団学生対抗
100mH福部真子 世界に一歩近づく12秒69の日本新!!パリ五輪で「ベストパフォーマンスを」/実業団学生対抗

24年実業団・学生対抗で日本新をマークした福部真子

◇秩父宮賜杯第64回実業団・学生対抗(7月20日/神奈川・レモンガススタジアム平塚)

日本グランプリシリーズG2の実業団・学生対抗が行われ、女子100mハードルは福部真子(日本建設工業)が12秒69(+1.2)をマークして優勝。自身が22年に出した日本記録を0.04秒塗り替える日本新。パリ五輪に向けて大きな弾みをつけた。

速報タイマーは12秒70で止まり、「3度見しました」。正式に12秒69と表示され、さらに驚きの表情を見せる。「ものすごくうれしかったですが、世界を見た時に……」と、常に見据えているのは世界だった。

広告の下にコンテンツが続きます

スタートから飛び出したように見えたが、自身の感覚としてはそれほど良いものではなかった様子。日本選手権後は疲労もあり「2週間ほどは状態が優れなかった」。その中で、「練習でもスタートから3台目の部分が何度やってもタイムが上がってこなくて結構落ち込んでいました」と言う。

ただ、それ以外は「自信を持てていた」。坂道を下るようなハードリングだった2年前の日本記録樹立時とは違い、「毎回、ハードルを跳んでいる」感覚だったというが、中盤以降は圧巻のスピードを披露。「余裕度があって、目で捉えられるようになってきた」と、持ち味を存分に発揮して大記録へとつなげ、「12秒7台をもう一度出したかった狙いの中で12秒6台。やっと地力がついてきたかな」と笑顔を見せる。

日本記録を出して以降、気持ちが「追いついていなかったところがありました」。あれだけ苦しんだインターハイ3連覇の称号よりも、『日本記録保持者』は重かった。ただ、「紆余曲折を経て、努力しながら、いろんな経験をして選手としても人間としても、もちろん技術的にも」成長でき、「あの時に逃げずに、いろんな試合に出続けたからこそ得たものがあります」。

世界のレベルは年々上がり「ファイナルとは言いたいところですが、決勝ラインのタイムがはるかに想像していたよりも上がっている」。広島に帰り、競技を続けると決めてから、ずっと思い描いていたパリ五輪。「まずは一つひとつのラウンドで、自分のベストパフォーマンスを出して突破していきたい」。

栄光をつかんだ過去も、苦しんだ過去も、どんな失敗も自分の糧として成長してきた天才ハードラーが、満を持してパリへと向かう。

◇秩父宮賜杯第64回実業団・学生対抗(7月20日/神奈川・レモンガススタジアム平塚) 日本グランプリシリーズG2の実業団・学生対抗が行われ、女子100mハードルは福部真子(日本建設工業)が12秒69(+1.2)をマークして優勝。自身が22年に出した日本記録を0.04秒塗り替える日本新。パリ五輪に向けて大きな弾みをつけた。 速報タイマーは12秒70で止まり、「3度見しました」。正式に12秒69と表示され、さらに驚きの表情を見せる。「ものすごくうれしかったですが、世界を見た時に……」と、常に見据えているのは世界だった。 スタートから飛び出したように見えたが、自身の感覚としてはそれほど良いものではなかった様子。日本選手権後は疲労もあり「2週間ほどは状態が優れなかった」。その中で、「練習でもスタートから3台目の部分が何度やってもタイムが上がってこなくて結構落ち込んでいました」と言う。 ただ、それ以外は「自信を持てていた」。坂道を下るようなハードリングだった2年前の日本記録樹立時とは違い、「毎回、ハードルを跳んでいる」感覚だったというが、中盤以降は圧巻のスピードを披露。「余裕度があって、目で捉えられるようになってきた」と、持ち味を存分に発揮して大記録へとつなげ、「12秒7台をもう一度出したかった狙いの中で12秒6台。やっと地力がついてきたかな」と笑顔を見せる。 日本記録を出して以降、気持ちが「追いついていなかったところがありました」。あれだけ苦しんだインターハイ3連覇の称号よりも、『日本記録保持者』は重かった。ただ、「紆余曲折を経て、努力しながら、いろんな経験をして選手としても人間としても、もちろん技術的にも」成長でき、「あの時に逃げずに、いろんな試合に出続けたからこそ得たものがあります」。 世界のレベルは年々上がり「ファイナルとは言いたいところですが、決勝ラインのタイムがはるかに想像していたよりも上がっている」。広島に帰り、競技を続けると決めてから、ずっと思い描いていたパリ五輪。「まずは一つひとつのラウンドで、自分のベストパフォーマンスを出して突破していきたい」。 栄光をつかんだ過去も、苦しんだ過去も、どんな失敗も自分の糧として成長してきた天才ハードラーが、満を持してパリへと向かう。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.11.16

熊橋弘将が2時間11分45秒で日本勢最高 女子は初マラソンの酒井心希が3位 MGC出場権獲得ならず/神戸マラソン

神戸マラソン2025が11月16日、兵庫・神戸市役所前をスタートし、明石市大蔵海岸付近を折り返して、神戸ハーバーランド(神戸ガス燈通り)をフィニッシュとする42.195kmで行われ、男子はエリシャ・ロティッチ(ケニア)が […]

NEWS 國學院大のルーキー・野田顕臣がU20日本最高1時間1分29秒!「自分ができるところまでアピールを」/上尾ハーフ

2025.11.16

國學院大のルーキー・野田顕臣がU20日本最高1時間1分29秒!「自分ができるところまでアピールを」/上尾ハーフ

第38回上尾シティハーフマラソンは11月16日、埼玉県上尾市内で行われ、大学生男子の部は青木瑠郁(國學院大)が1時間0分45秒の日本人学生歴代10位タイの好記録で優勝した。國學院大のルーキー・野田顕臣がU20日本最高記録 […]

NEWS 駒大・桑田駿介は積極レースで2位 伊勢路出走なく「箱根ではチームの役に立つ走りを」/上尾ハーフ

2025.11.16

駒大・桑田駿介は積極レースで2位 伊勢路出走なく「箱根ではチームの役に立つ走りを」/上尾ハーフ

第38回上尾シティハーフマラソンは11月16日、埼玉県上尾市内で行われ、大学生男子の部は青木瑠郁(國學院大)が1時間0分45秒の日本人学生歴代10位タイの好記録で優勝した。桑田駿介(駒大)が3秒差の2位に入った。 強い覚 […]

NEWS 國學院大・青木瑠郁が1時間0分45秒で競り勝つ! 流れを戻すために「勝てたことが大きかった」/上尾ハーフ

2025.11.16

國學院大・青木瑠郁が1時間0分45秒で競り勝つ! 流れを戻すために「勝てたことが大きかった」/上尾ハーフ

第38回上尾シティハーフマラソンは11月16日、埼玉県上尾市内で行われ、大学生男子の部は青木瑠郁(國學院大)が1時間0分45秒の日本人学生歴代10位タイの好記録で優勝した。 風がなく、気温が上がり切る前にスタートしたレー […]

NEWS 【男子ハンマー投】アツオビン・アンドリュウ(九州共立大1)70m04=U20歴代5位

2025.11.16

【男子ハンマー投】アツオビン・アンドリュウ(九州共立大1)70m04=U20歴代5位

11月15日、九州共立大学陸上競技場で第1回九州共立大投てき競技会が行われ、U20規格(6kg)で実施された男子ハンマー投において、アツオビン・アンドリュウ(九州共立大1)が70m04のU20歴代5位の記録をマークした。 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年12月号 (11月14日発売)

2025年12月号 (11月14日発売)

EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選

Follow-up Tokyo 2025

page top