2024.06.28
◇第108回日本選手権(6月27日~30日/新潟・デンカビッグスワンスタジアム)1日目
第108回日本選手権の1日目が行われ、最終種目となった男子3000m障害は、東京五輪代表で、昨年のブタペスト世界選手権で決勝に進んでいる青木涼真(Honda)が柴田大地(中大)、新家裕太郎(愛三工業)との三つ巴の激戦を制し、8分24秒68で日本選手権初優勝に輝いた。
レースは新家が積極的に引っ張り、1000mを2分52秒、2000mを5分42秒で通過。この時点で先頭集団は新家、柴田、青木の3人に絞られることに。残り300mを切ったバックストレートで満を持して前に出た青木がそのまま粘る2人を振り切った。
「今回は三浦君(龍司・SUBARU)がいなかったので、鬼の居ぬまにという感じでしたが、優勝できてホッとしています。今回は、調子が上がらず不安を抱えたままスタートラインに立つことになりましたが、2人が引っ張ってくれたお陰でいいレースができた」と安堵の表情を浮かべた。
これで2大会連続の五輪となるパリ行きの切符をを大きく引き寄せた青木。昨年のブタペスト世界選手権で決勝に進んだものの「14位と不甲斐ないレースになったことを踏まえ、パリ五輪に向け、スタミナ、スピード、技術面をワンランクパワーアップしてきました」
2月のボストンの室内で3分54秒84の1マイルの日本記録をマーク。「スピード値は確実に上がっていると思うので、スタミナ、ハードリングなどの技術面をさらに磨き、パリではこれまでの経験を生かし悔いのないレースをしたい」と意気込みを話す。
持ちタイムでもギリギリの出場だった柴田がベストを20秒近く更新する8分24秒68の日本歴代8位、学生歴代2位で2位と健闘、3位の新家も8分25秒45の日本歴代9位という好タイムだった。
大会初日、男子はこの3000m障害をはじめ三段跳、ハンマー投の3種目の決勝が行われ、三段跳は、6回目に日本歴代12位、学生歴6位16m70(+0.4)を跳んだ安立雄斗(福岡大院)が初優勝。ハンマー投は2投目に72m71の日本歴代6位を放った中川達斗(サトウ食品新潟アルビレックスRC)が“地元”で初の頂点に立った。
女子は3000m障害、走高跳、ハンマー投が行われ、3000m障害は吉村玲美(クレーマー・ジャパンTC)が9分45秒77で2年連続3度目のV、走高跳は髙橋渚(センコー)が1m87で3連覇を達成、ハンマー投はマッカーサー・ジョイ・アイリス(所属なし)が65m66で2連覇を果たした。
男子400mハードル予選では、豊田兼(慶大)が48秒62でパリ五輪参加標準を3度目の突破。翌日の決勝で優勝すれば代表に内定する。
注目の男子200mは、ロンドン、リオ、東京に続く4大会連続の五輪出場を目指す飯塚翔太(ミズノ)、鵜澤飛羽(筑波大)はそれぞれ予選で20秒46(+0.6)、20秒57(+0.7)をマークし組1位で28日の決勝へと駒を進めた。
2日目は11種目で決勝。女子円盤投でスタートし、同やり投には世界女王の北口榛花(JAL)が出場する。男子200m、女子100m、男子400mハードル、女子400m、男女1500m、女子棒高跳、三段跳などが行われる。
※一部記事を修正しました。
文/花木雫
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
-
2025.11.26
-
2025.11.26
-
2025.11.25
-
2025.11.20
-
2025.11.20
-
2025.11.02
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.11.26
熊本信愛女学院高の元監督・山口和也さん死去 五輪1万m7位・川上優子さん、世界陸上マラソン4位・飛瀬貴子さんらを指導
熊本信愛女学院高(熊本)の元陸上競技部監督で、長年多くのランナーを育てた山口和也さんが11月23日、病気のため亡くなった。71歳。 1980年に同校に赴任した山口さん。当時の日本女子長距離は黎明期であったが、山口さんは高 […]
2025.11.26
世界クロカンU20代表選考会エントリー確定 インターハイ&国スポV新妻遼己や本田桜二郎ら 女子は細見芽生、真柴愛里
日本陸連は11月26日、第46回世界クロスカントリー選手権(2026年1月10日/米国・タラハシー)の男女U20日本代表代表選考会(11月30日/京都)の確定エントリーリストを発表した。 男子は当初エントリーしていた24 […]
2025.11.26
パリ五輪4×400mR金のウィルソンが地元のメリーランド大に進学決定
男子短距離のQ.ウィルソン(米国)がメリーランド大へ入学することが発表された。 ウィルソンは2008年生まれの17歳。23年ごろから400mで頭角を現し、同年の米国室内選手権で優勝するなど注目を浴びた。今年6月には400 […]
2025.11.26
男子3000m障害・ジャガーが現役引退 リオ五輪銀、ロンドン世界陸上銅など活躍 「別れの時が来た」
2016年リオ五輪の男子3000m障害で銀メダルに輝いたE.ジャガー(米国)が引退を表明した。 ジャガーは35歳。ジュニア時代には中長距離でU20世界選手権1500m7位などの成績を収め、シニアでは3000m障害で世界的 […]
Latest Issue
最新号
2025年12月号 (11月14日発売)
EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選
Follow-up Tokyo 2025