2024.06.23
◇第108回日本選手権・混成競技(6月22、23日/岐阜メモリアルセンター長良川競技場)2日目
パリ五輪代表選考会を兼ねた日本選手権・混成競技が行われ、男子十種競技は丸山優真(住友電工)が連覇を達成した。7870点は日本歴代6位の自己記録(7844点)を更新。それでも「パリ五輪を目指していたので、現実的に難しくなったのは悔しい」と話す。
4月の試合で左膝を負傷。外側側副靱帯損傷、半月板損傷、亀裂骨折、骨挫傷と診断された。それでも初日を3903点の3位で折り返すと、2日目の110mハードルは14秒27(+0.4)の全体トップ、棒高跳では混成ベストの4m80をクリアした。
「棒高跳でケガをしたからこそ、正面から突っ込みたかった」。トラウマにしたくない。そういう思いで立ち向かい、見事に自己新へとつなげた。
「自信がある」と話していたやり投では64m65の自己新。1500mは「全体のベストを出せるペース」を守って走り抜いた。
膝に違和感はありつつも「痛みに鈍感なんで」と笑い飛ばす丸山。日大時代に胸椎分離で治るかどうかもわからないところから復活した経験を持つだけに、「それに比べれば」と言う。
ケガを抱えながらも圧巻の連覇。「この状態で自己ベストが出たのはベースが上がっている証」。特に冬に訪れたエストニアで刺激を受けて意識も変化。それでも、持てる潜在能力を考えれば8000点に“まだ”届いていないし、“もっと”上を目指せる選手。それは自身ももちろん自覚している。
「まずはしっかりケガを治すこと。夏と秋に2試合海外で出場して、冬はエストニアにずっと行ってトレーニングするつもりです。環境にこだわって、来年の東京世界選手権に出たい。やっぱり標準記録を切って出ないと勝負にならない」
これまで以上に“本気”で世界と戦うための礎を築いていく。
2位には左脛の疲労骨折から戻ってきた奥田啓祐(ウィザス)が7717点で続いた。「東海大に戻ったことで環境が変わって原点に戻れた」と言い、「戻ってきたぞ、と。宣戦布告です」と再びの8000点超え、そして世界選手権出場へ反撃の狼煙を上げた。
3位は今季好調の森口諒也(オリコ)で、初日はトップで折り返した。総合は7482点のベストで、「来年こそは」と気持ちを新たにしていた。
男子十種競技日本歴代10傑をチェック!
8308 右代啓祐(スズキ浜松AC) 2014. 6. 1 8180 中村明彦(スズキ浜松AC) 2016. 6.12 8008 奥田啓祐(第一学院高教) 2022.10. 9 7995 金子宗弘(ミズノ) 1993. 5.14 7871 松田克彦(富士通) 1993. 6.12 7870 丸山優真(住友電工) 2024. 6.23 ←NEW 7803 田中宏昌(モンテローザ) 2006. 6.25 7788 池田大介(WIND UP AC) 2009. 8.20 7764 田上駿(順大M2) 2021. 5. 3 7725 音部拓仁(富士通) 2015. 7. 5RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.12.21
飯塚翔太が「世界新」東京世界陸上を沸かせた代表選手たちがTBS『スポ男』で身体能力を披露
-
2025.12.21
-
2025.12.21
-
2025.12.21
2025.12.21
【大会結果】第37回全国高校駅伝・女子(2025年12月21日)
-
2025.12.21
-
2025.12.21
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝女子(2025年12月14日)
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝男子(2025年12月14日)
-
2025.12.21
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.12.21
飯塚翔太が「世界新」東京世界陸上を沸かせた代表選手たちがTBS『スポ男』で身体能力を披露
TBSの『最強スポーツ男子頂上決戦2025冬』が12月21日に放送され、東京世界選手権代表選手が多数出場して番組を盛り上げた。 ビーチフラッグスやモンスターボックス(跳び箱)など、身体能力を生かすさまざまな種目で、運動神 […]
2025.12.21
今井悠貴がV 順大勢が上位で力示す 2位に明大の井上が入る/関東10マイル
第139回関東10マイルロードレースが12月21日に行われ、一般・学生男子10マイルは、今井悠貴(順大2)が47分38秒で優勝した。 今井は前橋育英高出身。11月に10000mで29分03秒33の自己新を出しているが、箱 […]
2025.12.21
大東大に13分51秒30で若林司ら都大路区間賞2人、豊川・嶋岡希ら10人合格!古豪復活へ有望そろう
大東大の男子長距離ブロックが26年度の推薦入学試験合格者を発表した。 この日行われた全国高校駅伝で2位に入った仙台育英(宮城)から、アンカー7区を務め区間賞を獲得した若林司が加入。5000mでは13分51秒30のベストを […]
2025.12.21
部員全員で戦った鳥取城北は初入賞の4位 「タスキリレーができてうれしかった」/全国高校駅伝・男子
◇全国高校駅伝・男子(12月21日/京都・京都市たけびしスタジアム京都発着:7区間42.195km) 全国高校駅伝の男子が行われ、学法石川(福島)が2時間0分36秒の高校最高記録で初優勝を飾った。鳥取城北(鳥取)は県最高 […]
Latest Issue
最新号
2026年1月号 (12月12日発売)
箱根駅伝観戦ガイド&全国高校駅伝総展望
大迫傑がマラソン日本新
箱根駅伝「5強」主将インタビュー
クイーンズ駅伝/福岡国際マラソン
〔新旧男子100m高校記録保持者〕桐生祥秀×清水空跳