HOME 高校

2024.05.27

女子400m坂本紗季が54秒88 ハンマー投・工藤実幸乃が県高校新 円盤投・石丸大智が大会新/IH福岡県大会
女子400m坂本紗季が54秒88 ハンマー投・工藤実幸乃が県高校新 円盤投・石丸大智が大会新/IH福岡県大会

福岡県大会女子400mで圧勝した坂本紗季(福岡大大濠、右)

福岡インターハイ(7月28日~8月1日)に向けた都府県大会が5月上旬から各地で行われ、高校生たちが熱い戦いを繰り広げている。

開催地の福岡県大会は5月23日~25日の3日間、福岡市の博多の森陸上競技場で行われ、気温計が27~29度を示す暑さの中、3種目で大会新記録が誕生した。

大会初日、最初の大会記録を打ち出したのは、女子400mの坂本紗季(福岡大大濠3)だった。中盤から抜け出すと、隣のレーンを走る自己ベスト54秒92のウィリアムズ・シャマーヤ美杏(中村学園女2)に終始先行し、54秒88で圧勝。2位のウィリアムズも大会記録の55秒60、九州新人2位の園田桜花(自由ケ丘3)が55秒88の3位に続いた。

坂本の本職は400mハードル。昨年59秒55を打ち出し、今季はランキングトップでシーズンインし、5月初頭の福岡県選手権は1分01秒58と順調な走りを見せていた。

しかし、県大会2週間前の支部予選で、歩数が合わずにハードルを倒してしまい、まさかの失格。「地元開催のインターハイは特別。そこで絶対優勝したいと思っていたので、この2週間は陸上を辞めたいと思っていました」と精神的にもかなり落ち込んだ。

だが、周囲のサポートに支えられ、無心で挑んだ400mで優勝。タイムも「びっくり」と、再起のきっかけをつかむに十分な結果を手にした。坂本は「大きなハードルを越えた感じ。400mで日本一を目指したいです」と笑顔だった。

広告の下にコンテンツが続きます

女子ハンマー投では、工藤実幸乃(筑豊3)が54m58の県高校新記録を樹立。砲丸投2位、円盤投4位と、3種目で北九州大会出場を決めた。男子円盤投は、石丸大智(純真2)が、競技歴1年足らずで47m62の大会新記録。昨年のインターハイで入賞した砲丸投(15m32)との2冠を達成した。

そのほか、3種目で1年生が優勝。男子200mは向かい風3.3mで21秒58を出した南雄途(九産大九産)、男子800mは吉田太郎(大牟田)が1分53秒26、女子100mハードルは昨年のU16大会2位の井千夏(筑紫女学園)が準決勝で14秒16(-1.3)、決勝は14秒24(−1.6)をマークして快勝した。

学校対抗の女子は100mやリレー、跳躍、投てきと幅広い6種目で優勝した中村学園女が141点を獲得。77点で2位の筑紫女学園に圧倒的な差をつけた。男子はリレー2種目を制した九産大九産が、トラックで56点、フィールドで30点を重ねるなど99点で総合優勝に輝いた。

北九州大会は6月14日から4日間、長崎県諫早市の県立総合運動公園陸上競技場で行われる。

文・撮影/田端慶子

福岡インターハイ(7月28日~8月1日)に向けた都府県大会が5月上旬から各地で行われ、高校生たちが熱い戦いを繰り広げている。 開催地の福岡県大会は5月23日~25日の3日間、福岡市の博多の森陸上競技場で行われ、気温計が27~29度を示す暑さの中、3種目で大会新記録が誕生した。 大会初日、最初の大会記録を打ち出したのは、女子400mの坂本紗季(福岡大大濠3)だった。中盤から抜け出すと、隣のレーンを走る自己ベスト54秒92のウィリアムズ・シャマーヤ美杏(中村学園女2)に終始先行し、54秒88で圧勝。2位のウィリアムズも大会記録の55秒60、九州新人2位の園田桜花(自由ケ丘3)が55秒88の3位に続いた。 坂本の本職は400mハードル。昨年59秒55を打ち出し、今季はランキングトップでシーズンインし、5月初頭の福岡県選手権は1分01秒58と順調な走りを見せていた。 しかし、県大会2週間前の支部予選で、歩数が合わずにハードルを倒してしまい、まさかの失格。「地元開催のインターハイは特別。そこで絶対優勝したいと思っていたので、この2週間は陸上を辞めたいと思っていました」と精神的にもかなり落ち込んだ。 だが、周囲のサポートに支えられ、無心で挑んだ400mで優勝。タイムも「びっくり」と、再起のきっかけをつかむに十分な結果を手にした。坂本は「大きなハードルを越えた感じ。400mで日本一を目指したいです」と笑顔だった。 女子ハンマー投では、工藤実幸乃(筑豊3)が54m58の県高校新記録を樹立。砲丸投2位、円盤投4位と、3種目で北九州大会出場を決めた。男子円盤投は、石丸大智(純真2)が、競技歴1年足らずで47m62の大会新記録。昨年のインターハイで入賞した砲丸投(15m32)との2冠を達成した。 そのほか、3種目で1年生が優勝。男子200mは向かい風3.3mで21秒58を出した南雄途(九産大九産)、男子800mは吉田太郎(大牟田)が1分53秒26、女子100mハードルは昨年のU16大会2位の井千夏(筑紫女学園)が準決勝で14秒16(-1.3)、決勝は14秒24(−1.6)をマークして快勝した。 学校対抗の女子は100mやリレー、跳躍、投てきと幅広い6種目で優勝した中村学園女が141点を獲得。77点で2位の筑紫女学園に圧倒的な差をつけた。男子はリレー2種目を制した九産大九産が、トラックで56点、フィールドで30点を重ねるなど99点で総合優勝に輝いた。 北九州大会は6月14日から4日間、長崎県諫早市の県立総合運動公園陸上競技場で行われる。 文・撮影/田端慶子

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.05.13

月刊陸上競技2025年6月号

Contents Road to TOKYO Diamond League JAPANの挑戦 村竹ラシッド、三浦龍司が 初戦で世界陸上内定052 女王、始動 北口榛花は初戦4位 Re:Tokyo25 村竹ラシッド(JAL […]

NEWS 住友電工・加藤淳が現役引退 全中、IH、ICで入賞 全日本大学駅伝Vも経験 「14年間は私の財産です」

2025.05.13

住友電工・加藤淳が現役引退 全中、IH、ICで入賞 全日本大学駅伝Vも経験 「14年間は私の財産です」

住友電工は長距離の加藤淳が2024年度をもって現役引退したことを発表した。 加藤は兵庫県出身の26歳。大久保中から陸上を始め、3年時には近畿大会3000mで優勝したほか、愛知県で行われた全中でも4位入賞を飾るなど、世代の […]

NEWS ウクライナの妖精マフチフ「情熱を傾けられるものを見つけて」戸邉直人との走高跳豪華対談で若者へのメッセージ

2025.05.13

ウクライナの妖精マフチフ「情熱を傾けられるものを見つけて」戸邉直人との走高跳豪華対談で若者へのメッセージ

日本航空株式会社(JAL)が5月13日に都内で、女子走高跳世界記録保持者でパリ五輪金メダルのヤロスラワ・マフチフ(ウクライナ)と、JAL所属の男子走高跳日本記録保持者の戸邉直人の対談を行った。 走高跳の豪華クロストークが […]

NEWS SUUNTOからランニングに特化したGPSウォッチ「Suunto Run」が5月13日より新登場!

2025.05.13

SUUNTOからランニングに特化したGPSウォッチ「Suunto Run」が5月13日より新登場!

フィンランドのスポーツウォッチブランド、SUUNTO(スント)は、世界中でランニング人気が高まる中、ランナーをサポートする新しいスポーツウォッチ「Suunto Run」を5月13日に発売した。価格は43,890円(税込) […]

NEWS 東日本実業団エントリー発表 100m山縣亮太、走幅跳・城山正太郎、砲丸投・奥村仁志ら日本記録保持者が登録 競歩は世界陸上代表が多数出場予定

2025.05.13

東日本実業団エントリー発表 100m山縣亮太、走幅跳・城山正太郎、砲丸投・奥村仁志ら日本記録保持者が登録 競歩は世界陸上代表が多数出場予定

5月13日、東日本実業団連盟は熊谷スポーツ文化公園陸上競技場で行われる東日本実業団選手権(5月23~25日)のエントリーを発表した。 男子100mでは日本記録を持つ山縣亮太(セイコー)が登録。5月の世界リレーに出場した大 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年6月号 (5月14日発売)

2025年6月号 (5月14日発売)

Road to TOKYO
Diamond League JAPANの挑戦
村竹ラシッド、三浦龍司が初戦で世界陸上内定

Road to EKIDEN Season 25-26
学生長距離最新戦力分析

page top