HOME 国内、日本代表

2024.02.19

藤井菜々子 2大会連続五輪決める自己新V「パリまでにもっと記録を出したい」/日本選手権20km競歩
藤井菜々子 2大会連続五輪決める自己新V「パリまでにもっと記録を出したい」/日本選手権20km競歩

24年日本選手権20km競歩、優勝の藤井(左)と2位の岡田

◇第107回日本選手権20km競歩(2月18日/兵庫県神戸市・六甲アイランド)

パリ五輪代表選考会となる第107回日本選手権20km競歩が行われ、女子は藤井菜々子(エディオン)が1時間27分59秒の大会新記録で2年連続3度目の優勝。派遣設定記録(1時間28分30秒)を突破して優勝したことで、パリ五輪代表に内定した。

「今日は派遣設定記録の突破と優勝での内定が目標だったのでホッとしています」と藤井。「10kmまで4分25秒前後で押していって、そこから少しずつ上げられれば1時間27分台、と思っていました。その通りのレースができました」。

広告の下にコンテンツが続きます

岡田久美子(富士通/1時間27分41秒=日本記録)に次ぐ、日本女子2人目の1時間28分切りは、5年ぶりの自己ベストだった。

「呼吸も乱れず、身体も動いて余裕がありました」。5kmは岡田、柳井綾音(立命大)と3人の集団で22分03秒。徐々に前を引くと、10kmは44分02秒で通過した。「15km過ぎから暑さも風も出てきたので、ラスト3kmはきつくて(1km)4分28秒とかに落ちてしまいました。そこが課題です」と振り返る。

19年ドーハ世界選手権7位、22年オレゴン世界選手権6位と本番での強さを持つ一方、そのポテンシャルから見れば記録面では殻を破れていなかった。14位に終わった昨年のブダペスト世界選手権は「速いペースでまったく戦えなかったのがショックでした」。

それ以降は「(1km)4分20~25秒のレースペースを身体に刻み込んできた」と藤井。秋からはカーボン入りのやや底に厚みのあるシューズを履き、「結構、反発をもらえています」。1月のナショナルチーム合宿で「4分25秒で長い距離を歩けていたので、これは(記録が)出るかな」と手応えをつかんでスタートラインに立っていた。

3年前の東京五輪は「挑戦者の気持ち」で臨んだが、今回は「エースとして引っ張っていく立場」と自覚を持つ。

パリ五輪では「上位入賞」を目指す。そのためには「もっと国際レースに出て学びたい。後半にラップが上がったり、揺さぶりがあったり。強い選手は連戦しているので、そうしたところで学んでいきたい」。

記録を持って世界大会に臨むことで、「自信になります。先頭集団に食らいつきたい」。この後は国際レースを数本積む予定で「パリまでにもっと記録を」と、日本記録更新も見据えている。

2位に入った岡田は1時間29分03秒をマークし、派遣設定記録には届かなかったものの、参加標準記録(1時間29分20秒)をクリア。自己3番目の好記録だった。前日本競歩能美大会で派遣設定記録を突破する選手が現われなければ、3大会連続オリンピック代表をたぐり寄せそうだ。

昨年は腰のケガにより35km競歩で出場予定だったブダペスト世界選手権を欠場。一時は引退もよぎったが、北口榛花(JAL)と話す機会があり、その際に身体を一から見直して蘇った。「ここから半年で強度を上げていきたい」と、3度目のオリンピックに視線を向けていた。

◇第107回日本選手権20km競歩(2月18日/兵庫県神戸市・六甲アイランド) パリ五輪代表選考会となる第107回日本選手権20km競歩が行われ、女子は藤井菜々子(エディオン)が1時間27分59秒の大会新記録で2年連続3度目の優勝。派遣設定記録(1時間28分30秒)を突破して優勝したことで、パリ五輪代表に内定した。 「今日は派遣設定記録の突破と優勝での内定が目標だったのでホッとしています」と藤井。「10kmまで4分25秒前後で押していって、そこから少しずつ上げられれば1時間27分台、と思っていました。その通りのレースができました」。 岡田久美子(富士通/1時間27分41秒=日本記録)に次ぐ、日本女子2人目の1時間28分切りは、5年ぶりの自己ベストだった。 「呼吸も乱れず、身体も動いて余裕がありました」。5kmは岡田、柳井綾音(立命大)と3人の集団で22分03秒。徐々に前を引くと、10kmは44分02秒で通過した。「15km過ぎから暑さも風も出てきたので、ラスト3kmはきつくて(1km)4分28秒とかに落ちてしまいました。そこが課題です」と振り返る。 19年ドーハ世界選手権7位、22年オレゴン世界選手権6位と本番での強さを持つ一方、そのポテンシャルから見れば記録面では殻を破れていなかった。14位に終わった昨年のブダペスト世界選手権は「速いペースでまったく戦えなかったのがショックでした」。 それ以降は「(1km)4分20~25秒のレースペースを身体に刻み込んできた」と藤井。秋からはカーボン入りのやや底に厚みのあるシューズを履き、「結構、反発をもらえています」。1月のナショナルチーム合宿で「4分25秒で長い距離を歩けていたので、これは(記録が)出るかな」と手応えをつかんでスタートラインに立っていた。 3年前の東京五輪は「挑戦者の気持ち」で臨んだが、今回は「エースとして引っ張っていく立場」と自覚を持つ。 パリ五輪では「上位入賞」を目指す。そのためには「もっと国際レースに出て学びたい。後半にラップが上がったり、揺さぶりがあったり。強い選手は連戦しているので、そうしたところで学んでいきたい」。 記録を持って世界大会に臨むことで、「自信になります。先頭集団に食らいつきたい」。この後は国際レースを数本積む予定で「パリまでにもっと記録を」と、日本記録更新も見据えている。 2位に入った岡田は1時間29分03秒をマークし、派遣設定記録には届かなかったものの、参加標準記録(1時間29分20秒)をクリア。自己3番目の好記録だった。前日本競歩能美大会で派遣設定記録を突破する選手が現われなければ、3大会連続オリンピック代表をたぐり寄せそうだ。 昨年は腰のケガにより35km競歩で出場予定だったブダペスト世界選手権を欠場。一時は引退もよぎったが、北口榛花(JAL)と話す機会があり、その際に身体を一から見直して蘇った。「ここから半年で強度を上げていきたい」と、3度目のオリンピックに視線を向けていた。

【動画】パリ五輪内定!藤井菜々子のしなやかで力強い歩き

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.12.04

パリ五輪競歩代表・濱西諒がサンベルクス退社 「再び日の丸を背負って戦うために」

24年パリ五輪男子20km競歩代表の濱西諒が12月1日に自身のSNSを更新し、所属していたサンベルクスを11月末で退社したことを発表した。 濱西は大阪府出身で、履正社高から競歩に取り組み、国体優勝など早くから頭角を現した […]

NEWS 飯塚翔太がラオスで陸上競技指導 「飯塚翔太リレーカーニバル」も開催

2025.12.04

飯塚翔太がラオスで陸上競技指導 「飯塚翔太リレーカーニバル」も開催

東京世界選手権男子200m代表の飯塚翔大(ミズノ)が11月30日から12月3日まで、ラオスを訪問。4日にリモートで現地で行った活動について報告会見を行った。 飯塚はJICA(国際協力機構)が進める「スポーツを通じて世界平 […]

NEWS 世界クロカンU20日本代表が決定!新妻遼己、本田桜二郎、宇都宮桃奈ら男女各6名で世界に挑戦

2025.12.04

世界クロカンU20日本代表が決定!新妻遼己、本田桜二郎、宇都宮桃奈ら男女各6名で世界に挑戦

日本陸連は12月4日、米国・タラハシーで開催される世界クロスカントリー選手権(2026年1月10日)のU20日本代表を発表した。 11月30日の京都陸協記録会内で行われた選考会の上位選手を中心に選考され、男子は今季のイン […]

NEWS 世界陸連が走幅跳のルール変更を断念 「テイクオフゾーン」提案も選手からの反発強く

2025.12.04

世界陸連が走幅跳のルール変更を断念 「テイクオフゾーン」提案も選手からの反発強く

世界陸連(WA)が検討していた走幅跳のルール変更案について、選手からの反発などを受けて撤回されたことを英ガーディアン紙が報じた。 走幅跳では、20cmの踏み切り板とその先に10cmの粘土板が敷かれ、踏み切り板と粘土板の境 […]

NEWS 北口榛花、村竹ラシッド、鵜澤飛羽のJALトリオ参戦!1/2放送「木梨憲武のスポーツKING」自転車、プロ野球、バド世界王者と対決

2025.12.04

北口榛花、村竹ラシッド、鵜澤飛羽のJALトリオ参戦!1/2放送「木梨憲武のスポーツKING」自転車、プロ野球、バド世界王者と対決

2026年1月2日放送の「木梨憲武のスポーツKING!」に、JALの北口榛花、村竹ラシッド、鵜澤飛羽が参戦することがわかった。 現役トップアスリートやレジェンドが、木梨憲武らと異種競技バトルを繰り広げる正月恒例の特別番組 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年12月号 (11月14日発売)

2025年12月号 (11月14日発売)

EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選

Follow-up Tokyo 2025

page top