HOME 学生長距離

2023.12.28

【Playback箱根駅伝】第89回/日体大30年ぶり10回目のV 3年主将・服部翔大が5区で激走
【Playback箱根駅伝】第89回/日体大30年ぶり10回目のV 3年主将・服部翔大が5区で激走

第89回箱根駅伝/5区では日体大、早大、東洋大の三つ巴となったが、服部が16km過ぎに抜けだした

第89回箱根駅伝総合成績をチェック

●総合成績
1位 日体大 11時間13分26秒
2位 東洋大 11時間18分20秒
3位 駒大  11時間19分23秒
4位 帝京大 11時間21分39秒
5位 早大  11時間21分39秒
6位 順大  11時間24分43秒
7位 明大  11時間25分14秒
8位 青学大 11時間25分59秒
9位 法大  11時間26分40秒
10位 中央学大11時間27分34秒
11位 山梨学大11時間28分24秒
12位 大東大 11時間30分46秒
13位 関東学連選抜 11時間31分50秒
14位 國學院大11時間33分28秒
15位 日大  11時間35分23秒
16位 神奈川大11時間37分36秒
17位 東農大 11時間39分13秒
18位 上武大 11時間42分44秒
   城西大 途中棄権
   中大  途中棄権
●区間賞
1区 田口雅也(東洋大) 1時間03分32秒
2区 N.ベンジャミン(日大)1時間08分46秒
3区 設楽悠太(東洋大) 1時間04分36秒
4区 田中秀幸(順大)     57分16秒
5区 服部翔大(日体大) 1時間20分35秒
6区 千葉健太(駒大)     58分15秒
7区 我那覇和真(神奈川大)1時間04分47秒
8区 高橋宗司(青学大) 1時間06分46秒
9区 上野渉(駒大)   1時間09分50秒
10区 後藤田健介(駒大) 1時間10分49秒

2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)

第89回(2013年/平成25年) 前回19位から歴史的なV 中大が途中棄権で連続シードが28でストップ

全日本大学駅伝を大会新で連覇した駒大と、前回王者で全日本2位の東洋大による「2強」の優勝争いが予想された第89回大会。10月の予選会では40年連続で本戦出場を続けていた東海大が敗退したほか、前年11位の国士大、同14位の拓大も本戦へ駒を進めなかった。一方で大東大と法大が3年ぶり、日大が2年ぶりに本戦出場をつかんだ。 強烈な向かい風が吹き荒ぶ中でスタートした1区は、16km手前でスパートをかけた東洋大の田口雅也に法大の西池和人、明大の文元慧がつく、2年生3人の争いとなった。19km付近で再度ペースを上げた田口が区間賞を獲得。14秒差の2位で明大、さらにその1秒差で法大が続き、前々回王者の早大、出雲駅伝優勝の青学大が17位、18位と出遅れた。 2区では東洋大の設楽啓太(3年)が首位を独走する一方で、13位でスタートした日大のガンドゥ・ベンジャミン(4年)が猛烈な勢いで迫っていく。13位でスタートしたベンジャミンはあっという間に2位まで順位を上げ、最後の上り坂で設楽を捕らえて12人抜きを達成。区間賞を獲得する走りでトップ中継を果たした。 3区では双子の兄からタスキを受けた東洋大の設楽悠太(3年)が日大を抜いてトップを爆走。区間1位の走りで後続に2分41秒の大差をつけた。駒大が中村匠吾(2年)の3人抜きで2位へ浮上。早大も大迫傑(3年)が区間2位と好走して12位から3位へ躍り出た。 首位をひた走る東洋大は4区でやや詰められたものの、そのままトップで5区へ中継。日体大が2位に上がり、3位に早大、4位に明大と続き、駒大は4区で区間19位と振るわず、10位まで順位を落とした。 山上りの5区では日体大の服部翔大(3年)と早大の山本修平(2年)が東洋大を猛追し、12km手前で首位に躍り出る。その後、服部が山本を振り切り、最終的には2分35秒の大差をつけて26年ぶりの往路優勝を決めた。2位に早大、3位に東洋大、4位に明大と上位の顔ぶれは変わらず、13位から関口頌悟(2年)が8人抜きの快走を見せた法大が5位に食い込んだ。 復路は日体大の強さが際立った。6区の鈴木悠介(3年)が区間7位で山を下ると、7区の高田翔二(4年)、8区の高柳祐也(4年)、9区の矢野圭吾(3年)、10区の谷永雄一(4年)は区間2位でまとめ、終わってみれば6区で2位に浮上した東洋大に5分近くの差をつけて30年ぶり10回目の総合優勝を勝ち取った。前年19位からの優勝は史上最大の“V字回復”だった。 往路9位から3位まで順位を上げた駒大が復路優勝。6区の千葉健太、9区の上野渉、10区の後藤田健介と4年生3人の区間賞で優勝候補の意地を見せた。 4位争いはし烈を極め、帝京大の熊崎健人(2年)と早大の田口大貴(2年)がフィニッシュ直前までデッドヒートを繰り広げた。お互いスパートするタイミングを見計らい、先に勝負を仕掛けた熊崎が同タイムながらわずかに先着。チームの過去最高順位タイを手繰り寄せた。 予選会から勝ち上がった法大が9位で7年ぶりにシード権を獲得。10位の中央学大も4年ぶりにシード校へ返り咲いた。 一方で5区では城西大と中大が途中棄権となるアクシデントも発生。中大は1985年から続けていた連続シードが「28」で途切れたが、8区の永井秀篤(2年)が参考記録ながら区間1位の記録を36秒も上回る“幻の区間賞”の走りで名門の意地を見せた。 金栗四三杯(最優秀選手)は5区で区間賞を獲得して総合優勝の立役者となった服部が獲得。強風が吹き荒れ、全体的に記録水準は低かったものの、名門の復活、ごぼう抜き、熾烈なアンカー争いなど見応えのある大会だった。 参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)

第89回箱根駅伝総合成績をチェック

●総合成績 1位 日体大 11時間13分26秒 2位 東洋大 11時間18分20秒 3位 駒大  11時間19分23秒 4位 帝京大 11時間21分39秒 5位 早大  11時間21分39秒 6位 順大  11時間24分43秒 7位 明大  11時間25分14秒 8位 青学大 11時間25分59秒 9位 法大  11時間26分40秒 10位 中央学大11時間27分34秒 11位 山梨学大11時間28分24秒 12位 大東大 11時間30分46秒 13位 関東学連選抜 11時間31分50秒 14位 國學院大11時間33分28秒 15位 日大  11時間35分23秒 16位 神奈川大11時間37分36秒 17位 東農大 11時間39分13秒 18位 上武大 11時間42分44秒    城西大 途中棄権    中大  途中棄権 ●区間賞 1区 田口雅也(東洋大) 1時間03分32秒 2区 N.ベンジャミン(日大)1時間08分46秒 3区 設楽悠太(東洋大) 1時間04分36秒 4区 田中秀幸(順大)     57分16秒 5区 服部翔大(日体大) 1時間20分35秒 6区 千葉健太(駒大)     58分15秒 7区 我那覇和真(神奈川大)1時間04分47秒 8区 高橋宗司(青学大) 1時間06分46秒 9区 上野渉(駒大)   1時間09分50秒 10区 後藤田健介(駒大) 1時間10分49秒

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.05.14

台湾オープンに飯塚翔太、赤松諒一、秦澄美鈴らがエントリー! 6月1日、2日に台北で開催/WAコンチネンタルツアー

台湾オープンにエントリーした日本人選手 男子 200m 上山紘輝(住友電工) 飯塚翔太(ミズノ) 400mH 小川大輝(東洋大) 児玉悠作(ノジマ) 走高跳 衛藤昂(神戸デジタル・ラボ) 赤松諒一(西武・プリンスホテルズ […]

NEWS 北海道IH200m4位の若菜敬が準決勝で20秒97の大会新 110mH黒岩海翔14秒36で快勝 宮澤亜実は4種目制覇/IH栃木県大会

2024.05.14

北海道IH200m4位の若菜敬が準決勝で20秒97の大会新 110mH黒岩海翔14秒36で快勝 宮澤亜実は4種目制覇/IH栃木県大会

7月から8月にかけて行われる福岡インターハイに向けた都府県大会が5月上旬から各地で行われ、高校生たちが熱い戦いを繰り広げている。 栃木県大会は5月10日~13日の4日間、カンセキスタジアムとちぎで行われた。 広告の下にコ […]

NEWS 1年生・菅野翔唯 男子100m制覇 800m山鹿快琉は大会新V 小館なみえが女子投てき3冠/IH群馬県大会

2024.05.14

1年生・菅野翔唯 男子100m制覇 800m山鹿快琉は大会新V 小館なみえが女子投てき3冠/IH群馬県大会

7月から8月にかけて行われる福岡インターハイに向けた都府県大会が5月上旬から各地で行われ、高校生たちが熱い戦いを繰り広げている。 群馬県大会は5月10日~13日の4日間、正田醤油スタジアム群馬(群馬県立敷島公園陸上競技場 […]

NEWS 400mH筒江海斗、110mH石川周平、100mH福部真子らがセイコーGGPにエントリー!

2024.05.14

400mH筒江海斗、110mH石川周平、100mH福部真子らがセイコーGGPにエントリー!

ゴールデンGPハードル種目の出場者をチェック 男子110mH 村竹ラシッド(JAL) 高山峻野(ゼンリン) エリック・エドワーズ(米国) ルイ・フランソワ・メンディ(セネガル) ベネット・オーランド(ジャマイカ) 野本周 […]

NEWS 【Close-up】山本有真(積水化学)/日本女子長距離界のホープ 充実の社会人1年目を経て 「パリで再び世界と戦いたい」
PR

2024.05.14

【Close-up】山本有真(積水化学)/日本女子長距離界のホープ 充実の社会人1年目を経て 「パリで再び世界と戦いたい」

大学時代は駅伝女王・名城大学のエースとして活躍した山本有真(積水化学)。昨年度は5000mを軸に日本代表を4回経験し、11月のクイーンズ駅伝でもチームの優勝に大きく貢献するなどフル回転で走り続けた。1年間のほとんどを足の […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年6月号 (5月14日発売)

2024年6月号 (5月14日発売)

別冊付録学生駅伝ガイド

page top