2023.12.14
2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)
第34回(1958年/昭和33年)
日大1区からトップ独走の完封V8 順大初出場でシード
強風と横殴りの雨の中で始まった往路。連覇を狙う日大は1区・愛敬実が横浜市大のエース・照喜名実との競り合いを18秒差で制して区間賞と、幸先のいいスタートを切った。
日大は2区の古閑俊明、メルボルン五輪でマラソン5位入賞の3区・川島義明も区間賞の走りで後続を突き放す。
5区ではこの年に東京で行われたアジア大会の10000mで金メダルを獲得することになる1年生の馬場孝が、濃霧に包まれた山中を1時間26分30秒の驚異的な区間新記録で駆け上がり、悠々の往路連覇。2位の中大には13分08秒の大差をつけた。
往路で貯金を作った日大の復路は前半に自重して、後半に力を出す余裕のレース展開を披露。最後は9区の横山和五郎と10区の瀬戸功夫が区間新記録で締めて、追いかける中大を突き放した。
日大が1区から一度も首位を譲らない完封優勝で2年連続8回目の優勝。復路で5時間54分38秒、総合の12時間2分17秒はともに大会新記録。フィニッシュでは2位の中大に14分06秒の大差をつける圧勝だった。
前回はチームを組めずに本大会の出場を辞退した順大が念願の初出場。11位でタスキをもらった10区の小野沢七郎が東農大を抜いて10位に浮上し、初出場でシード権を獲得する健闘ぶりを見せた。
1区で見せ場を作った横浜市大だったが、それ以降は苦戦して3区で最下位に転落。9区では座間英夫が倒れて途中棄権。記録なしとなった。
また、草創期から各チームの伴走車として使われてきたサイドカーが役目を終えて徐々に姿を消し、山に強い軽トラックやジープが登場。なお陸上自衛隊のジープが公式伴走車として登場するのは、1973年の第49回大会からである。
参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)
第34回(1958年/昭和33年) 日大1区からトップ独走の完封V8 順大初出場でシード
強風と横殴りの雨の中で始まった往路。連覇を狙う日大は1区・愛敬実が横浜市大のエース・照喜名実との競り合いを18秒差で制して区間賞と、幸先のいいスタートを切った。 日大は2区の古閑俊明、メルボルン五輪でマラソン5位入賞の3区・川島義明も区間賞の走りで後続を突き放す。 5区ではこの年に東京で行われたアジア大会の10000mで金メダルを獲得することになる1年生の馬場孝が、濃霧に包まれた山中を1時間26分30秒の驚異的な区間新記録で駆け上がり、悠々の往路連覇。2位の中大には13分08秒の大差をつけた。 往路で貯金を作った日大の復路は前半に自重して、後半に力を出す余裕のレース展開を披露。最後は9区の横山和五郎と10区の瀬戸功夫が区間新記録で締めて、追いかける中大を突き放した。 日大が1区から一度も首位を譲らない完封優勝で2年連続8回目の優勝。復路で5時間54分38秒、総合の12時間2分17秒はともに大会新記録。フィニッシュでは2位の中大に14分06秒の大差をつける圧勝だった。 前回はチームを組めずに本大会の出場を辞退した順大が念願の初出場。11位でタスキをもらった10区の小野沢七郎が東農大を抜いて10位に浮上し、初出場でシード権を獲得する健闘ぶりを見せた。 1区で見せ場を作った横浜市大だったが、それ以降は苦戦して3区で最下位に転落。9区では座間英夫が倒れて途中棄権。記録なしとなった。 また、草創期から各チームの伴走車として使われてきたサイドカーが役目を終えて徐々に姿を消し、山に強い軽トラックやジープが登場。なお陸上自衛隊のジープが公式伴走車として登場するのは、1973年の第49回大会からである。 参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)第34回箱根駅伝総合成績をチェック
●総合成績 1位 日大 12時間02分17秒 2位 中大 12時間16分23秒 3位 東教大 12時間29分03秒 4位 日体大 12時間33分00秒 5位 法大 12時間35分21秒 6位 早大 12時間41分50秒 7位 立教大 12時間48分05秒 8位 東洋大 12時間49分39秒 9位 専大 13時間01分19秒 10位 順大 13時間21分25秒 11位 東農大 13時間23分26秒 12位 国士大 13時間24分18秒 13位 東学大 13時間33分05秒 14位 神奈川大 13時間51分43秒 途中棄権 横浜市大 ●区間賞 1区 愛敬実(日大) 1時間12分40秒 2区 古閑俊明(日大) 1時間09分40秒 3区 川島義明(日大) 1時間10分21秒 4区 山本正澄(中大) 1時間07分41秒 5区 馬場孝(日大) 1時間26分30秒 6区 築地美孝(東教大) 1時間13分33秒 7区 浪川貢(中大) 1時間06分48秒 8区 加藤正之助(早大) 1時間11分11秒 9区 横山和五郎(日大) 1時間06分49秒 10区 瀬戸功夫(日大) 1時間10分05秒RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
-
2025.11.17
2025.11.16
橋岡優輝が家族での初教室「楽しみながら陸上に触れて」
-
2025.11.14
-
2025.11.13
-
2025.11.15
2025.11.02
青学大が苦戦の中で3位確保!作戦不発も「力がないチームではない」/全日本大学駅伝
-
2025.11.02
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.11.19
世界陸連フェアプレー賞最終候補者発表 棒高跳・カラリス、1500m・カー、3000m障害のヴァン・デ・ベルデの3名
世界陸連(WA)は11月18日、ワールド・アスレティクス・アワード2025のフェアプレー賞の最終候補者を発表した。 男子棒高跳のE.カラリス(ギリシャ)は東京世界選手権の銀メダリスト。自身の試技に臨むだけでなく、同種目の […]
2025.11.19
エディオンDCエントリー 田中希実3年8ヵ月ぶりのトラック1万m 五島莉乃、樺沢和佳奈、高島由香、不破聖衣来も
日本実業団連合は11月18日夜、エディオンディスタンスチャレンジin大阪2025(12月6日/大阪・ヤンマースタジアム長居)のエントリー選手を発表した。 女子10000mには田中希実(New Balance)がエントリー […]
2025.11.19
「大阪から世界へ」OSAKA夢プログラム報告会が開催!ハンマー投・福田翔大「北京、ロスとさらに多くの代表を」
公益財団法人大阪陸上競技協会が展開する選手サポートプログラム「OSAKA夢プログラム」の第Ⅲ期報告会が11月18日、大阪市内のホテルで開催された。 東京世界選手権に出場した男子ハンマー投の福田翔大(住友電工)、女子100 […]
2025.11.18
国内外のレースでトップアスリートたちが好記録を樹⽴! On「Cloudboom Strike」日本長距離界のホープ・篠原倖太朗がその魅力を語る
スイスのスポーツブランド「On(オン)」が昨夏に発売したマラソンレースに特化したレーシングシューズ「Cloudboom Strike(クラウドブーム ストライク)」の人気が止まらない。 抜群の履き心地、通気性、サポート力 […]
Latest Issue
最新号
2025年12月号 (11月14日発売)
EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選
Follow-up Tokyo 2025