HOME 学生長距離

2023.12.12

【Playback箱根駅伝】第29回/中大が前回のリベンジ!往路・復路・総合すべてで大会新 ラジオ中継試験的に開始
【Playback箱根駅伝】第29回/中大が前回のリベンジ!往路・復路・総合すべてで大会新 ラジオ中継試験的に開始

第29回箱根駅伝/中大1区の三浦

2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)

第29回(1953年/昭和28年)
中大が記録ずくめの5度目V!ラジオ放送が試験的にスタート

14校が出場。8区のブレーキもあり、前回はあと一歩で優勝を逃していた中大が往路(6時間05分15秒)、復路(5時間58分26秒)、総合(12時間03分41秒)のすべてにおいて大会新記録を出して圧勝した。

中大は1区から先頭をひた走る。三浦達郎が区間賞スタートを切ると、前年のヘルシンキ五輪で5000mに出場した2区の井上治は明大の猛追に遭うも、1秒先着して3区にタスキをつないだ。

中大は3区、4区と首位を堅守するなか、4区では1956年メルボルン五輪で800m代表になる早大の鈴木重晴が区間タイ記録の快走。順位を4位から2位に押し上げた。

それでも中大は揺るがず。5区ではヘルシンキ五輪マラソン代表の西田勝雄が6度目の山上りを駆け抜けて往路4連覇を達成。2位の早大に5分21秒差をつけた。

なお、5区で西田以上の走りを見せたのが2年前のボストン・マラソンで日本人初の優勝を果たした日大の田中茂樹。順位を5位から3位に上げ、西田の記録を31秒上回った。

復路でも中央は強さを発揮。6年連続6区の田邉定明が自身5度目となる区間賞で好スタートを切ると、7区ではヘルシンキ五輪800m代表の室矢芳隆が従来の区間記録を2分5秒も更新して、2位・早大との差を12分23秒に広げる。

広告の下にコンテンツが続きます

復路の中大は8区以外の4人が区間賞。復路では史上初めて6時間を切る5時間58分26秒、総合でも初の12時間10分を切るスピード駅伝で、2位の早大に15分57秒の大差をつけた。

この年にはNHKのラジオが翌年からの本格実施に向けてテスト放送を実施。大相撲で名を馳せた志村正順アナウンサーが放送車に仕立てた小型自動車の屋根に上り、全国に実況中継した。

参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)

2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)

第29回(1953年/昭和28年) 中大が記録ずくめの5度目V!ラジオ放送が試験的にスタート

14校が出場。8区のブレーキもあり、前回はあと一歩で優勝を逃していた中大が往路(6時間05分15秒)、復路(5時間58分26秒)、総合(12時間03分41秒)のすべてにおいて大会新記録を出して圧勝した。 中大は1区から先頭をひた走る。三浦達郎が区間賞スタートを切ると、前年のヘルシンキ五輪で5000mに出場した2区の井上治は明大の猛追に遭うも、1秒先着して3区にタスキをつないだ。 中大は3区、4区と首位を堅守するなか、4区では1956年メルボルン五輪で800m代表になる早大の鈴木重晴が区間タイ記録の快走。順位を4位から2位に押し上げた。 それでも中大は揺るがず。5区ではヘルシンキ五輪マラソン代表の西田勝雄が6度目の山上りを駆け抜けて往路4連覇を達成。2位の早大に5分21秒差をつけた。 なお、5区で西田以上の走りを見せたのが2年前のボストン・マラソンで日本人初の優勝を果たした日大の田中茂樹。順位を5位から3位に上げ、西田の記録を31秒上回った。 復路でも中央は強さを発揮。6年連続6区の田邉定明が自身5度目となる区間賞で好スタートを切ると、7区ではヘルシンキ五輪800m代表の室矢芳隆が従来の区間記録を2分5秒も更新して、2位・早大との差を12分23秒に広げる。 復路の中大は8区以外の4人が区間賞。復路では史上初めて6時間を切る5時間58分26秒、総合でも初の12時間10分を切るスピード駅伝で、2位の早大に15分57秒の大差をつけた。 この年にはNHKのラジオが翌年からの本格実施に向けてテスト放送を実施。大相撲で名を馳せた志村正順アナウンサーが放送車に仕立てた小型自動車の屋根に上り、全国に実況中継した。 参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)

第29回箱根駅伝総合成績をチェック

●総合成績 1位 中大 12時間03分41秒 2位 早大 12時間19分38秒 3位 日大 12時間27分49秒 4位 明大 12時間52分19秒 5位 東教大 12時間55分55秒 6位 専大 12時間57分12秒 7位 立教大 13時間01分05秒 8位 東農大 13時間21分28秒 9位 東洋大 13時間33分43秒 10位 神奈川大 13時間38分59秒 11位 横浜国大 13時間49分04秒 12位 法大 14時間22分19秒 13位 日体大 14時間47分10秒 14位 拓大 15時間46分11秒 ●区間賞 1区 三浦達郎(中大) 1時間10分13秒 2区 菊地健吉(明大) 1時間04分46秒 3区 中村保徳(早大) 1時間11分53秒 4区 鈴木重晴(早大) 1時間07分02秒 5区 田中茂樹(日大) 1時間28分17秒 6区 田邉定明(中大) 1時間15分05秒 7区 室矢芳隆(中大) 1時間07分01秒 8区 園部光昭(早大) 1時間16分05秒 9区 富山孝次(中大) 1時間07分39秒 10区 南木信吾(中大) 1時間11分21秒

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.12.02

やり投五輪金の北口榛花「名言が残せなかった」流行語大賞トップ10入り!「流行った自覚ない(笑)」

2024年を代表する言葉を選ぶ「現代用語の基礎知識選 2024ユーキャン新語・流行語大賞」の表彰式が12月2日に都内で行われ、パリ五輪女子やり投金メダルの北口榛花(JAL)の「名言が残せなかった」がトップ10入りを果たし […]

NEWS 中大・本間颯がハーフマラソンで1時間2分45秒の自己新 溜池一太、吉居駿恭らもベスト更新/THE DISTANCE GAMES

2024.12.02

中大・本間颯がハーフマラソンで1時間2分45秒の自己新 溜池一太、吉居駿恭らもベスト更新/THE DISTANCE GAMES

12月1日、THE DISTANCE GAMESが東京都の荒川河川敷の公認コースで行われ、ハーフマラソンの部では本間颯(中大)が1時間2分45秒の自己新でトップフィニッシュを果たした。 チームのSNSによると、この日は主 […]

NEWS WAライジングスター賞は男子走幅跳のフルラーニ、女子3000m障害のアルマイェフ ナイキ創設者のナイト氏が会長賞受賞

2024.12.02

WAライジングスター賞は男子走幅跳のフルラーニ、女子3000m障害のアルマイェフ ナイキ創設者のナイト氏が会長賞受賞

12月1日、世界陸連(WA)はアスレティクス・アワードが開催され、各賞の受賞者が発表された。 新人賞に該当するライジングスター賞には、6月の欧州選手権男子走幅跳で8m38のU20世界記録を樹立し、パリ五輪で銅メダルを獲得 […]

NEWS ニューバランスから駅伝・マラソン限定コレクション「NB Riswing Pack(ライジングパック)」が発売!

2024.12.02

ニューバランスから駅伝・マラソン限定コレクション「NB Riswing Pack(ライジングパック)」が発売!

ニューバランスジャパンは、駅伝・マラソンシーズンに向けた限定コレクション「New Balance Riswing Pack(ライジングパック)」を12月2日より発売した。 陽が昇る=Risingと勝利=Winを掛け合わせ […]

NEWS 富士山女子駅伝の出場チームが決定!全日本上位に東洋大、玉川大ら記録による上位10校加え24チーム

2024.12.02

富士山女子駅伝の出場チームが決定!全日本上位に東洋大、玉川大ら記録による上位10校加え24チーム

日本学生陸上競技連合は12月2日、2024全日本大学女子選抜駅伝(富士山女子駅伝)の出場チームについて発表した。 今年10月に行われた全日本大学女子駅伝で優勝した立命大や富士山女子駅伝前回Vの名城大ら、上位12大学が出場 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年12月号 (11月14日発売)

2024年12月号 (11月14日発売)

全日本大学駅伝
第101回箱根駅伝予選会
高校駅伝都道府県大会ハイライト
全日本35㎞競歩高畠大会
佐賀国民スポーツ大会

page top