HOME 学生長距離

2023.11.29

【Playback箱根駅伝】第2回/明大が9区逆転で初優勝 早大は河野兄弟の活躍で往路V
【Playback箱根駅伝】第2回/明大が9区逆転で初優勝 早大は河野兄弟の活躍で往路V

第2回箱根駅伝でスタート地点の日比谷音楽堂をスタートする1区の選手たち

2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)

第2回(1921年/大正10年)
明大が前年の雪辱 9区で抜け出す

第1回大会に出場した東京高師、明大、早大、慶大に加えて中大、法大、東農大が新たに参加。第2回大会は「七大校対抗駅伝競走」の名称で日比谷音楽堂を発着点に開催された。

往路の主役となったのは早大の河野兄弟だ。1区で弟の謙三が2位の法大に2分46秒差をつけると、2、3区も先頭をキープ。4区の兄・一郎も区間3位ながら首位を守った。

5区では2位の明大と2分05秒差でタスキを受けた麻生武治が区間賞の快走。リードを3分30秒に広げて往路優勝を果たした。

往路優勝の立役者となった河野兄弟は卒業後に政治家として活躍。一郎は副総理や農林大臣などを歴任し、1964年には東京五輪担当大臣を務めた。謙三も日本陸連会長、日本体育協会会長を務めたほか、参議院議長として名を馳せた。

また、麻生はクロスカントリースキーの選手としても活躍。1928年にスイスのサンモリッツで開かれた冬季五輪に初の日本代表として出場している。

広告の下にコンテンツが続きます

復路では2位スタートの明大が追い上げる。6区の江俣広が区間賞の走りで2分10秒差に迫ると、7区の得能末吉で逆転。だが、早大も8区の大江正行が明大を抜き返して再びトップに立ち、勝負は終盤の2区間にもつれ込んだ。

9区では明大の藤井嘉市が早大を抜いて首位を奪い返す。一方の早大は東京高師にも抜かれて3位に転落した。明大は10区の下村広次がトップを守り抜いて先頭でフィニッシュ。初優勝を飾り、25秒差で2位に終わった前年の雪辱を果たした。初代王者の東京高師は6分00秒2差で2位となり、往路優勝の早大は2年連続の3位に終わった。

参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)

2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)

第2回(1921年/大正10年) 明大が前年の雪辱 9区で抜け出す

第1回大会に出場した東京高師、明大、早大、慶大に加えて中大、法大、東農大が新たに参加。第2回大会は「七大校対抗駅伝競走」の名称で日比谷音楽堂を発着点に開催された。 往路の主役となったのは早大の河野兄弟だ。1区で弟の謙三が2位の法大に2分46秒差をつけると、2、3区も先頭をキープ。4区の兄・一郎も区間3位ながら首位を守った。 5区では2位の明大と2分05秒差でタスキを受けた麻生武治が区間賞の快走。リードを3分30秒に広げて往路優勝を果たした。 往路優勝の立役者となった河野兄弟は卒業後に政治家として活躍。一郎は副総理や農林大臣などを歴任し、1964年には東京五輪担当大臣を務めた。謙三も日本陸連会長、日本体育協会会長を務めたほか、参議院議長として名を馳せた。 また、麻生はクロスカントリースキーの選手としても活躍。1928年にスイスのサンモリッツで開かれた冬季五輪に初の日本代表として出場している。 復路では2位スタートの明大が追い上げる。6区の江俣広が区間賞の走りで2分10秒差に迫ると、7区の得能末吉で逆転。だが、早大も8区の大江正行が明大を抜き返して再びトップに立ち、勝負は終盤の2区間にもつれ込んだ。 9区では明大の藤井嘉市が早大を抜いて首位を奪い返す。一方の早大は東京高師にも抜かれて3位に転落した。明大は10区の下村広次がトップを守り抜いて先頭でフィニッシュ。初優勝を飾り、25秒差で2位に終わった前年の雪辱を果たした。初代王者の東京高師は6分00秒2差で2位となり、往路優勝の早大は2年連続の3位に終わった。 参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)

第2回箱根駅伝総合成績をチェック

●総合成績 1位 明大   14時間39分01秒8 2位 東京高師 14時間45分02秒4 3位 早大   14時間56分40秒 4位 慶大   15時間49分43秒6 5位 東農大  15時間52分14秒8 6位 法大   16時間07分08秒6 7位 中大   16時間29分40秒6 ●区間賞 1区 河野謙三(早大) 1時間28分19秒 2区 高見将三(明大) 1時間15分15秒 3区 行田重治(早大) 1時間20分10秒 4区 二木謙三(慶大) 1時間15分00秒 5区 麻生武治(早大) 1時間55分50秒 6区 江俣広(明大)  1時間34分20秒 7区 金持嘉一(東京高師) 1時間27分45秒 8区 栗本義彦(東京高師) 1時間21分10秒 9区 不明 10区 不明

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.04.30

水戸招待のエントリー発表! 棒高跳に柄澤智哉、山本聖途、諸田実咲ら男女トップ集結 戸邉直人、城山正太郎も出場予定

5月5日に行われる日本グランプリシリーズ第7戦「2025水戸招待陸上」のエントリー選手が発表された。男子棒高跳には東京五輪代表の山本聖途(トヨタ自動車)、江島雅紀(富士通)や世界選手権代表経験のある柄澤智哉(東京陸協)ら […]

NEWS 【連載】上田誠仁コラム雲外蒼天/第56回「昭和100年とスポーツ用具の進化」

2025.04.30

【連載】上田誠仁コラム雲外蒼天/第56回「昭和100年とスポーツ用具の進化」

山梨学大の上田誠仁顧問の月陸Online特別連載コラム。これまでの経験や感じたこと、想いなど、心のままに綴っていただきます! 第56回「昭和100年とスポーツ用具の進化」 昨年は記念大会となる第100回箱根駅伝が開催され […]

NEWS 【高校生FOCUS】男子競歩・山田大智(西脇工高)インターハイで昨夏の雪辱誓う 高校記録更新にも挑戦

2025.04.30

【高校生FOCUS】男子競歩・山田大智(西脇工高)インターハイで昨夏の雪辱誓う 高校記録更新にも挑戦

FOCUS! 高校生INTERVIEW 山田大智 Yamada Daichi 西脇工高3兵庫 2025年シーズンが本格的に始まり、高校陸上界では記録会、競技会が次々と開かれています。その中で好記録も生まれており、男子50 […]

NEWS 5.3静岡国際、パリ五輪代表の坂井隆一郎、200m世界陸上標準突破の水久保漱至らが欠場

2025.04.30

5.3静岡国際、パリ五輪代表の坂井隆一郎、200m世界陸上標準突破の水久保漱至らが欠場

5月3日に行われる静岡国際のエントリーリストが更新され、現時点で欠場届を提出した選手が判明した。 男子100mはパリ五輪代表の坂井隆一郎(大阪ガス)が欠場。坂井は4月13日の出雲陸上で脚を痛め、29日の織田記念の出場も見 […]

NEWS 26年ブダペスト開催の「世界陸上アルティメット選手権」やり投・北口榛花が出場権獲得

2025.04.30

26年ブダペスト開催の「世界陸上アルティメット選手権」やり投・北口榛花が出場権獲得

世界陸連(WA)は4月29日、2026年に新設する「世界陸上アルティメット選手権」の大会500日前を受け、昨年のパリ五輪の金メダリストに出場資格を与えることを発表した。女子やり投で金メダルを獲得した北口榛花(JAL)も含 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年4月号 (3月14日発売)

2025年4月号 (3月14日発売)

東京世界選手権シーズン開幕特集
Re:Tokyo25―東京世界陸上への道―
北口榛花(JAL) 
三浦龍司(SUBARU)
赤松諒一×真野友博
豊田 兼(トヨタ自動車)×高野大樹コーチ
Revenge
泉谷駿介(住友電工)

page top