HOME 特集

2023.11.24

【クイーンズ駅伝見どころ】戦力充実の積水化学のV奪還なるか!前回女王・資生堂、3年前の覇者・JP日本郵政グループの3強
【クイーンズ駅伝見どころ】戦力充実の積水化学のV奪還なるか!前回女王・資生堂、3年前の覇者・JP日本郵政グループの3強

クイーンズ駅伝に挑むワコール・一山麻緒、積水化学・新谷仁美、JP日本郵政グループ・廣中璃梨佳、第一生命グループ・鈴木優花

第43回全日本実業団対抗女子駅伝競走大会(クイーンズ駅伝)は11月26日、宮城県松島町の文化観光交流館前スタート、仙台市の弘進ゴムアスリートパーク仙台(仙台市陸上競技場)フィニッシュの6区間42.195kmのコースで行われる。

昨年の大会でシード権を獲得した上位8チームと、10月22日の予選会(プリンセス駅伝in宗像・福津)で上位16位までの計24チームに加え、マラソングランドチャンピオンシップ(MGC/10月15日)の特例措置(出場選手がいるチームは予選会完走でクイーンズ駅伝出場資格が得られる)が適用された1チームの、計25チームが出場する。杜の都で繰り広げられる熱戦の見どころを紹介する。

広告の下にコンテンツが続きます

2019年以降の4年で頂点に立った3チーム、前回優勝の資生堂、前々回女王の積水化学、19年~20年連覇のJP日本郵政グループがV争いの「3強」と見られる。

その中でも一歩リードするのが積水化学だろう。その顔ぶれには日本代表経験者がずらりと並ぶ。大エースの新谷仁美は、9月のベルリンマラソンでは2時間23分08秒と、目標の日本記録(2時間19分12秒)更新は果たせなかったが、すぐに駅伝に切り替えた。

今夏のブダペスト世界陸上にはマラソンに佐藤早也伽、5000mにルーキー・山本有真が出場。21年東京五輪1500m代表の卜部蘭、世界陸上出場実績のある木村友香、楠莉奈もいる。世界を知る選手たちだけで6区間を埋めることができる豪華布陣だ。

さらに、経験豊富な森智香子や、10月のミドル・ディスタンス・サーキット(MDC)5000mで15分36秒40の自己新を出した2年目の田浦英理歌なども控え、選手層も厚い。前々回で悲願の初優勝を果たした名門が、女王の座奪還に向けて突き進むか。

広告の下にコンテンツが続きます

一方、前回大会で16年ぶりの優勝を果たした資生堂も、前回と遜色のない戦力が整う。

MGC2位で2大会連続の五輪代表内定を決めた一山麻緒、ブダペスト世界選手権10000m代表の五島莉乃、ベテランの高島由香の3本柱は積水化学と遜色ない。

前回1区区間賞の木村は積水化学に移籍し、2区区間賞で流れを引き継いだ佐藤成葉は引退したが、ワコールから移籍したスピードランナーの井手彩乃、2年目の大谷菜南子がカバーできる。さらに、前回4区で独走態勢を築いたジュディ・チェプングティチの存在が大きく、レースの流れを一気に変える力がある。

JP日本郵政グループは、ブダペスト世界陸上10000m7位入賞の廣中璃梨佳が大エースとして中心になる。あとはその脇をどう固めていくか。MGCに出場した鈴木亜由子、太田琴菜、アジア大会5位の大西ひかりのマラソン組3人がどこまで駅伝に合わせられるかが、カギとなりそう。2連覇した時の2区・菅田雅香、前回1区、6区の和田有菜や小坂井智絵ら選手層は整うだけに、適材適所の配置ができれば3年ぶり優勝が視野に入る。

広告の下にコンテンツが続きます

3強の勝負を分けるポイントの1つは、3区終了時のタイム差。資生堂のチェプングティチがここで抜け出す展開となるか、追いかける展開となるか。各チームの戦略に注目だ。

第43回全日本実業団対抗女子駅伝競走大会(クイーンズ駅伝)は11月26日、宮城県松島町の文化観光交流館前スタート、仙台市の弘進ゴムアスリートパーク仙台(仙台市陸上競技場)フィニッシュの6区間42.195kmのコースで行われる。 昨年の大会でシード権を獲得した上位8チームと、10月22日の予選会(プリンセス駅伝in宗像・福津)で上位16位までの計24チームに加え、マラソングランドチャンピオンシップ(MGC/10月15日)の特例措置(出場選手がいるチームは予選会完走でクイーンズ駅伝出場資格が得られる)が適用された1チームの、計25チームが出場する。杜の都で繰り広げられる熱戦の見どころを紹介する。 2019年以降の4年で頂点に立った3チーム、前回優勝の資生堂、前々回女王の積水化学、19年~20年連覇のJP日本郵政グループがV争いの「3強」と見られる。 その中でも一歩リードするのが積水化学だろう。その顔ぶれには日本代表経験者がずらりと並ぶ。大エースの新谷仁美は、9月のベルリンマラソンでは2時間23分08秒と、目標の日本記録(2時間19分12秒)更新は果たせなかったが、すぐに駅伝に切り替えた。 今夏のブダペスト世界陸上にはマラソンに佐藤早也伽、5000mにルーキー・山本有真が出場。21年東京五輪1500m代表の卜部蘭、世界陸上出場実績のある木村友香、楠莉奈もいる。世界を知る選手たちだけで6区間を埋めることができる豪華布陣だ。 さらに、経験豊富な森智香子や、10月のミドル・ディスタンス・サーキット(MDC)5000mで15分36秒40の自己新を出した2年目の田浦英理歌なども控え、選手層も厚い。前々回で悲願の初優勝を果たした名門が、女王の座奪還に向けて突き進むか。 一方、前回大会で16年ぶりの優勝を果たした資生堂も、前回と遜色のない戦力が整う。 MGC2位で2大会連続の五輪代表内定を決めた一山麻緒、ブダペスト世界選手権10000m代表の五島莉乃、ベテランの高島由香の3本柱は積水化学と遜色ない。 前回1区区間賞の木村は積水化学に移籍し、2区区間賞で流れを引き継いだ佐藤成葉は引退したが、ワコールから移籍したスピードランナーの井手彩乃、2年目の大谷菜南子がカバーできる。さらに、前回4区で独走態勢を築いたジュディ・チェプングティチの存在が大きく、レースの流れを一気に変える力がある。 JP日本郵政グループは、ブダペスト世界陸上10000m7位入賞の廣中璃梨佳が大エースとして中心になる。あとはその脇をどう固めていくか。MGCに出場した鈴木亜由子、太田琴菜、アジア大会5位の大西ひかりのマラソン組3人がどこまで駅伝に合わせられるかが、カギとなりそう。2連覇した時の2区・菅田雅香、前回1区、6区の和田有菜や小坂井智絵ら選手層は整うだけに、適材適所の配置ができれば3年ぶり優勝が視野に入る。 3強の勝負を分けるポイントの1つは、3区終了時のタイム差。資生堂のチェプングティチがここで抜け出す展開となるか、追いかける展開となるか。各チームの戦略に注目だ。

ダイハツ、MGC女王の鈴木優花擁する第一生命グループらが上位候補

3強に隙ができた時に食い込むチームとしては、ダイハツ、第一生命グループ、エディオン、天満屋あたりが候補となりそう。 ダイハツはMGCに加世田梨花、竹本香奈子、前田彩里が出場し、ブダペスト世界選手権マラソン13位の松田瑞生は足のケガで回避。つなぎを含めて、そのメンバーたちがしっかりと各区間に入ってくれば、上位を狙う態勢が整う。 第一生命グループには、MGC優勝でパリ五輪代表内定を決めた鈴木優花がいる。駅伝にも強い意欲を示しており、7月のアジア選手権10000m金メダルの小海遥がケガから回復しているようだと、3区と5区の10km区間は強力だ。 前回4位で初シード獲得だったエディオンも、MGC3位の細田あい、同16位の市田美咲、キャプテン・矢田みくにを軸に、総合力は高い。 天満屋もMGCで5~7位に松下菜摘、谷本観月、前田穂南が入り、大東優奈が13位。代表内定者は出せなかったが、チームとして高い総合力を示した。それを駅伝にぶつけられると、4年ぶり入賞はもちろん、さらなる上位が見えてくる。 ここに、前回入賞の豊田自動織機、パナソニック、前回9位の九電工、プリンセス駅伝を制した岩谷産業、ブダペスト世界選手権1500m代表の後藤夢を擁するユニクロなどを加えたチームが、次回出場権を得られる8位入賞ラインで熾烈な争いを繰り広げることになるだろう。 初出場はセンコーのみで、ニトリ、キヤノン、京セラが2年ぶりの出場となる。 コロナ禍による規制が3年ぶりに解除され、今年は第1中継所が、4年前と同じ塩竃市地域活動支援センターに戻された。そのため、1区の距離が昨年より600m短い7.0kmに戻った。また、2区と3区で距離変更があり、2区は3.3㎞から4.2㎞と900m延び、3区は10.9㎞から10.6㎞と300m短縮。4区以降に変更はない。 レースは11月26日、12時15分スタート。TBS系列で11時50分から生中継される。 ※文中に誤りがありましたので、修正しました。

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.05.06

北口榛花が“凱旋試合”で貫禄勝ち 女子100m青山華依がV 男子100mは本郷汰樹が制す/水戸招待

◇水戸招待陸上(5月5日/茨城・ケーズデンキスタジアム水戸) 日本グランプリシリーズG2の水戸招待が5月5日に行われた。女子やり投には昨年のブダペスト世界選手権金メダリストの北口榛花(JAL)が出場。昨年6月の日本選手権 […]

NEWS 世界リレーで初の頂点なるか!? 男子4×100m、4×400mが強豪に挑む 女子4×100m、混合4×400mはパリ五輪に向け正念場

2024.05.06

世界リレーで初の頂点なるか!? 男子4×100m、4×400mが強豪に挑む 女子4×100m、混合4×400mはパリ五輪に向け正念場

◇2024世界リレー(5月4日、5日/バハマ・ナッソー) パリ五輪の出場権を懸けた世界リレーの2日目が5月5日(日本時間6日)に行われる。 広告の下にコンテンツが続きます 日本は初日の予選で男子の4×100mと4×400 […]

NEWS やり投・北口榛花「納得はいかない」も61m83でV 世界一になって国内初試合飾る/水戸招待

2024.05.05

やり投・北口榛花「納得はいかない」も61m83でV 世界一になって国内初試合飾る/水戸招待

◇水戸招待陸上(5月5日/茨城・ケーズデンキスタジアム水戸) 日本グランプリシリーズG2の水戸招待が行われ、女子やり投は北口榛花(JAL)が61m83をマークして優勝した。 広告の下にコンテンツが続きます 昨年のブダペス […]

NEWS 男子4×400mR日本は組1着でパリ五輪へ! 「しっかりと勝ち切って、パリに臨みたい」/世界リレー

2024.05.05

男子4×400mR日本は組1着でパリ五輪へ! 「しっかりと勝ち切って、パリに臨みたい」/世界リレー

◇2024世界リレー(5月4日、5日/バハマ・ナッソー)1日目 パリ五輪の出場権を懸けた世界リレーの1日目が行われ、男子4×400mリレー予選1組で日本が3分00秒98で1着となり、今夏のパリ五輪出場権を獲得した。 広告 […]

NEWS 男子4×100mR日本がパリ五輪へ「もっと良いバトンができれば、金メダルも狙える」/世界リレー

2024.05.05

男子4×100mR日本がパリ五輪へ「もっと良いバトンができれば、金メダルも狙える」/世界リレー

◇2024世界リレー(5月4日、5日/バハマ・ナッソー)1日目 パリ五輪の出場権を懸けた世界リレーの1日目が行われ、男子4×100mリレー予選4組で日本が38秒10で1着となり、今夏のパリ五輪出場権を獲得した。 広告の下 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年5月号 (4月12日発売)

2024年5月号 (4月12日発売)

パリ五輪イヤー開幕!

page top