HOME 世界陸上、海外

2023.08.28

女子走高跳・マフチフがウクライナに捧ぐ金メダル「母国で大会が開催される日が来ることを祈っている」/世界陸上
女子走高跳・マフチフがウクライナに捧ぐ金メダル「母国で大会が開催される日が来ることを祈っている」/世界陸上

金メダルを手にインタビューに答えたマフチフ

◇ブダペスト世界陸上(8月19日~27日/ハンガリー・ブダペスト)9日目

ブダペスト世界陸上9日目のアフタヌーンセッションが行われ、女子走高跳では2大会連続で銀メダルを獲得していたヤロスラワ・マフチフ(ウクライナ)が、ただ一人2m01に成功して、悲願の金メダルに輝いた。

広告の下にコンテンツが続きます

有力者が顔をそろえた決勝だったが、マフチフの跳躍は際だって安定していた。

1m94こそ1度のミスがあったものの、その後は1m97、1m99とともに難なく1回で成功。1m99は前回優勝のエレノール・パターソンと、今季2m02を跳んでリストトップに立っていたニコラ・オリスラガースの豪州コンビもクリアしていたが、互いにミスがあり、この時点でトップに踊り出た。

圧巻だったのが2m01の跳躍だ。2回目に長い手足を大きく振る助走から、内傾姿勢、踏み切り、クリアランスと流れるようなフォームで、バーに身体が触れることなくクリア。成功後も大きく喜ぶことはなかったが、世界一を確信するかのような表情を見せた。

その後、自己記録(2m06)を上回る2m07にもチャレンジ。惜しい跳躍もあった。

マフチフは2001年生まれの21歳。17歳だった19年ドーハ大会においてU20世界新を樹立して銀メダルと華々しい国際大会デビューを果たし、21年東京五輪では3位。昨年はダイヤモンドリーグ(DL)で優勝を重ね、DLファイナルも制したものの、オレゴンでは1位だったパターソンと同記録の2位に泣いていた。

昨年2月にロシアの軍事侵攻が始まった際には、車で6日間掛けて国外に避難。ウクライナ中部にある生まれ故郷のドニプロは激戦地となり、祖国には今年1月に2週間だけ戻ったきりだという。

インタビューでは「母国のためにこの金メダルを獲得できたことをとても誇りに思います。ウクライナに戻って、コーチにこのメダルを見せるのが待ちきれません」と語ったマフチフ。「ウクライナの平和と独立のために、今も戦っているすべてのウクライナ国民のためにこの金メダルを獲得する必要がありました」と壮絶な覚悟を持ってこの試合に挑んでいた。

いまだ戦禍が続く祖国に希望となる金メダルをもたらした新女王は「ウクライナで大会が開催されたり、トレーニングができるようになる日が来ることを祈ってます」と一刻も早い平和を願った。

◇ブダペスト世界陸上(8月19日~27日/ハンガリー・ブダペスト)9日目 ブダペスト世界陸上9日目のアフタヌーンセッションが行われ、女子走高跳では2大会連続で銀メダルを獲得していたヤロスラワ・マフチフ(ウクライナ)が、ただ一人2m01に成功して、悲願の金メダルに輝いた。 有力者が顔をそろえた決勝だったが、マフチフの跳躍は際だって安定していた。 1m94こそ1度のミスがあったものの、その後は1m97、1m99とともに難なく1回で成功。1m99は前回優勝のエレノール・パターソンと、今季2m02を跳んでリストトップに立っていたニコラ・オリスラガースの豪州コンビもクリアしていたが、互いにミスがあり、この時点でトップに踊り出た。 圧巻だったのが2m01の跳躍だ。2回目に長い手足を大きく振る助走から、内傾姿勢、踏み切り、クリアランスと流れるようなフォームで、バーに身体が触れることなくクリア。成功後も大きく喜ぶことはなかったが、世界一を確信するかのような表情を見せた。 その後、自己記録(2m06)を上回る2m07にもチャレンジ。惜しい跳躍もあった。 マフチフは2001年生まれの21歳。17歳だった19年ドーハ大会においてU20世界新を樹立して銀メダルと華々しい国際大会デビューを果たし、21年東京五輪では3位。昨年はダイヤモンドリーグ(DL)で優勝を重ね、DLファイナルも制したものの、オレゴンでは1位だったパターソンと同記録の2位に泣いていた。 昨年2月にロシアの軍事侵攻が始まった際には、車で6日間掛けて国外に避難。ウクライナ中部にある生まれ故郷のドニプロは激戦地となり、祖国には今年1月に2週間だけ戻ったきりだという。 インタビューでは「母国のためにこの金メダルを獲得できたことをとても誇りに思います。ウクライナに戻って、コーチにこのメダルを見せるのが待ちきれません」と語ったマフチフ。「ウクライナの平和と独立のために、今も戦っているすべてのウクライナ国民のためにこの金メダルを獲得する必要がありました」と壮絶な覚悟を持ってこの試合に挑んでいた。 いまだ戦禍が続く祖国に希望となる金メダルをもたらした新女王は「ウクライナで大会が開催されたり、トレーニングができるようになる日が来ることを祈ってます」と一刻も早い平和を願った。

【動画】2m01を鮮やかにクリア!女子走高跳で金メダルを獲得したマフチフ

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

         

Latest articles 最新の記事

2026.09.21

WA混成ツアーゴールドのデカスター 十種競技・スコトハイムが終盤逆転で制す 七種競技は五輪3連覇中のティアムがV

世界陸連(WA)混成ツアー・ゴールドのデカスターが9月18日、19日の2日間、フランス・タランスで開催され、男子十種競技ではS.スコトハイム(ノルウェー)が8630点で優勝した。 スコトハイムは昨年の世界室内選手権(七種 […]

NEWS 女子種目のみの「ATHLOS」400mはパウリノ 前回から今季無敗で13連勝 リチャードソン100mV ホジキンソン800m制す

2026.09.21

女子種目のみの「ATHLOS」400mはパウリノ 前回から今季無敗で13連勝 リチャードソン100mV ホジキンソン800m制す

女子種目のみの競技会「ATHLOS」が9月18日、英国・ロンドンで開催され、400mは2023年ブダペスト世界選手権と24年パリ五輪の両大会で金メダリストのM.パウリノ(ドミニカ共和国)が48秒73で優勝した。 29歳の […]

NEWS ゲティチ女子単独ハーフ世界新 アルムグレン58分06秒 ファルケン1マイル世界歴代2位 /世界ロードランニング選手権

2026.09.21

ゲティチ女子単独ハーフ世界新 アルムグレン58分06秒 ファルケン1マイル世界歴代2位 /世界ロードランニング選手権

◇世界ロードランニング選手権(9月19日、20日/デンマーク・コペンハーゲン) 世界ロードランニング選手権がデンマーク・コペンハーゲンで開催され、20日に行われたハーフマラソンで、女子はA.ゲティチ(ケニア)が1時間5分 […]

NEWS 近藤幸太郎が1時間2分15秒で4位!拠点の米国フィラデルフィアでハーフ出場

2026.09.20

近藤幸太郎が1時間2分15秒で4位!拠点の米国フィラデルフィアでハーフ出場

フィラデルフィア・ディスタンスランが9月20日に米国の当地で行われ、男子ハーフマラソンで近藤幸太郎(HOKA)が1時間2分15秒をマークして4位に入った。 最初の5kmを15分07秒で入った近藤は、10kmを29分58秒 […]

NEWS 100m・前田美結子が学生歴代6位の11秒44!自己ベスト大幅更新、200mとの2冠達成/九州学生選手権

2026.09.20

100m・前田美結子が学生歴代6位の11秒44!自己ベスト大幅更新、200mとの2冠達成/九州学生選手権

第54回九州学生選手権が9月18日~20日、福岡県久留米市の久留米総合スポーツセンター陸上競技場で開催され、最終日に行われた女子100mでは前田美結子(福岡大)が学生歴代6位の11秒44(+1.9)で優勝した。 予選を1 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2026年10月号 (9月14日発売)

2026年10月号 (9月14日発売)

アジア大会総展望
山口全中&日本インカレ
サウェ特集

page top