HOME 国内、世界陸上、日本代表
廣中璃梨佳 10000m7位の快挙!!苦しい時期乗り越え笑顔の走り「タイムより順位」磨いたラスト勝負でつかみとる/世界陸上
廣中璃梨佳 10000m7位の快挙!!苦しい時期乗り越え笑顔の走り「タイムより順位」磨いたラスト勝負でつかみとる/世界陸上

ブダペスト世界選手権女子10000mで7位入賞を果たし、笑顔を見せる廣中璃梨佳

【動画】廣中が今大会日本勢初入賞!女子10000mダイジェスト

◇ブダペスト世界陸上(8月19日~27日/ハンガリー・ブダペスト)1日目 ブダペスト世界陸上1日目のアフタヌーン・セッションが行われ、女子10000mで廣中璃梨佳(日本郵政グループ)が7位入賞の快挙を成し遂げた。五輪(21年東京7位)とのダブル入賞は千葉真子以来、世界選手権での入賞は13年モスクワの新谷仁美(5位)以来となる。31分35秒12のシーズンベストも「今回はタイムより順位を狙っていました」と語った。 スタート前、いつものようにトレードマークの帽子を外して笑顔で挨拶をする。いつもの表情が戻ってきた。 入りの400mが83秒49という超スローペース。そこから少しずつペースが上がって縦長の展開になる。そうしたなか、中学時代からスタイルとしてこだわってきた先頭を引くレースではなく、どんなペースになっても5番手あたりをキープする。 「これから先を考えた時に、5000mまで耐えてラスト勝負をしたかった。それを(高橋昌彦)監督と取り組んできました」。東京五輪やオレゴンでも5000mまで引っ張ってラストでどれだけ粘れるかという展開だったが、「そうなると残りの5000mでもがく。今の10000mは5000mからが勝負。今回は引き出しを増やす」という目標を見事に完遂。もくろみ通り、それまで後ろにいたアフリカ勢が5000mから一気にレースを動かすなか、廣中は必死でくらいついた。 「ラスト200mまでつければ入賞ラインが見えてくる。今回はつらいところはなかったです」。帽子を外さなかったのは「集中してゾーンに入っていました」と笑う。違う形で2度目の世界大会入賞をもぎとった収穫は大きい。 今季は春から左アキレス腱を痛めて苦しい時期を過ごした。代表選考会だったゴールデンゲームズinのべおかは、3位以内で代表内定だったものの4位で即時内定を逃している。日本選手権5000mも21位。レースの度に涙を流してきた。調子が上がってきたのは「この1ヵ月くらい」。7月中旬から3週間、スイス・サンモリッツで高地合宿。「そこで上げられました」。今年一番だという調子で臨めたのは、廣中が決してあきらめなかったから。 「4月からなかなか調子が上がらず、モヤモヤする毎日でしたが、その期間があったからこそ、こうやって今の自分があるんだというのをすごく実感しています。2回目の世界選手権に挑戦できて、笑顔でスタートラインに立てたのが自分にとっての一歩でした」 そう言う廣中には涙はなく、新たな自分で世界と戦えた充実感と思いっきり走れる楽しさにあふれていた。 次は日本記録(14分52秒84)を持つ5000mに出場(日本時間23日18時10分に予選)。そこでも磨いてきたスピードをぶつけて堂々と世界に挑戦する。

【動画】廣中が今大会日本勢初入賞!女子10000mダイジェスト

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.07.18

富士北麓ワールドトライアル 100mに栁田大輝、桐生祥秀 ハードルに泉谷駿介、田中佑美がエントリー!

富士北麓ワールドトライアルの主なエントリー選手 ●男子 100m 栁田大輝(東洋大) 小池祐貴(住友電工) 山縣亮太(セイコー) 鈴木涼太(スズキ) 守祐陽(大東大) 樋口陸人(スズキ) 桐生祥秀(日本生命) 大石凌功( […]

NEWS 【世界陸上プレイバック】―13年モスクワ―棒高跳イシンバエワが地元で有終の美 福士加代子がマラソンで笑顔の銅メダル、桐生祥秀が世界デビュー

2025.07.18

【世界陸上プレイバック】―13年モスクワ―棒高跳イシンバエワが地元で有終の美 福士加代子がマラソンで笑顔の銅メダル、桐生祥秀が世界デビュー

今年9月、陸上の世界選手権(世界陸上)が34年ぶりに東京・国立競技場で開催される。今回で20回目の節目を迎える世界陸上。日本で開催されるのは1991年の東京、2007年の大阪を含めて3回目で、これは同一国で最多だ。 これ […]

NEWS 100m栁田大輝60年ぶり“世界一”なるか!?落合晃、阿部竜希、柳井綾音らがドイツで勝負/ユニバ

2025.07.18

100m栁田大輝60年ぶり“世界一”なるか!?落合晃、阿部竜希、柳井綾音らがドイツで勝負/ユニバ

学生世界一を決めるFISUワールドユニバーシティゲームズの陸上競技が7月21日から27日まで、ドイツのライン・ルールで行われる。若き日本代表の注目選手を紹介する。 男子100mには栁田大輝(東洋大)が出場する。自己記録は […]

NEWS 王者・キプチョゲに加え、レゲセ、ウォルデらがエントリー! 日本から川内優輝、聞谷賢人らも出場予定/シドニーマラソン

2025.07.18

王者・キプチョゲに加え、レゲセ、ウォルデらがエントリー! 日本から川内優輝、聞谷賢人らも出場予定/シドニーマラソン

シドニーマラソンの主な出場予定選手 ●男子 E.キプチョゲ(ケニア) 2.01.09 B.レゲセ(エチオピア) 2.02.48 V.ゲティチ(ケニア)  2.03.13 D.ウォルデ(エチオピア)2.03.48 B.コエ […]

NEWS チェプンゲティチ暫定的資格停止!女子マラソン初2時間10分切り、3月のドーピング検査陽性

2025.07.18

チェプンゲティチ暫定的資格停止!女子マラソン初2時間10分切り、3月のドーピング検査陽性

世界陸連の独立不正監査機関「アスリート・インテグリティー・ユニット」(AIU)は7月17日、女子マラソン世界記録(2時間9分56秒)保持者のルース・チェプンゲティチ(ケニア)に暫定的資格停止処分を科したことを発表した。 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年8月号 (7月14日発売)

2025年8月号 (7月14日発売)

詳報!日本選手権
IH地区大会

page top