2023.06.13
8月の北海道インターハイの出場権を懸けた北九州大会(福岡、佐賀、長崎、大分)が6月15日から18日までの4日間、福岡県の博多の森競技場で行われる。
5、6月に行われた県大会など、直近の戦績などをふまえたうえで、注目種目や選手など、見どころを紹介していく。
注目は男女ともに全国の準決勝、決勝レベルの選手がそろう短距離種目だろう。
男子100mと200mには、U20アジア選手権100m金メダリストで自己記録10秒28を持つ黒木海翔(東福岡3福岡)が登場する。凱旋からわずか2週間。アジアを制した勢いで2種目制覇が狙える位置につけるが、強力なライバルたちが立ちはだかる。
100mは、長崎県大会で県高校記録の10秒36(+0.5)を打ち立てた中川穂泉(佐世保西3)、同10秒42の植松康太(長崎南3)が対抗一番手に挙がる。大分県大会を制した金本凌弥(大分3)は10秒58のベストを持ち、勝負強さもある。加えて、10秒6、7台が6人。条件次第では10秒6台でもインターハイに進めない選手が出るかもしれない。
同様に200mもハイレベル。4月に21秒08(+1.4)を出した佐賀県チャンピオンの松本悠斗(佐賀北2)を筆頭に、自己記録21秒13の黒木、21秒18の植松、福岡県大会優勝の荒木星哉(九産大九産2/21秒37)による激しい優勝争いが予想される。
スプリント種目が盛況とあって、4×100mリレーも接戦の気配だ。福岡県大会を41秒16で通過した東福岡は、県大会シードで欠場だった黒木が入れば40秒台が見える。長崎県大会を40秒96の大会新で制した長崎南は、東福岡に敗れた昨年秋の九州高校新人からパワーアップしており、雪辱に燃えている。
4×400mリレーは、福岡県大会で接戦を演じた3分10秒49の東福岡と3分11秒54の自由ケ丘が他を大きくリード。東福岡はインターハイ3連覇に向けて、負けられない戦いが続く。県大会で3分14分台の大会新を出した長崎南と大分舞鶴(大分)は、上記2校と競うことでタイムを縮める可能性を秘める。
個人では、福岡県大会男子400mハードルで50秒82の大会新をマークした渕上翔太(東福岡3)に好記録の期待が高まる。渕上は300mハードルの高校最高記録(35秒75)を持ち、400mでも全国ランキング7位の47秒56をマークしているほか、リレーの中心メンバーとしてフル回転する。
女子スプリントの中でも熾烈を極めそうなのは200m。福岡県大会は7着の選手が24秒78という超ハイレベルだった。このタイムは佐賀、大分、長崎各県大会の優勝記録をも上回っている。
その福岡県大会で一際存在感を見せつけたのが、短距離2冠の柴藤凛(福大若葉3)。100m11秒74(-1.1)、200m24秒01(+0.3)といずれも県高校新を打ち立てた。200mで2位に入った福岡梓音(中村学園女2)の24秒17も県高校新。24秒28で3位だったウィリアムズ・シャマーヤ美杏(中村学園女1)も、今後の伸びしろを秘める有望株だ。昨年の北九州大会と九州高校新人を制した24秒18の井手口陽菜里(筑紫女学園3)が復調してくれば、さらに優勝争いは混沌とする。
24秒84を持つ大分県大会優勝の大林璃音(大分雄城台3)、2年前の全中100m3位の実績を持つ佐賀県大会チャンピオンの徳永心奈(佐賀北2)も6位以内に入る力がある。
女子円盤投は、今季全国ランキングトップの44m19をマークしている濱田桃子(福岡大若葉3福岡)と、U18大会で学年最上位の4位(40m85)に入った草野美月(長崎南3)が対決。草野が勝てば、北九州大会連覇。福岡県大会で調子の上がらない濱田を抑え、1年生優勝を飾った東かれん(八女学院1)は無限の伸びしろを感じさせる存在だ。
女子三段跳ランキング2位(12m57)の佐田那奈(福岡雙葉3福岡)は、1m68の記録を持つ走高跳との2冠に挑む。
文/田端慶子
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking 人気記事ランキング
2024.12.13
40歳・岡本直己が来年1月で引退へ 都道府県駅伝通算134人抜き、マラソンでも活躍
2024.12.13
ユニクロの長沼祥吾監督が11月末で退任 プリンセス駅伝でトップ通過に導く 後任は未定
2024.12.13
京山、神村学園、大沢野が三つ巴の様相 細江や京都光華も上位うかがう/全中駅伝女子展望
-
2024.12.13
-
2024.12.13
2024.12.07
不破聖衣来が10000mに出場し12位でフィニッシュ 完全復活へ実戦積む/エディオンDC
-
2024.11.24
-
2024.11.20
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2024.12.13
40歳・岡本直己が来年1月で引退へ 都道府県駅伝通算134人抜き、マラソンでも活躍
中国電力に所属する岡本直己が来年1月に引退することが12月13日、明らかになった。 1984年5月生まれで40歳の岡本。鳥取・東伯中、由良育英高(現・鳥取中央育英高)を経て明大に進んだ。大学2年時には、箱根駅伝予選会の1 […]
2024.12.13
ユニクロの長沼祥吾監督が11月末で退任 プリンセス駅伝でトップ通過に導く 後任は未定
12月13日、ユニクロは長沼祥吾監督が11月末で退任し、来年2月末をもって退社することを発表した。 長沼監督は長崎県出身の56歳。筑波大大学院を修了後、94年に営団地下鉄陸上部の立ち上げにあたって監督に就任。世界選手権マ […]
2024.12.13
京山、神村学園、大沢野が三つ巴の様相 細江や京都光華も上位うかがう/全中駅伝女子展望
第32回全国中学校駅伝が、12月15日に滋賀県の野洲市と湖南市にまたがる希望が丘文化公園で開催される。 男子6区間18km、女子5区間12kmのコースに、各都道府県代表に開催地枠を加えた男女それぞれ48チームが出場し、中 […]
2024.12.13
京山 史上4校目の連覇なるか 坂や鶴ヶ島藤なども有力/全中駅伝男子展望
第32回全国中学校駅伝が、12月15日に滋賀県の野洲市と湖南市にまたがる希望が丘文化公園で開催される。 男子6区間18km、女子5区間12kmのコースに、各都道府県代表に開催地枠を加えた男女それぞれ48チームが出場し、中 […]
2024.12.13
富士山女子駅伝エントリー発表! 立命大は村松灯ら全日本Vメンバーが登録 名城大も谷本七星ら主力がエントリー 拓大・不破は最後の学生駅伝
日本学生連合は、12月30日に行われる2024全日本大学女子選抜駅伝(富士山女子駅伝)のエントリー選手を発表した。 10月の全日本大学女子駅伝で9年ぶりに女王の座を奪還した立命大は、同大会で区間賞を獲得した村松灯(4年) […]
Latest Issue 最新号
2024年12月号 (11月14日発売)
全日本大学駅伝
第101回箱根駅伝予選会
高校駅伝都道府県大会ハイライト
全日本35㎞競歩高畠大会
佐賀国民スポーツ大会