HOME アイテム

2020.07.15

【シューズレポ】サブスリー編集者が語る!! 「On」のCloud(クラウド)
【シューズレポ】サブスリー編集者が語る!! 「On」のCloud(クラウド)

【シューズレポ】サブスリー編集者が語る!!
「On」のCloud(クラウド)

競争の激しいランニングシューズメーカーの中で、独特のソール形状で注目を集めているOn(オン)。スイス発祥で、2010年創業という比較的新しいブランドだ。そのOnの中でもベストセラーモデルなのが「Cloud(クラウド)」。「雲の上の走り」をコンセプトにしているOnは、実際どんな履き心地なのか体験した。

独特なミッドソール「CloudTec」

まるでゴムホースを半分に切って貼り付けたような独特なソール形状。その姿を初めて見た人は「この靴で本当に走れるのか?」と疑問を抱くかもしれない。しかし、心配は無用だ。結論から言えば、全然問題ない。それも、想像以上に快適だ。

ミッドソールの形状が特徴的なOn(オン)の「Cloud(クラウド)」

2014年に発売されたOnの「Cloud(クラウド)」は、Onを愛する多くのランナーを虜(とりこ)にしてきた。シンプルかつ洗練されたミニマルなデザイン。Onの特徴とも言える「スポーツとファッションの融合」を体現しているモデルだ。2017年には細部がアップデートされ、機能性がいっそう高まった。

広告の下にコンテンツが続きます

Onの最大の特徴は、「CloudTec(クラウドテック)」と名付けられた独特なミッドソールにある。ソールには空洞が設けられ、それが着地の瞬間につぶれて元に戻ることで、Onのコンセプトである「ソフトな着地と爆発的な蹴り出し」を実現するという。このテクノロジーは世界特許も取得している。

ミッドソールの形状はモデルによって異なるが、クラウドの場合は縦横にいくつもの溝が入り、パーツがそれぞれに独立しながら1つのソールを成立させている。また、Onのシューズにはどれもソールに高反発の「スピードボード」が内蔵され、シューズに推進力と安定性をもたらしている。

縦横に溝が入ったソール。その奥にスピードボードが内蔵されている

感覚的にはほぼフラットソール

一般的にランニングシューズは走行スピードによってカテゴリーが分けられているが、Onのシューズにはそういった区分が存在しない。どんなスピードでもその人なりの走る楽しさを提供する、というのがOnのこだわりだという。

広告の下にコンテンツが続きます

靴紐はゴム製で着脱がしやすい。いちいち紐をほどく必要がないのは便利だ。サイズ感としてはアッパーのフィット感がややタイトで、私は通常25.0~25.5cmのシューズを履いているが、クラウドは25.5cmだとアッパーのフィット感は合うものの、長さが若干余る。甲がやや低めの設計かもしれない。

実際に走ってみると、ソールの見た目とは裏腹に接地感はフラットソールに近い。「雲の上の走り」というコンセプトの割にソールはやや硬めで、反発重視という印象を受けた。アウトソールのグリップ力も高く、1歩1歩しっかり地面をとらえて強く蹴り出せる。

重量は25.5cmで206g(実測値)と軽いため、テンポを上げたランニングでもストレスを感じない。強い反発が軽快に脚を運んでくれるため、いつまでも走り続けられそうな快適さがある。

スピードにも対応可
短距離選手のトレーニングにも

これほど軽いならどこまでスピードに対応できるのか、そう思ってトラックを走ってみることにした。リラックスしたまま1000m4分00秒~3分50秒あたりのリズムを刻んでみる。すると、ミッドソールがジョグの時よりも高反発に感じ、テンポが上がっていく。そのまま慣性に任せて脚を回し続けると、時計は想定よりも速い3分42秒を示した。結構走れるな……というのが正直な感想だ。

一般的なカテゴライズではこのクラウドは「クッショニングシューズ」になるのだろうが、〝適性速度〟は1km4分から6分前後かもしれない。ゆっくり走るためのシューズでありながら、マラソンなら3時間、10kmなら40分前後までは問題なく対応できそうだ。適度にクッション性があるのでマラソンで使うと後半に脚が残らなくなる……というリスクは少ないだろう。

長距離以外の種目を専門とするアスリートのトレーニング用としても活用できそうだ。ダッシュをしてもまったく違和感はないし、実際に女子100mハードルの日本記録保持者である寺田明日香選手(パソナグループ)もトレーニングの時にはこのクラウドと同じソール構造の「Cloud X」を履いているという。

クラウドは反発が強い分、これからランニングを始めようとする初心者にはソールがやや硬く感じられるかもしれない。Onのシューズは種類によって履き心地が異なるので、複数の候補から検討するのもお勧めだ。クラウドは独特なフォルムだけでなく、カラーバリエーションが豊富なのも魅力的。価格は15,180円(税込み)とやや高めだが、足を通してみればきっとその良さを実感できるだろう。

写真の「ALL Black」はカメラの設定により色が薄く出ているが、実物はより濃い黒でシックな装い。カラーバリエーションも豊富で、好みのデザインを見つけやすい

◎文/山本慎一郎

<関連リンク>
Cloud商品ページ(オン・ジャパン)

<関連記事>
本格レーシングモデルが続々登場〝熱意〟で広まるランニングブランド「On(オン)」/PR
【シューズレポ】サブスリー編集者が語る!! On史上最速シューズ「Cloudboom(クラウドブーム)」
パワーアップして戻ってきた 「ママさんハードラー」 寺田明日香(パソナグループ)

【シューズレポ】サブスリー編集者が語る!! 「On」のCloud(クラウド)

競争の激しいランニングシューズメーカーの中で、独特のソール形状で注目を集めているOn(オン)。スイス発祥で、2010年創業という比較的新しいブランドだ。そのOnの中でもベストセラーモデルなのが「Cloud(クラウド)」。「雲の上の走り」をコンセプトにしているOnは、実際どんな履き心地なのか体験した。

独特なミッドソール「CloudTec」

まるでゴムホースを半分に切って貼り付けたような独特なソール形状。その姿を初めて見た人は「この靴で本当に走れるのか?」と疑問を抱くかもしれない。しかし、心配は無用だ。結論から言えば、全然問題ない。それも、想像以上に快適だ。 ミッドソールの形状が特徴的なOn(オン)の「Cloud(クラウド)」 2014年に発売されたOnの「Cloud(クラウド)」は、Onを愛する多くのランナーを虜(とりこ)にしてきた。シンプルかつ洗練されたミニマルなデザイン。Onの特徴とも言える「スポーツとファッションの融合」を体現しているモデルだ。2017年には細部がアップデートされ、機能性がいっそう高まった。 Onの最大の特徴は、「CloudTec(クラウドテック)」と名付けられた独特なミッドソールにある。ソールには空洞が設けられ、それが着地の瞬間につぶれて元に戻ることで、Onのコンセプトである「ソフトな着地と爆発的な蹴り出し」を実現するという。このテクノロジーは世界特許も取得している。 ミッドソールの形状はモデルによって異なるが、クラウドの場合は縦横にいくつもの溝が入り、パーツがそれぞれに独立しながら1つのソールを成立させている。また、Onのシューズにはどれもソールに高反発の「スピードボード」が内蔵され、シューズに推進力と安定性をもたらしている。 縦横に溝が入ったソール。その奥にスピードボードが内蔵されている

感覚的にはほぼフラットソール

一般的にランニングシューズは走行スピードによってカテゴリーが分けられているが、Onのシューズにはそういった区分が存在しない。どんなスピードでもその人なりの走る楽しさを提供する、というのがOnのこだわりだという。 靴紐はゴム製で着脱がしやすい。いちいち紐をほどく必要がないのは便利だ。サイズ感としてはアッパーのフィット感がややタイトで、私は通常25.0~25.5cmのシューズを履いているが、クラウドは25.5cmだとアッパーのフィット感は合うものの、長さが若干余る。甲がやや低めの設計かもしれない。 実際に走ってみると、ソールの見た目とは裏腹に接地感はフラットソールに近い。「雲の上の走り」というコンセプトの割にソールはやや硬めで、反発重視という印象を受けた。アウトソールのグリップ力も高く、1歩1歩しっかり地面をとらえて強く蹴り出せる。 重量は25.5cmで206g(実測値)と軽いため、テンポを上げたランニングでもストレスを感じない。強い反発が軽快に脚を運んでくれるため、いつまでも走り続けられそうな快適さがある。

スピードにも対応可 短距離選手のトレーニングにも

これほど軽いならどこまでスピードに対応できるのか、そう思ってトラックを走ってみることにした。リラックスしたまま1000m4分00秒~3分50秒あたりのリズムを刻んでみる。すると、ミッドソールがジョグの時よりも高反発に感じ、テンポが上がっていく。そのまま慣性に任せて脚を回し続けると、時計は想定よりも速い3分42秒を示した。結構走れるな……というのが正直な感想だ。 一般的なカテゴライズではこのクラウドは「クッショニングシューズ」になるのだろうが、〝適性速度〟は1km4分から6分前後かもしれない。ゆっくり走るためのシューズでありながら、マラソンなら3時間、10kmなら40分前後までは問題なく対応できそうだ。適度にクッション性があるのでマラソンで使うと後半に脚が残らなくなる……というリスクは少ないだろう。 長距離以外の種目を専門とするアスリートのトレーニング用としても活用できそうだ。ダッシュをしてもまったく違和感はないし、実際に女子100mハードルの日本記録保持者である寺田明日香選手(パソナグループ)もトレーニングの時にはこのクラウドと同じソール構造の「Cloud X」を履いているという。 クラウドは反発が強い分、これからランニングを始めようとする初心者にはソールがやや硬く感じられるかもしれない。Onのシューズは種類によって履き心地が異なるので、複数の候補から検討するのもお勧めだ。クラウドは独特なフォルムだけでなく、カラーバリエーションが豊富なのも魅力的。価格は15,180円(税込み)とやや高めだが、足を通してみればきっとその良さを実感できるだろう。 写真の「ALL Black」はカメラの設定により色が薄く出ているが、実物はより濃い黒でシックな装い。カラーバリエーションも豊富で、好みのデザインを見つけやすい ◎文/山本慎一郎 <関連リンク> ・Cloud商品ページ(オン・ジャパン) <関連記事> 本格レーシングモデルが続々登場〝熱意〟で広まるランニングブランド「On(オン)」/PR 【シューズレポ】サブスリー編集者が語る!! On史上最速シューズ「Cloudboom(クラウドブーム)」 パワーアップして戻ってきた 「ママさんハードラー」 寺田明日香(パソナグループ)

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.10.28

5000m・成沢翔英が13分51秒35で慶大記録更新! 浜川舜斗ら青学大勢3人が13分台

国士大Combined Challenge1日目は10月25日、国士大多摩キャンパス陸上競技場で行われ、男子5000mで成沢翔英(慶大)が13分51秒35の慶大記録を更新した。 成沢は長野・上田六中出身で、岐阜・麗澤瑞浪 […]

NEWS 田中希実がフィアログループとスポンサー契約締結!「限界を超え、新たな挑戦に挑む」理念が重なり合う

2025.10.28

田中希実がフィアログループとスポンサー契約締結!「限界を超え、新たな挑戦に挑む」理念が重なり合う

フィアログループは10月28日、女子中長距離の田中希実(New Balance)とスポンサー契約を締結したことを発表した。 フィアログループは1939年に江戸川木型製作所として創業し、産業用機械の木型(マスターモデル)、 […]

NEWS 【女子400m】笠松悠花(GTR/天草倉岳中3)56秒24=中学歴代3位

2025.10.28

【女子400m】笠松悠花(GTR/天草倉岳中3)56秒24=中学歴代3位

熊本陸協秋季記録会は10月25日、熊本県民運動公園陸上競技場で行われ、女子400mで笠松悠花(GTR/天草倉岳中3熊本)が中学歴代3位の56秒24をマークした。 笠松はハードルや跳躍種目などに幅広く出場。昨年U16大会は […]

NEWS 【男子砲丸投】赤澤瑠依(玉野光南高3)16m01=高校歴代5位

2025.10.28

【男子砲丸投】赤澤瑠依(玉野光南高3)16m01=高校歴代5位

第19回岡山カーニバル大会1日目は10月25日、岡山県陸上競技場で行われ、男子砲丸投(一般規格)で赤澤瑠依(玉野光南高3岡山)が高校歴代5位となる16m01をマークした。 赤澤は1投目で大会記録となる16m01をプット。 […]

NEWS 鎮西学院2時間7分09秒で3年連続V 女子は諫早がオール区間賞で7連覇/長崎県高校駅伝

2025.10.28

鎮西学院2時間7分09秒で3年連続V 女子は諫早がオール区間賞で7連覇/長崎県高校駅伝

全国高校駅伝の出場権を懸けた長崎県高校駅伝が10月28日、雲仙小浜県高体連駅伝コースで行われ、女子(5区間21.0975km)は諫早が1時間13分32秒で7年連続31回目の制覇を果たし、男子(7区間42.195km)は鎮 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年11月号 (10月14日発売)

2025年11月号 (10月14日発売)

東京世界選手権 総特集
箱根駅伝予選会&全日本大学駅伝展望

page top